勝手ながら佐藤加代子頂きました。m(..)m
~ルカ視点~
神様達の依頼も片付いて俺は仲間達と久し振りに冒険者活動に精を出していた、魔王が死んだとはいえこの世界には害虫、害獣、害魚ならぬ害魔物がどこにでも点在している。こいつらを駆除及び退治するのが俺達を含む冒険者をやっている連中にとって最大の収入になる、ようするに共存、共生ってやつだ。
いつものように金を得た俺達はラターナの国境近くに到着した、ここには犯罪者奴隷を働かせる鉄鉱山がある。獄卒長さんに頼んで馬車の停留所を使わせてもらいアルブスを休ませてると顔馴染みに会った。俺同様日本での事故死を経て異世界転生した朱白夜だ。だがいつもと様子が違う、俺達を見かけると一目散に駆け寄りディーネにすがり付き大泣きし出した。
「まあ呑みなされ」一頻り泣いて幾らか落ち着いた白夜にオッサンは手作りの焼酎を薦める、越後屋で初めて呑んですっかりハマったオッサンに俺とマスターが知ってる範囲で作り方を教えたところドワーフだけに酒好きで手先が器用、しかも凝り性なのもあってオッサンはこの世界でただ1人の焼酎の酒造者になった。白夜はカップの酒をグィッと空けるとゆっくり静かに語り始めた。
~沙英視点~
万丈さんや野原一家とのパーティーに新担当の朱小雨さんを連れていった。大騒ぎする私達に対して朱さんはどことなく暗い表情を見せる、妹さんの交通事故死を未だに引きずっているのね、犯人捕まってないそうだし。
「ウンウン、そうですか。お辛いでしょう?」宮子が朱さんと話してる、私に手招きする、ナニか用かしら?
「沙英さん、交通事故の事、私この人から聞きました」
「宮子さんって不思議な方ですね、初めてお会いしたのに自然に話せました。それに親身になって聞いて下さるし」確かに宮子って人と打ち解け安いトコあるわよね。
「それでさ、万丈さんにも相談したらどうかな?破嵐財閥の力を借りれば犯人見つかるかもよ?」
「そうね」私に異存がある訳ない、朱さんを紹介して万丈さんに掛け合ってみる事にした。
~万丈視点~
沙英君達から話を聞いた僕は警察と連携する一方で探偵を雇って独自に調査を開始した、事故現場近くの刑務所にも自分で行って囚人達からも情報を聞きだす。彼らに協力の見返りとして減刑をちらつかせるとペラペラ喋りだしたが大した成果は得られなかった。今日のところは帰ろうと思ったその時、1人の男に呼び止められる。今回僕が雇った探偵だった。ここで調査報告でもするつもりか?
「朱白夜さんの事故死の事ならもれなく明らかになりますよ。もう全てがね」何か様子が変だ、そもそもここは一般の面会者は入れない。
「貴様、何者だ?」まさかメガノイドの残党か?僕の頭に最悪のシナリオがよぎる。
「貴方様の敵ではない、それだけしか言えませんね。では失礼致します」そう言い残し探偵は一瞬で煙のように消えた。
「僕は幻でもみたのか?」知らない内に疲れが貯まっていたのかもしれない、今日はもう休むとしよう。
~佐藤加代子と謎の老婆の会話~
「それでさ、今度こそうまく行くと思ったのよ」加代子は焼き鳥屋のカウンターでビールのジョッキを煽りながら隣り合った老婆に語り始めた。
「それで、アンタさんはその彼氏に自動車を貸したっちゅう訳だねぇ」老婆はビールのお代わりを注文すると加代子に話を促す。
「そうよ、自動車が急に動かなくなったからっていうから、私のを貸したの。その時はまさか逮捕されるなんて想像してなかったわよ!」加代子には最近まで付き合っていた男がいたらしい。酔いが回ったのか憤りながら続ける。
「職業は銀行員だって言ってたわ、それがまさかヤミ金の取り立てしてるなんて。私結婚まで考えていたのよ。それなのに~」今度は泣き出した。
「そうかい、そうかい。悪い男だねぇ、それで元々そいつが乗っていた自動車はどうなったんだい?アンタさんはどこで自動車を引き渡しなすった?」
「知らないわよ!私が自動車を引き渡したのは秩父湖よ。それがどうかした?」加代子が老婆のいた席に視線を向けるとそこには誰もいなかった。
「ここにいたお婆さんは?」焼き鳥屋の親爺に聞くと
「お連れの人なら会計を済ませて先に帰ったよ、でも…」加代子はいいよどむ親爺に詰め寄る。
「でも何よ?」
「その席にいたのは婆さんじゃなくて若ぇ男だったぜ」どういう事?
~マスターヨダ視点~
店を開けるとその日最初の客は珍しく30前くらいの若ぇ女だった。自分でいうのもなんだがこの手の女ならウチみたいな焼き鳥屋よりもっとおシャレな若いモン向けの呑み屋にでも行きゃいいのに。
しばらくすると女の隣に連れらしき若い男が座る、女は一瞬驚いた顔をしたがすぐにグチをこぼしだした。女は酔いが回ったのか怒ったり泣いたりしていたが男は眉1つ動かさず聞き役に徹していた。
やがて男が席を立ち会計を済まして店を出ていく。すると女が奇妙な事を口にした。
「ここにいたお婆さんは?」婆さん?そんなのいなかったぞ、つーか連れじゃなかったのか?
なかなか朱一家編に進まない…