ー第5章ー
モニターが切れた後も私達は動けずにいた。
「殺して....ましてや解体して箱に詰めろだなんて....」
花園さんは虚ろな目をして呟いている。
箱の中身を覗き見ればそこには包丁、ハサミ、ペンチ、ロープなど様々な道具が入っていた。
「..........」
私は無表情のまま、箱の中身を見つめていた。
このゲームをクリアしなければ死ぬ。......死ぬ...。
その言葉に突き動かされるように、私は箱を掴むと、中身を床にぶちまた。
そして、箱の中から転がり落ちた包丁を掴むとーーなんの躊躇いもなく少女に振り下ろした。
グチャッという音と共に、自分に大量の返り血がかかる。
私はそれすら気にも留めずに無抵抗の少女に対して包丁を振り下ろした。.....何度も。
そうーー何度も。何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も。
少女を数えきれないほど刺した後、おもむろに立ち上がるとモニターを見つめ、宮野に問いかける。
「.....宮野。箱には身体の一部だけ詰めれば、それでゲームはクリア?」
モニターに宮野が映る。
「はい。全身詰めていただいてもかまいませんが、無理そうなら一部でもかまいませんよ。」
「....そう。」
私は既に息絶えている少女に向き直ると、床にぶちまけた道具の中からチェンソーを拾い上げ、スイッチを入れると、部屋にけたたましい機械音が鳴り響き、少女の腕を切り裂く音と混じる。
「栗原....さん?何を....」
花園さんが信じられないと言うように問いかけてきた。
私は顔を上げた。
花園さんは顔を真っ青にして私を見つめ、野崎くんと佐々木くんは嘔吐していた。
神城くんは顔をこちらに向けていなかった。
私は無表情のまま応える。
「....何って....生き残る為よ。30日間以内にゲームをクリアして此処をでなきゃ、死ぬの....死ぬのよ....あの二人みたいに....。」
「だから.....って....そんな....」
花園さんの顔からは涙が溢れていた。
「私は....死にたくない.....だから....仕方ないのよ....。」
「栗原の言う通りだ。」
神城くんが突如と声を上げた。
そして、箱の中身を床にぶちまけ、包丁で少女を、少し躊躇いながらも刺した。
「....っ!そんな....」
「お前逹も、死にたくないなら.....殺せ。」
その言葉に野崎くんは虚ろな目をして、頷いた。
佐々木くんは身体をビクッとさせ、怯えながらも、頷いた。
そして、包丁を手に、少女を殺した。
「なんで....?皆.....」
花園さんはその場所に崩れ落ち、泣いていた。
私は既に少女の腕を切り落とし、細かく刻んで箱に詰めた後だった。
「花園さん....」
私は箱を手に、泣いている花園さんに話しかけた。
「私には無理だよ....殺せだなんて....出来ないよ...。」
花園さんは両手で顔を覆い、泣き腫らしていた。
「栗原。どいて。俺がやるから。」
既に箱に詰め終えた神城くんが花園さんの分の箱を取ると、包丁を取り出した。
「止めて......!!殺さないで!お願い!!」
そんな花園さんの叫びも虚しく、神城くんは包丁を振り下ろした。
「あ...あぁ....」
神城くんが、少女を解体して箱に詰めていくところを、花園さんは泣きながら見つめていた。
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神城くんが花園さんの分も終える頃は野崎くんと佐々木くんも箱に詰め終えていた。
神城くんがモニターに向かって告げる。
「宮野。....これでいいだろ。」
モニターに笑顔の宮野が映る。
「花園さんの分を神城くんがやったのは少し癪ですが.....まぁ、面白いものが見れたことですし、今回は多目に見ましょうか。次回からはこう言うのはナシですよ。」
それに、と宮野が言葉を続ける。
「まだまだゲームは始まったばかり....これくらいで折れてしまったら、楽しくない...。僕をもっと楽しませてくださいよ...。」
そんか悪魔の微笑みと共に、次のゲームへの扉が開いた。
私達は箱を抱え、漂ってくる血生臭い臭いに耐えながら、次のゲーム会場へと足を進めた。