地獄と快楽の30日間   作:漆黒のマカロン

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不穏な予感

ー第6章ー

 

私達は血なまぐさい箱を抱えたまま、次のゲーム会場へと続く道を歩いていた。

宮野はこの解体した少女達をどうするつもりなのだろうか。

解体して終わり?次のゲーム会場まで耐えたら終わり?

.....それはきっとない。次のゲームで宮野は私達に更に苦しいゲームを突きつけてくるだろう。

きっとそれをあいつはモニターの前でほくそ笑んで見ているんだ。

「クソッ!宮野の野郎.....ぜってー許さねぇ!」

野崎くんは先程からずっとこの調子だ。

「僕ら....人を殺しちゃったんだ....どうしよう....ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい....」

佐々木くんもずっとあの調子だ。

そして私はーー花園さんの方へと目を向ける。

花園さんの状態は私達の中でも特に酷かった。

目は虚ろで、涙を流し、足もおぼつかなかった。

箱を持つ手も今すぐにでも手からずり落ちてしまいそうなくらい弱い。

もう花園さんの心は壊れかける寸前だった。

きっとーー次のゲームでまたこのようなルールを課された場合、花園さんの心は間違いなく壊れるだろう。

それは神城くんにも分かっているようで、先程から花園さんの様子を細かく観察している。

まだ次のゲーム会場へとは辿り着かないのだろうか。

なんだか次のゲーム会場への道がやけに長く感じられる。

次のゲーム会場への道が極端に長いだけなのか、それとも私達が「たどり着きたくない。」と願っているから無意識に歩く速度を落としてしまっているのか。

ーーーきっと後者だ。あんなゲームの後で誰が次のゲーム会場に早く辿り着きたいと思うだろう。

そんなの感情のない奴か人を殺すのを快感に感じてしまう頭のネジが狂ったやつぐらいだ。

そんなことを考えながらたどり着いた次のゲーム会場の扉は今までより一段と重く感じられた。

皆が恐る恐る中へ足を踏み入れると、そこは今までの部屋と雰囲気がまるで違っていた。

今までは壁や天井、床全てが真っ白でなにもなかった。

けど今回はオシャレな壁紙、絨毯、キッチン、テーブルに椅子など生活感の溢れる部屋だった。

頭上のモニターに宮野が映る。

「それでは次のゲーム....と言いたいところですが、今日はもうお疲れでしょう。その箱は冷蔵庫に入れて、明日に備えて休んでください。それぞれ各自休めるように部屋を用意してあります。」

すると野崎くんがすぐさま食いつく。

「信用できねぇな。俺達が寝てる間に何かしようとしてんじゃねぇのか?」

「いえ。僕達は部屋の前に食事を置くだけで部屋には訪問しませんし、入りません。」

「その食事に毒でも仕込むんじゃねぇのかよ」

宮野はため息をついた。

「あなたはなにか誤解をしているようですね。」

「あ?なにがだよ?」

「僕はあくまでもあなた方にゲームに参加してほしいのです。毒殺なんかしてもつまらないでしょう?それにフラフラの状態でゲームに参加されても面白くない。....まぁ、面白くなるのならそれもありかも知れませんけどね。」

宮野はくっくっと笑った。

確かに宮野はゲーム以外には関心が無いようだし、一理ある。

野崎くんも納得したようで押し黙った。

神城くんがため息をつきながら告げる。

「確かにフラフラの状態でゲームに参加するのは危険だ。各自明日に備えて休もう。」

そうして各自解散になった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

私が部屋で休んでいると不意にノック音が鳴り響いた。

部屋のドアを開けるとそこには宮野が立っていた。

「...部屋には訪問しないって言ってたはずだけど?」

「これは特別です。あなただけですよ。」

私は警戒して宮野に問いかける。

「それで?何の用?」

「最初にあなたに出した『特別なルール』についてお話がありまして。」

私は肩をすくめた。

「まだ何かあるの?」

「いえいえ。ルール自体に変更はございません。ただちょっとしたサポートですよ。」

「サポート?」

「はい。実はーー」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

宮野との話を終えた私は少し散歩ーーと言っても外には出られないので適当に廊下をうろつくだけになるがーーをしていた。

ふと廊下の端を見た時に2つの人影を見つけた。

私はその人影に気づかれないように角に隠れ、のぞき込む。

そこに居たのは神城くんと花園さんだった。

神城くんが花園さんに何かを語りかけているようだった。

2人は知り合いなのだろうか?

そんなことを思いながら耳を済ませた。

そこの2人の会話は意外なものだった。

「へぇ....そうなの...」

私は2人の会話に驚愕しつつも、ふっと笑みを浮かべた。

 

「面白くなりそうですね。」

宮野は微笑み、モニターに映る美咲たちを眺めながら、ふと呟いた。

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