地獄と快楽の30日間   作:漆黒のマカロン

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悪魔の囁き

ー第3章ー

 

「この扉を開ければ....いよいよゲーム会場....」

皆に緊張が走る。

花園さんは皆を見渡す。

「さっきも言ったけど、私達は一蓮托生。怖いことなんて何もないわ。皆で一緒にこのゲームをクリアしましょう!」

皆が頷いたのを確認すると花園さんは勢いよく扉を開いた。

そこには、沢山の.....少女が並んでいた。

少女達が並んでいる様子は、はっきりいって異様だった。

少女達の目には生気が宿ってない。

並んでいる姿はまるで段ボールに詰めれた商品の様。

そんな少女達は.....不気味だった。

頭上のモニターから宮野の声が流れる。

「それでは、一つ目のゲームのルールを説明したいと思います。

それでは皆さん。ポケットの中を確認してみてください。」

宮野に言われた通り、ポケットの中を確認する。

すると、一枚の小さなメモ用紙のようなものが出てきた。

そこには、『ツインテール、慎重は120㎝前後、服装はピンクのフリルがついたワンピースに、髪飾りとして、ハートのゴムを着けています。』と書いてあった。

「メモの中身はご覧になりましたね?ちなみに、そのメモ用紙、誰かに見せたら駄目ですからね?見せた瞬間どうなるかは......言わなくても皆さんならきっと察してくると思います。」

宮野は笑顔で言う。

私は宮野の笑顔を見た瞬間、ゾッとした。

今までの微笑みとかとは違う、黒い笑顔。

私は怖くなって宮野から目をそらした。

「ゲームのルールは至って簡単....そこのメモ用紙に書いてあった条件と一致する少女を連れてくること。条件が一致すればゲームはクリア。次のゲームに進めます。

しかし、間違えたら....まぁ、死にます。チャンスは一回ですから、ちゃんと見極めてくださいね?制限時間は、10分です。それでは...健闘を祈ります。」

宮野がそう言うとモニターの画面が切り替わった。

モニターはカチッカチッと音をたてている。

「あぁ、それはこのゲームの残り時間を表すタイマーです。....ほら、早くしないと.......死にますよ?」

宮野のその言葉で皆は突き動かされたように走り出す。

皆血眼にして、条件と一致する少女を探しているようだ。

私もメモに書かれた条件と一致する少女を探し始めた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

私の手元にあったメモと条件が一致する少女は以外にもすぐに見つかった。

他にも、花園さん、佐々木くん、神城くん、野崎くんと皆も次々とゲームをクリアしていった。

しかし、残り時間が5分になっても、岩倉さんだけが、姿を現さなかった。

「岩倉さん.....どうしたんだろう.....大丈夫かな......。」

花園さんが心配そうに呟いた。

しかし、残り時間が3分になっても岩倉さんは姿を現さない。

「わ、私....岩倉さんのことちょっと見てくる!皆はここで待ってて!」

花園さんはゲーム会場へと戻ろうとする。

しかし、黒服の男が立ち塞がる。

「一度クリアしたゲーム会場へと戻ることは禁止されています。」

「でもっ!岩倉さんがっ.....!!」

「ゲーム会場へと戻ることは禁止されています!ご理解ください。」

「くっ......!」

花園さんは悔しそうに唇を噛んだ。

そうこうしている間に3分はあっという間に過ぎて、とうとう時間切れのアラームが鳴り響いた。

モニターに笑顔の宮野が映りこむ。

「ではでは、処刑の前に.....お別れの挨拶の時間を与えてあげましょうか。」

彼がパチンと指をならす。

モニターには岩倉さんが映っていた。

岩倉さんは絶望したように膝をついていた。

「岩倉さん!」

花園さんがモニターに向かって叫んだ。

「はな....ぞの...さ、ん....私.....」

顔を上げた岩倉さんの目からはボロボロと涙が零れていた。

「め、メモ.....」

「メモ?メモがどうしたの?」

「メモが私のポケットから......いつの間にか....なくなってた.....」

花園さんはモニターを睨み付け、叫んだ。

「宮野!!!メモを奪うだなんて、ルールでは言ってなかったじゃない!!!どういうことなの!?」

モニターが宮野に映り変わった。

「残念ながら、メモを奪ったのは、僕ではありませんよ。」

「じゃあ、誰だって言うのよ!」

「あり得るのは貴女方の誰かですよ。」

「そんなの!あり得ない!私達は、たとえ初対面とはいえ、一蓮托生を誓ったのよ!」

「そんなの.....所詮、口だけじゃないですか。」

「.........」

「クリアしなければ死ぬ。そんな自分の命がかかっているゲームで、初対面の相手をそう簡単に信用できますかね?特に、貴方のように『一蓮托生』だなんて、綺麗事を口にする人は人間なら裏があるかもしれないと疑うものだと思いますが?そんな風に、皆を騙し、他人を蹴落として生き残ろうとする人が.....この中にも居るかもしれませんよ?」

宮野のその言葉に皆の顔色が変わった。

皆....疑い始めてる.....裏切り者がいるのか...。

けれど、宮野のいうことも、もっとだ。

自分の命がかかったこのデスゲーム。

裏切り者が居たっておかしくない。

悪魔の囁きのように、宮野の言葉は、私達の心に深く根付いた。

「私は裏切り者なんて居ない。そう信じる。」

花園さんは真っ先に答えた。

しかし、皆は黙ったままだった。

「皆.....」

花園さんの勢いも、完全に薄れてしまった。

「ではでは、岩倉さんと、そろそろお別れしましょうか。」

その言葉に皆がバッと、モニターに視線を向ける。

岩倉さんは顔を真っ青にしていた。

「止めて....お願い.....。」

花園さんは体を震わせながら訴えている。

そんな花園さんには目もくれず、宮野は笑顔で告げた。

「脱落者を殺してください。」

彼が告げた瞬間、岩倉さんは何人かの黒服に捕まえられ、何処かへと連れ去られた。

けど、みんな薄々感ずいてる。

彼女が何処へ連れていかれるのか。

そして.....彼女が今からどんな目にあうのかも。

案の定、岩倉さんは、回転鎌の部屋に吊るされた。

岩倉さんの顔はもう涙でグシャグシャだった。

宮野は楽しそうに岩倉さんを見下ろしていた。

そしてあっけなくーーー、ロープを切った。

落ちて行くときに聞いた岩倉さんの悲痛な叫びは、耳を塞ぎたくなるほどだった。

グシャッ!ベキッ!ベキベキ!

2回目だからもう慣れたのか、それとも、感覚が麻痺したのか、今度は恐怖でうずくまる人や嘔吐する人は居なかった。

皆、ただただ、モニターを見つめていた。

「では、処刑も済んだことですし.....」

宮野の満面の笑顔がモニターいっぱいに映る。

「次のゲームへと進みましょうか。」

次のゲーム会場へと進む扉が大きな音をたてて開いた。

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