ー第2章ー
彼ーー宮野は笑顔で告げた後、「では」と1拍置いてから話始めた。
「デスゲームについてルールを説明します。」
全員に緊張が走るのが分かった。
脱出出来なければ死んでしまう死のゲーム。
一体どんなゲームなのだろう?
「貴女達は今から私が出題したゲームに参加をしていただきます。
ゲームにクリアすると先に進むことができ、全部のゲームをクリアすることで此処から脱出することが出来ます。」
宮野が説明していると、モニターの向こうの女性が宮野に問いかける。
「ゲームの内容は?」
「それは、ゲームの会場に着いてからでないと分かりません。」
「ゲームの会場は此処ではないの?」
「まさか。此処はあくまでゲームのルールを説明する場所。客室みたいなものですよ。」
宮野はくっくっと笑いながら話している。
何がそんなに楽しいんだ。下らない。
思わずそう言いそうになった自分を慌てて抑える。
今宮野に口答えすれば確実に殺される。
......さっきの彼みたいに。
皆もそれを思い知ったようで、彼に逆らうものは誰も居なかった。
「では、お膳立ても済んだことですし、そろそろゲーム会場へと移動しましょうか。」
彼は満足したように微笑むと指をパチンと鳴らした。
すると、モニターの皆の部屋に煙が充満し、皆は次々に倒れていった。
モニターから宮野の声が聞こえる。
「大丈夫ですよ。副作用なども何もない、ただの睡眠薬です。」
「.....なんで、私だけ眠らされてないの?」
「それは僕が貴女個人に話があったからですよ。」
「話?」
なぜ私?と思いながら宮野に問いかける。
「貴女にだけ、このデスゲームのクリア条件を1つ、付け加えさせてもらいます。」
「はぁ!?何をいってーー」
「ことわれば!......どうなるかは分かっていますよね?」
彼は私の言葉を遮るように言葉を強くした。
今宮野の逆らえば殺される。
私はぐっと言葉を飲み込んだ。
「.....条件は何?」
彼は満足そうに微笑む。
「話が早くて助かります。その条件はーーー」
「.....なんで、私にだけそんな条件をだしたの?」
宮野から聞かされた条件はとても信じられないものだった。
「それはゲームをしていけばいやでも気づくと思いますよ。.....それでは、楽しみにしています。」
彼は指をパチンと鳴らした。
すると、私がいる部屋に睡眠薬が充満し始めた。
睡眠薬により私は意識を瞬く間に失った。
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目を覚ますと、そこはやはり見知らぬ部屋。
やはり壁は一面白色で、窓もない。灰色の薄い扉と茶色の分厚い扉があるだけだった。
どちらかがゲームへと繋がる扉なのだろうか?
頭がズキズキする。倒れるときに頭を強く打ったらしい。
「目が覚めたようね。」
痛む頭を押さえていると、真横から声が聞こえた。
顔をあげると、そこには6人の男女が立っていた。
「もしかして.....モニターに映っていた人達....?」
「そう。此処に居るのは全員、ゲームに参加させられた人達よ。」
そして彼女は私の腕を指差す。
「腕、見て。」
「腕.....?」
そこには腕時計のようなタイマーがついていた。
タイマーはピッピッと規則正しい音を刻んでいる。
「それは、私達の残りの時間を示すタイマー。それがゼロになれば、私達は死ぬ......ってさっき宮野が言っていたわ。」
彼女は頭上のモニターを指差す。
「それと、貴女が眠っている間に私達は一通り自己紹介を済ませたから、紹介するわね。」
彼女は一度、辺りを見回す。
「私は花園美羽(はなぞのみう)。」
彼女ーー花園さんは一言言えば美人。
艶のある髪に、スラッと伸びた手足。まるでモデルのようだ。
けど、儚そうだけど、芯がある。そんな感じだった。
花園さんは自分の自己紹介を終えると、今度は後ろにいる女性を指差す。
「彼女は岩倉すみれ(いわくらすみれ)さん。」
岩倉さんは、ハッキリ言って、地味っ子。
黒髪にみつあみに、眼鏡という、いかにも地味っ子のような人だった。
「彼は佐々木智哉(ささきともや)くん。」
「よ、よろしく...お願いします....。」
佐々木くんは、男子と言うよりは女子に近い感じだった。
背も小さく、おまけに童顔。智哉という名前とは正反対な男子だ。
「彼は神城瞬(かみしろしゅん)。」
神城くんは、誰が見ても思うくらいのイケメンだった。
皆のような怯えた様子は感じとれず、とても落ち着いている。
「そして、最後に....野崎翔(のざきかける)くんよ。」
野崎くんは茶髪に、耳には幾つものピアスと、見た目だけで言えば、完全にチャラ男だった。
「最後に....貴女は?」
皆の自己紹介が終わり、皆の視線が私へと向けられる。
「く、栗原....美咲...です。」
私は皆の視線に怖じ気づきながらもこたえる。
花園さんは皆を見回し、宣言する。
「このゲームに参加している間、私達は一蓮托生。運命共同体。ともに頑張りましょう。」
花園さんのその言葉に皆も少し元気付けられたようだ。
表情が少し柔らかくなってる。
「自己紹介が終わったようですね。」
突如頭上のモニターから宮野の声がした。
花園さんは宮野を睨み付ける。
「ずっとそこで見てたわけ?」
「それは、勿論。貴女方がゲームをしっかりとやっているか監視しないといけませんから。」
監視なんて嘘もいいとこだ。宮野は私達が絶望していく様子が見たいだけだ。
「では、ゲーム会場へと進んでください。」
彼がそう言うと茶色の分厚い扉がギギギと音をたてながら開いた。
私達は意を決して、ゲーム会場へと足を踏み入れる。
「さぁ、地獄と快楽のデスゲームのはじまりだ。」
宮野の声が聞こえた。