不倫ハートブレイク。心の傷を忘れる為に働く女。その女を遠巻きに、そして、外堀から確実に埋めていく中年。
最後の詰めをどうしようか悩んでいると、思いがけず、やに臭いその口からぼそりと漏れてしまった、その一言!

1 / 1
警視庁警察学校レイバー分校

ここは、警視庁警察学校内にあるレイバー分校。

レイバー犯罪増加に伴い、埋立地1か所だけの特車2課だけでは対応できないため、一度解散し組織体系を見直し、都内各所に分署を設置して初動対処に当たっている。

しかし、レイバーはあっても要員が足りない!

そこで、1度は解散した第2小隊のメンバーを教官として招集した。

このお話は、そんな『古き良き特車2課』が帰ってきた物語である。

 

(夜、残業中の事務室。2人きり。)

 

喜一:しのぶさん。

しのぶ:はい。何ですか、後藤さん。

 

喜一:結婚しよう・・・かな~と思って。(競馬新聞読みながら)

 

しのぶ:誰と?

喜一:あなたとだったらいいな~(小声)

 

しのぶ:ごとうさん。(少し怒った感じ)

喜一:はい(上ずり気味で)

しのぶ:いい年した大人の男が、そんな大事なことを競馬新聞読みながらボソボソ言うのは・・・。いつもそう。大事なことをしゃべる時は面と向かって相手の目を見て…

 

喜一:あ(また、怒らせちゃったな、どうしよう)

しのぶ:(ため息)本当に私でいいんですか?

 

喜一:え?(気が抜け気味)

しのぶ:同じことは2度言わせない!

 

喜一:はい。もちろんです。(ここから小声)っていうか、ず~っと、あなたしか見てませんでしたし。

しのぶ:き・こ・え・な・い

 

喜一:(がばッと立上がり、机ドン)私、後藤喜一と結婚してください。不幸にはしませんから。

しのぶ:そこは『幸せにしますから』って、言うんじゃないの。(吹き出しそう)

 

喜一:いや、お母さまから『不幸にしないから』と言った方が良いですよと助言があったもので。(もじもじしながら)

しのぶ:やだ、あの人にそんなこと聞いたの? 

 

喜一:そりぁもう、泣きながら『ふつつかな娘ですが宜しくお願いします』って。

しのぶ:あいかわらず、根回しは天下一品なのね。(ちょっと間。微笑みながら)わかりました。

 

しのぶ:(立ち上がり、敬礼しつつ)警視庁警察学校レイバー分校長、南雲しのぶは、同副分校長、後藤喜一の求婚を受諾します。

 

(お互い敬礼。ちょっと間で、お互い吹き出す。)

しのぶ:私、執念深いの知っているでしょ。後悔しない?

 

喜一:しないしない。後悔も浮気も。

しのぶ:ほんと、調子いいんだから・・・。さぁ、この話はここまで。まだ勤務中ですよ。

 

喜一:はいはい、お仕事お仕事。

しのぶ:ところで、あなたのことだから私がプロポーズを断らないって思ってプロポーズしたでしょう。

 

喜一:(ため息交じりに)しのぶさん、気付いています? 最近『結婚』って単語を聞いた時、ため息ついていたの。

しのぶ:(机の引き出しから手鏡出して)あら、やだ、そんな顔してた?

 

喜一:さて、これから忙しくなりそうだ。(髪をかき上げながら)

 

(警視庁警察学校レイバー分校の夜はまだ続く)

けど、このお話は、ここでおしまい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。