『多くの弟子達が無駄死にで無かった事の証の為に』
『失われた光をもう一度信じる為に、この美しい世界を侵させぬ為に』
『ルルイエよ! 私は帰ってきたッ!!』
淑女『ダディ、私たちの出番は無いよ』
狩人『何!? ……ふむ、それは残念だ』
《―――第七日目に、神は御自分の業を完成され、第七日目に、神は御自分の業を止め、安息なされた》
私とアルとエンネア、三人での共同生活が始まって早一週間。
この一週間は何と云えば良いのか……そう、大変だった。
外出するときは、エンネアも一緒に付いてきた。
何故か不貞腐れた様子のアルを、エンネアがからかう。
するとアルが切れ、その攻撃をエンネアが見事に躱す。
そして外れた攻撃は、これまた見事に私へと飛んでくるのだ―――酷いとばっちりである。
あと、騒ぎを止めようとした警官が巻き込まれて、アーカムシティ中を追い回される羽目になったこともあった。
最初の頃エンネアが言った様に、彼女の家事は見事なものだった。
家事に関しては平凡な私から見ると、彼女の手際はまるで魔術を使ったように見えるレベル。
そんなエンネアに対して、アルはこれまた何故か不機嫌な様子で……私はそんなアルの八つ当たりの被害にあった。
夜寝るときは毎回アルとエンネアの一悶着が起き、私はそのとばっちりを受けた。
お風呂のときも毎回エンネアが乱入し、それを追って入ってきたアルの一撃が私の意識を刈り取った。
……何かとばっちりを受けてばっかりだった気もするけど、それは置いておこう。
とにかく、長いようで短くて騒々しくも賑やかな一週間。
この一週間でエンネアと云う存在は、私たちにどう影響を与えたのだろうか?
……正直なところ、よくは分からない。
けれど、少なくとも私にとっては悪いものだとは思えなかった―――とばっちりは勘弁して欲しいけども。
明くる日の夜のこと、夕食の席でエンネアは唐突に切り出した。
「ねーねー九淨! 明日さ、街へ遊びに行こうよ!」
「……明日?」
明日は世間一般で言うところの休日だ。
だからエンネアの提案も、特別不思議なことではない―――のだけれど。
「うーん……週明けじゃダメ?」
休日の繁華街なんて、混雑すること間違いなしだろう。
私としては、好き好んでそんな雑踏の中へ混じりたいとは思わない。
これが休日しか遊びに出られないと云うのなら話は別だけど、少なくとも今居るメンバーは休日とか平日とか関係無いのだ。
なら、人が比較的少なくなる平日に行こうと思うのは当然だろう―――私はそう考える。
しかし……
「えー!? ヤダヤダ、明日が良い明日が良い!」
エンネアはそうは思わないみたいだ。
駄々をこねるエンネアに、面倒そうな視線を送ってくるアル。
私はどうにか説得しようとするが、話し合いは平行線。
それどころか最終的には―――
「……どうしても、ダメ……?」
「うっ……」
瞳を潤ませたエンネアの上目遣いに強く言う事が出来ず、私が折れる形になってしまった。
「……軟弱者め」
「てけり・り」
夜の街の一角、2つの人影があった。
「――――――」
「――――――」
1つは少年の様な矮躯、1つは熊の様な巨躯。
それらは互いに、同じ場所へと視線を向けていた。
その視線の先にあるものは―――
長らく更新を停止してしまい、大変申し訳ございませんでした。
復帰最初と云うこともあって、大変短いです。
活動報告にも一応書きましたが、この先不定期での更新になりますので何卒ご了承ください。
楽しみにしてくださるという方がいらっしゃれば、気長にお待ちいただければと思います。