第1話八年越しの告白
~大輔視点~
くーちゃんの交通事故騒動も収まった定休日前日の閉店後。僕は閉店業務を終えてロティスを帰してから光熱費等の公共料金を払う為に転移後謎の両替機能がついたレジを開ける、さっき締まったラム硬貨が同じ枚数の一万円札と何枚かの千円札に変わる。その中から必要な分だけ取りだして裏口から夜のコンビニに行く。
光熱費を払い向こうで手に入らないモノを幾つか購入した帰り、アパレルショップのショーウィンドゥが目に入る。華やかなコーデが印象深い。
ロティスに似合いそうだなと思ったが値を見て躊躇う、高っ!付きまとっていたヤミ金が倒産したのもあり今は決して貧乏ではない僕だがあちら、ラターナ王国に限った話だがファッションにお金をかける文化がない。いや、海を越えたところにはあるかもだが飛行機もないからそんなところまでは行った事すらない。
もう帰ろうと家路を急ぐと見覚えのあるウェーブヘアが目に入る。
「ヒロさん?!」
「越後屋さん?もうインフルエンザはいいんですか?」ええ?!何で知ってんの?
~ヒロ視点~
沙英と夕食を済ませてからお風呂のお湯を張ろうとバスルームの掃除をする、ピッカピカに磨きあげるとシャンプーの残りが少なくなっているのを発見、近所のコンビニに買いに行かなきゃ。
買い物をしていると声をかけられる。
「ヒ~ロさんっ、久し振りィ」
「吉野屋先生?」高校時代の恩師吉野屋先生、意外な場所で再開しちゃった。
「へぇー。沙英さんと2人で暮らしてるのね?今でも仲良しさんなんですねぇーっ!素敵ですぅ!」先生、お店にご迷惑ですからもう少し声を落として下さい。
吉野屋先生は教師を辞めて現在はアパレルメーカーでデザイナーをなさっているという。
「それで『
「そろそろおいとまします」名残惜しそうな吉野屋先生に一礼してお店を出る。ショーウィンドゥにあの人がいた。
~地球の神様視点~
マズい事になったわね、彼の秘密が知られると色々面倒だわ。かといってルカちゃんばかり充てにするのも悪いわよね、いっそ両世界を完全に繋げる手もあるけどそれはホントに緊急時の最終手段、今やるべきじゃないのよ。あのヒロって娘が悪人だったり何かの弾みで死ぬんだったら向こうに導けばいいけど…そうだわ、逆にあっちの誰かをアタシの管轄、こっちの世界に導いちゃえばいいのよ!それなら適任がいるわ。多分近い内に死ぬはずよ、一度だけ越後屋で会ったわね。名前は確かピコ太郎、アイ・ハブ・ア・ペン、PPAPっ!違ったかしら?
~ゆの視点~
山本と境野を心ならずも脱け殻にした日(翌日には復活していたが)私はあの後も万丈さんと2人で過ごした。ランチして美術館に行っていい年して仲良くゲーセンにも行った。そしてディナー後信じられない言葉を万丈さんから聞かされた。
「ゆの君、その…これからも僕と個人的に付き合ってくれないか?あっ勿論君がよければだけど」マジ?木村ゆの人生論初の彼氏ゲット?!しかも相手は超大金持ち!私は何も言わず首を縦に下ろす。私も万丈さんが好きだ、それは決してお金持ちだからじゃない。この人の誠実さ、優しさ、頼もしさは昔からよく知っている。そりゃあこれから先、色んな障害や困難が待っていると思うけど2人ならきっと乗り越えていける、というか乗り越えていきたい。
「そうか、じゃあ早速挙式の準備を…」イヤイヤ流石に気が早いって。私は戸惑う万丈さんの口を自分の唇で塞いでしまう。
「2人はこれから始まるの、だからゆっくり進んで行きましょう」
「ああ」万丈さんの顔が真っ赤だ、私も頬が熱い、なんとなく可笑しくなって一緒に笑ってしまう。やっぱ私にロマンチックなのは似合わない。
神様は一体誰と間違えているのでしょう?
(笑)