今回は初めて〇〇〇sideというのに挑戦してみました!
そして長くなっております。今後はこのくらいの文字数でいくつもりです。
ではどうぞ
諏訪子side
「はぁ...。」
自然と溜息が出てしまう。
大和から使者が来て、「国と信仰を明け渡せ」などという書簡を持ってきてからは既に1週間が経とうとしていた。
返事は半年後には出さなければいけない。そこで戦争するか降伏するか決めるのだ。
もちろん降伏などするつもりはない。隣国が降伏し、その国民がどうなったかはしっかりと目に焼き付いている。奴隷のように扱われ、貧困に苦しめられる。
14歳もいかぬであろう少女が貴族らしき男に首輪で繋がれている所を見た時は殺してやろうかと思った。だが他国、しかも大和の支配下で人間を殺したとあっては奴らに大義名分を与えてしまう。あの日ほど自分の無力感を味わった日はなかった。
「なんとか皆を守らなきゃ..」
活気ある街を見ながら私は自分に言い聞かせるように呟いた。私は今修行の帰り道なのだ。
修行といっても国の外側の森で神力や能力を使いまくるだけなのだが、同時に下級レベルの妖怪は私の神力に恐れをなして逃げていくので国の付近を安全にできる。まさに一石二鳥なのだ。
まぁ、これを続けたところで大和の神々に勝てるかと言われたらそんな自信はない。だが、こんなことでもせずには居られなかった。
私は向こうの下級な神と比べたら断然強いが、それでも戦力が違いすぎる。
いくら私が何十体のミシャグジを操って掃討させても、いつかはそれらも討ち取られてしまうだろう。八百万の神とはよく言ったもので、とにかく数が多い。
加えて神は死んでも信仰がある限り自分の社で生き返る。つまり向こうは無限の兵隊であり、そんなのに押し寄せられたら神の少ないこちらは圧倒的に不利なのだ。
うちの国民には数名の能力使いがいるが、人間には神との絶対的な力の差があり、通用するかもわからない。猫の手でも借りたいなぁ..と思いつつ、歩いていく。
「..あれ?」
私は足を止めた。街から微かに妖力が感じられるのだ。ここ最近、近場の森など、妖怪が住み着きそうなところで修行しているため、下級妖怪が入ってくることはまず無い。つまり最低でも中級、もしくは大妖怪クラスの奴が入ってきている。
(まずいな...)
私は妖力のある方向に向かって走り出した。
「あれ..うち?」
妖力を辿っていくと、どうやらうちへ向かったようだ。妖怪がわざわざ神社へ?なにが目的なの?いろいろと考えたが分からない。
...だがもし人がいたら?国民からの供物は昨日来たばかりだ。しかし、旅人が贈り物を持ってきたということはありえる。それに..もし子供が好奇心で登ったとしたら...
最悪の予想が頭によぎる。私はすぐに駆け出した。
(急がなきゃ!)
階段の半分程まで来た。息切れしながら駆け上がっているが、全然進んでいる感じがしない。しかし人が襲われるかもしれないのに休んでいる暇はない。もし遅かったら絶対に後悔するだろう。
「飛べばいいじゃん...」
私としたことが焦っていたせいか、飛べばすぐに上まで行けることを忘れてしまっていた。
(私疲れてるなぁ..終わったら寝よう)
と思いつつ、一気に飛んでいく。
社についた。気配を殺して歩いて行くと、賽銭箱の前に茶髪の男がいる。だがあれは妖怪だ。なかなかうまく人に化けてはいるが、かすかに妖力が漏れている。
周りを見渡して意識を集中させてみると、人はいなかった。とりあえず安心したが、問題はこいつだ。一体何の為に来たのか、聞き出す必要がある。
「そこの妖怪、この国に何をしに来た。」
「えっ?」
殺気を向けながら言うと、その妖怪はこちらを振り返った。茶髪に良く似合う優しそうな顔立ちであり、とても癒されr____違うってば
「あ、あなたは?」
..私を知らないのか。恐らく他の国から紛れ込んできたのだろう。
「私はこの国に祀られている祟神の洩矢諏訪子だ。妖怪、私の社まで来るとはいい度胸だな。さあ答えろ何をしに来た。」
すると男は若干考えてから、「私は旅をしているしがない化け猫ですが、偶然この国に立ち寄ったものでせっかくだから神様に御挨拶をと思いまして...」
...妖怪が神社にお参りするとは聴いたことがない。でも実際こいつはここにいるし、血の匂いもしないから人を襲っていないのは確実。まったくもって変な妖怪だ。
私は興味を失った。今は大和が先決であり、妖怪を相手にしている暇はない。ここにはお参りに来ただけみたいだし、別にほっといていいだろう。
「...ふーん、ならいいや」
口調をいつものものに戻す。
「ありがとうございます。では失礼いたします。」
すると安心したのか、男は鳥居の方に歩き始めた。
そのとき私は閃いた。この妖怪は確実に中級〜大妖怪レベル。大和の神に及ぶかはわからないが、実戦の練習にはなるだろう。
人喰いの妖怪ではなさそうなので殺すことはしないが、私の技を実際に試したい。大怪我をさせてしまったら...まぁどうせ誰も居ないし、ここに泊めて手当てしてあげよう。話し相手も欲しいし...。
「待って、ちょっと私と闘ってくれない?」
「も、申し訳ありませんが私では洩矢様の練習相手は務まらないかと...ですのでそれはお断りさせて頂きま「妖怪が1匹居なくなっても誰も困らないよね?!」
ごちゃごちゃ言っているので神力を滾らせ、とっとと戦闘開始を告げる。
「え、ちょ「うるさい!いいからいくよ!」
能力を使い、地中から刃付きの鉄の輪を五本生み出して高速回転させる。
私自慢の"洩矢の鉄の輪"だ。切れぬものはあんまりない。
__そして今は戦闘中。
すぐに終わるだろうと高を括っていたのだが、鉄の輪がどうにもかわされてしまう。
「もう!避けるなっ!」
自分でも理不尽なことはわかっていたが、当たらなくてイライラしてくる。
「避けるよ!!」
どうやら男は妖力で身体能力を強化しているようで、なかなか当たらない。鉄の輪を高速で編隊飛行させるのはとても集中力を使う。あまり長時間やっていられるものではない。
(カウンター狙った方がいいかな)
私はカウンターを狙うため、男を煽る。
「そっちも反撃したら?!」
すると、
「鉄の輪避けるので精一杯だなぁ!」と、私の攻撃を避けるので精一杯のようだ。
__ならば、と私は多少演技を入れて、
「はぁ..はぁ...次こそ!」
と言い、男の後ろを囲むように、男が私に向かって走ってくるように輪を移動させた。すると男は引っかかったようで、こちらへ走ってきた。
「ここで決めてやる!」と叫んでいる。興奮しているようだ。
よし、作戦通りだ。心の中でガッツポーズをしつつ、演技を続ける。
「それはどうかな!」と叫び、後ろからさらに輪のスピードを上げる。
そして男との距離があと2mという時、私は勝利を確信し、腕を振るって能力をつかった。
相手に突っ込ませ、それを土の柱でかっ飛ばす。私が考えついた最良の技だ。
土の柱を一気に創り出し、横薙ぎに払う。
「っ?!!」
これでお終いだね。___
___感触がない...。階段の下までかっ飛ばすような攻撃のはずなのに、感触がないのだ。というより、、(...消えた?)
見ると、そこに男は居なく代わりに1匹の三毛猫がいた。
(躱された...)
私は呆然と立ち尽くした。そしてだんだん悔しさに襲われた。あんなに頑張ったのに、足りなかった。妖怪1匹すらも倒せなかった。情けなくて涙が出てきた。
すると男はもう1度人の姿になり、話しかけてきた。
「洩矢様、申し訳ありませんが俺は妖力が切れたのでもう戦えません。今回はこれで見逃してもらえませんか?」
「..........。」
答えられなかった。技を試そうかくらいの気持ちで戦いを挑んだ妖怪に勝てなかったのだ。答えられるわけがない。
こうしている間にも涙はどんどん出てくる。
「差し出がましいようですが、今日1日だけこの国に泊まることを許して頂けませんか?明日にはでていきますので...」
男に淡々と語られ、なぜか私は男の会話を遮り、心の中をぶちまけてしまった。
「.....妖怪1匹も倒せない。..こんなことじゃ、...国の人達を守れないっ....。」
この男に笑われてもいいと思った。勝負をしかけてきた神がいきなり攻撃を止めて泣きだせば、妖怪からしたら爆笑物だろう。
すると男は思いがけないことを言ってきた。
「よくわかりませんが、なにか大変なことがあるんですか?力になれるかわかりませんが、俺でよければ話してくれませんか?」
胸がキュンとなった気がした。まったく、変な妖怪がいたものだ。神の心配をする妖怪なんて聴いたことがない。しかし、今まで誰にも相談することができなかったせいか、この男に悩みを話したら、優しく励ましてくれるのではないかと思ってしまった。
私は急に泣き顔を見られるのが恥ずかしくなり、袖で涙を拭った。そして、、話してしまった。
「..........大和って知ってる?」_____
私は大和から使者が来て言われたことなどを話し、いきなり戦いを挑んだことを詫びた。
「たいした怪我はありませんので大丈夫です。しかしそんなことが...高天原の傲慢な神とあれば、話し合いで和平的解決も出来なそうですね..心中お察しします...」
とりあえず怪我がなくてよかった。。攻撃を当てられず泣いてた私が思うのもなんだが、今になってはこの人が無事でよかったと思っていた。
誰かに相談できることのなんと幸せなことか。たとえそれが解決しなかったとしても、1人で悩むしかないのとはまったく違う。
この人ともっと話したい。そう思うも彼は行ってしまう。それを思うと胸が痛くなった。
...! そうか、泊まってもらえばいいんだ。
もともと怪我させてしまったら泊めて手当てするつもりだったのだ。彼はこの国に1晩泊まると言っていた。ならばここに泊まらせればいい。
「...そう?よかった!....あははっ!神の心配するなんて変な妖怪だねっ!そうだ、今日この国に泊まるんでしょ?ならここに泊まっていきなよ。ここ広いし、どうせ誰もいないしさ。」
「それはとてもいいお話なのですが...妖怪が社にいてもいいのですか?」
一瞬拒否されたかと思ってズキっとしたが、彼は私のことを心配してくれたようだ。
「ああ、それなら大丈夫だよここ結構高いとこにあるから多少の妖力じゃ下の人間は気づかないよ。現に今まで戦ってたのに人来てないじゃん。....それにさ、話相手にもなって貰いたいし...だめ?」
「.....」
彼はなにか考え込んでるようだった。また心が痛んだ気がした。
「ねぇ、だめなの...?泊まってってくれない?」
「あ、すみません考え事を...!ではお言葉に甘えて泊まらせていただきます!ありがとうございます!」
どうやら了承したくれたようだ。本当によかった。鼓動が早くなるのがわかる。
「へへ、じゃあ決まり!猫の妖怪さん名前は?」
「俺は英 京助です。よろしくお願いします洩矢様!」
英 京助...か、なんか人間っぽいなと私は笑った。今まであった話せる妖怪で苗字があるやつはいなかったからだ。
「妖怪なのに人間みたいな名前なんだね〜!ふふっ、よろしくね京助!あと私のことは諏訪子って呼んで!敬語もいらないからね!」
今日泊まるのに、敬語で洩矢様はなんか話しずらい。ちゃんと名前で、諏訪子って呼んでほしいな。
「わかりまし...わかった。よろしく諏訪子」
ふふ、ちょっともたついたが、ちゃんと普通に話してくれた。私の初めての友達だ。
「うん!よろしくね京助!」
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私は今、顔が赤くなっていくのを必死に抑えようとしている。だれか助けて...
事の発端は、今日友達になった京助が自分の能力を知りたいと言ってきたことだった。
あの後、京助と夕食を食べることになったのだ。残念ながら私は料理があまり得意な方ではなく、お客さんに出せるような料理は作れないので京助にお願いしたのだが。ちなみに京助は、山菜をつかった天麩羅という料理を作ってくれた。今まで食べたことのない味で、とても美味しかった。
そして夕食後、私が鉄の輪を出したり土を操ったりしたのを不思議に思った京助に能力のことを教え、成り行きで私が京助の能力を見てあげることになった。
お互いのおでこをくっつけ、私が神力を少し流して集中して頭のなかの奥深くを探す。
そうすると能力名が私の頭の中に伝わってくる。...ふむ、"変質させる程度の能力"か。
そうして私が頭を離そうとすると、もう一つ流れ込んできた。
諏訪子の端正で幼くもどこか妖艶な顔立ちがとても可愛いらし
(?!!!!!)
そして今の状況になってしまったのだ。
京助が私のことをか、、可愛っ、、確かに自信は少しはあったけどいきなり...
平静を保つのに必死だった。なんとか他のことを考えて赤くなるのを我慢し、、、遅いか。
薄目を開けてみると京助は目を閉じている。ほんとによかった。このまますっかり茹で上がった私の顔が戻るまで、待たせてもらおう。
一分後、顔を離して言った。
「"変質させる程度の能力"だね。」
ほんとは10秒くらいで目的のものはわかっていたけど...まぁこれは京助のせいだよね?
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そして能力について少し話し、京助の能力で色々遊んで笑った後にお風呂に入り、後は寝るだけである。
京助を寝るところまで案内したが、彼が猫の妖怪だということを思い出した私は急遽一緒に寝たくなり、猫の姿に戻させて一緒に寝ることにした。
なぜか緊張していたので、からかったりした。さっき私の髪の毛をくるっくるにしたお返しだね。
私の部屋に行き、京助(猫)と一緒に布団に入る。私結構猫と一緒に寝てみたかったんだ。
「じゃ、おやすみ京助」
「ああ、おやすみ」
そして私は後ろから京助を抱きながら寝ようとした。でも突然京助は明日出ていってしまうのだというのを思い出して悲しくなり、京助にまた話しかけた。
「...京助、起きてる?」
「...起きてるよ?どうした?」
「...京助は明日いっちゃうの?」
「んー、そうだね。予定ではね」
「でも行くとこ決まってないんでしょ?」
「まぁ、行き当たりばったりの旅だからね..」
心がまたズキンとした。もっと京助と一緒にいたい。もっといっぱい話をしたい。相談に乗ってもらいたい。能力で遊んだように、もっと一緒に馬鹿なことして笑い合いたい。
そして私は勇気を出して提案してみた。
「京助がよかったらでいいんだけどさ...ここに住まない?」
「!」
「...それは魅力的な話だね」
喜んでくれた。ほんとに嬉しい。
「!!...ほんと?! なら__ 」
というと、京助は大和と国民のことを心配したのか、
「でも、俺は妖怪だよ?妖怪と共にいるのを見られたらまずいんじゃない?大和だって..」
と言ってきた。京助は妖怪であり、このままいたら間違いなくバレる。かといって京助を社の奥に閉じ込めているのも彼は嫌がるだろうし、私もそんなことはできない。そこで私は考えた末に、昔見た神が妖怪を式神にしていたのを思い出した。
「うーん...なら私の式神にならない?大和でも妖怪を式神にしてるのはいるよ?それなら問題ないんじゃないかな?」
と言うと京助は少し考えているようだ。私は京助の今の姿を見て、真面目な声でからかってみた。
「...あ、ペットでもいいよ?」
「式神でお願いします。」
即答だった。それほどペットは嫌なのだろう。まあ勿論冗談だが。
とにかく京助は私の式神という形でここに住むことになった。それを喜びつつ私は続けた。
「あはは、冗談だよ〜 それじゃ改めてよろしくね京助?」
「ああ、よろしくな諏訪子」
私の名前は洩矢諏訪子。猫の手も借りたいと思っていたところ、本当に猫の友人を手に入れてしまった年齢秘密の祟神である。
グイド「猫の手借りれてよかったねー」ニヤニヤ
諏訪子「う、うるさいな!」
ではまた次回