ラブライブ!サンシャイン!!〜新人教師が行くスクールアイドルの道〜   作:サカズキ

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ライブ直前

「アクア?」

 

仕事帰りで部屋に着くなり、千歌ちゃんが部屋にやって来た。用事はグループ名が決まったことの報告らしい。

 

「そうapours!」

 

apoursねぇ。水とかそういう意味か?まぁ海近いししっくりくるけど。

 

「誰が考えたの?」

 

「浜辺に書いてた!」

 

なにそれちょっと怖い。いや、運命的なのかもしれないけど、誰かの意図を感じるのは気のせいだろうか?

 

「ふーん。あ、仕事するから退室してね」

 

「ひどい!まだ話したいことあるのに」

 

いやいやさすがに、学校の仕事を生徒に見られるわけにもいかないので退室をしてもらう。

さて仕事仕事っと……

それから約1時間ほどはキーボードを叩く音と、ノートのページを開く音だけが部屋の中にあった。

 

「ふぅ〜終わった〜」

 

やっていたのは授業で使う資料作りで、去年の参考があるとはいえ、新人教師にはなかなか骨が折れる。

さて、休憩したらアレやるか。

と思い、飲み物を貰うために今の方に向かう。

 

「お茶お茶〜」

 

冷蔵庫にあったお茶のポットを取り出してグラスに注ぐ。一気に飲み干すと喉を冷たい液体が通り、生き返る気がする。

え?普通の成人はビールじゃないのかって?残念。俺はアルコール類には弱いのだ。どの程度弱いのかと言うとウイスキーボンボンで酔うくらい弱い。

周りの人が飲んでるくらいなら耐えられるけど、自分が飲むと相当ヤバイらしい。

大学の卒業祝いで友人と飲みに行った時にそう言われた。

飲み干したグラスを洗い、水切りの箱に入れておき、部屋に戻ると、再びパソコンに向かう。

 

「さてやりますか!」

 

今から俺が何を始めるのかと言うと、ある友人に作ってもらったソフト。説明するならば、演出シュミレーションソフトだ。MMDなるものを流用しているらしい。詳しくは知らないが、それを使って舞台の演出のシュミレーションを行うのだ。え?なぜそんなものを使っているのか?それは俺が元演劇サークルに居たからだ。役職は演出係。大学にいた頃は教師を諦めてそっちの道に進もうかと思ったくらいハマっていた。その当時の産物がこれなのだ。

教師になってからは無用の長物になるかとも思っていたが、まさかまた使うとは思ってなかった。まぁ色々演劇用からダンスステージ用に変更しなければならないし、使える演出機材も限られてる。

 

「だがしかし!そこに演劇魂が刺激されるのだ!」

 

気合入れてからパソコンを操作する。

振り付けと歌は完成しているから、前やろうとした時には出来なかったことをやっておく。

完成したら早速みんなに見せようかな。

それから数時間の間。俺は色々なパターンの演出を考えた。学校にあるもの、町内から借りられる物など様々なことを考えておくことが大事。

俺がそれから眠ったのは日付が変わる前であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「また寝不足になった……」

 

最近こんな感じばっかりだ。

やってる途中で段々と面白くなってきて、歯止めが効かなくなるんだよな。

アラームで止める時間を決めておかないと、いつまでもやっているだろうな。

と思いつつ眠い目を擦りながらの出勤。

 

「あ!先生おはようございます」

 

「お、千歌ちゃんおはよう」

 

朝のダンス練習をして帰ってきた千歌ちゃんと道すがら会った。

あれ?なら、隣の家の桜内さんは?

 

「梨子ちゃん?先帰ったよ。私は軽いランニングしてから帰ろうと思って」

 

おお!努力してるな千歌ちゃん。眩しすぎるぜコノヤロー!いや、女の子にコノヤロー!は無いな。うん。

 

 

「あぁそうだ。放課後に見せたいものがあるから、ダンスの練習終わってからでいいから3人で俺の部屋まで来れる?」

 

「え?見せたいものですか?何だろう」

 

「それは見てのお楽しみだな」

 

「えぇ〜気になる」

 

さて時間は早く過ぎるもので放課後から少し経って俺の部屋にはapoursの3人がいる。

 

「これを見よ!」

 

俺は意気揚々と昨日、正しくは今日の早朝に完成したものをパソコンの画面に映し出す。

 

「「「こ、これってライブのシュミレーション!?」」」

 

「いかにも!徹夜したんだぞ」

 

「すごい!振り付けの動きやそれに合わせてのライトの配置の想定に、演出によるそれぞれのパートでの盛り上げ方まで!」

 

「先生にこんな才能があったなんて!」

 

「奇跡だよ!」

 

上から桜内さん、渡辺さん、千歌ちゃんだけどひどいよ渡辺さん!

 

「これでも一時期は演出家志望だったからな、これくらいはな。ソフトは知り合いの自作だが」

 

「でもこれがあれば、よりもっと実践的なミーティングができます」

 

「和人さんが顧問でよかったよ〜」

 

お、おう。素直に褒められるとこそばゆいな。

 

 

「3人でこれ見て、練習頑張ってくれ。動画は3人のスマホに送っておくから、直したいところがあったらまた修正版を見せるから」

 

「「「ありがとうございます!」」」

 

よきかなよきかな。昔取った杵柄だが、役立つなら良いことだ。

早速3人は動画を見ながら、ここはこうしようとか、この辺りをアクティブにしようとか相談してる。

うん。そう言う積極性は大事なんだが、すごい盛り上がってしまって、寝ようと思ったのに寝れる雰囲気じゃない。

寝不足なんだけどなぁ〜

 

 

 

 

 

〜千歌Side〜

 

「和人さんここなんですけど……寝ちゃってる?」

 

曜ちゃんと梨子ちゃんと盛り上がっていて、気になったことがあるので和人さんに聞こうとしたらいつの間にか寝ちゃってたみたい。

 

「仕方ないよ。振り付けだってこの前全部の動き完成して、見せたばっかりだもん。きっと徹夜で作ってくれたんだよ」

 

そう言う曜ちゃんの言う通り、ここ最近和人さんすごく眠たそうだった。元は半ば強引に顧問になってもらったのに、こんなところまで私達の事に手を貸してもらって、すごく感謝してる。

そうだ、風邪ひかないように布団かけておいてあげよう。

 

「ほぅほぅ」

 

「な、なに曜ちゃん?」

 

「千歌ちゃんてさ、先生のこと好き?」

 

「ふぇ!す、す、好きってどう言う意味!?」

 

「しー!先生起きちゃうよ」

 

「あ!」

 

慌てて口に手を当てて、和人さんの方を見るが、さっきと変わらず心地良さそうな寝息を立てていた。

 

「で、どうなの千歌ちゃん?」

 

「な、なんでそんなこと聞くのかな?」

 

「だって、布団を先生にかけてる時の千歌ちゃん、まるで好きな人を見つめるような目だったから」

 

「ち、違うよ。和人さんにはすごく感謝してるけど、べ、別に好き……とかじゃない」

 

と思う。

 

「ふ〜ん。そっか」

 

曜ちゃんは納得したようなしてないような、そんな顔をして話を切った。

と言うか、私は本当に別に和人さんに恋愛感情なんて持ってないよ。そりゃ、すごく感謝してるし、すごいなとは思うけど。でも私と和人さんは、「先生」と「生徒」だから。だから和人さんだって私に好きになられてもきっと迷惑だろうし。

あれ?おかしいな。なんだが胸がチクってしたような。

ないない!絶対……無い…………から

……あっちゃいけないから。

 

 

〜千歌Side End〜




・荒堅和人
好きなもの演劇
好きなこと演出・輝く人たち
元から演劇に興味があり、大学と同時にサークルに入ったら、ハマってしまい、一時期は本気で演劇の道に進もうかと思った。
本人は他の人が輝く姿が好きなので、裏方役に脱することが多いが、一度だけサークルの舞台に立った。
しかし悲惨なこととなり、本人の中では黒歴史となっている。


・演出シュミレーションソフト
和人の大学自体の知り合い(プロも驚くソフト開発マニア)に作ってもらったもの。こんなものを使ってまで演劇に力を入れる奴はそうそういないと、サークル仲間に呆れられた。MMDを基礎としている。
MMDがわからない人はグーグル先生に聞いてください。
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