(゚。゚||)
~佐藤加世子視点~
「『喪黒福造愛好会』ねぇ、こいつらならあの漫画みたいに木村を不幸のドン底に落としてくれるかしら?」佐藤は訝しげに画面をみるが
「試す価値くらいはありそうね」薄気味悪い笑顔を浮かべて彼らにコンタクトをとる事にしてメールを送る、もしバレてもどうせ社会的信用のないやつらだ。こいつらに罪を背負わせよう、私はネット詐欺にあった。何も知らないと言い張ればいい、返事はすぐにきた。
「玉の輿にのった同僚が憎いのですね、承りました。詳細は直接お会いして伺いましょう、明日の21時○△町のバー『魔の巣』で我らの同士がお待ちしております」
翌日の21時に私は『魔の巣』に訪れていた。こんな細部まで模倣するとは『喪黒福造愛好会』って随分と本格的ね、これは慎重に話を進めなければならないわ。連中がホントにあんな力があったら下手したら自分が漫画の人物同様不幸になりかねない、隣の席に1人の男が座った。他に空席は結構あるのに。ひょっとしてこの男が例の同士かしら。
「合い言葉をどうぞ」男に促され予め指定されていた単語を並べる。
「黒」
「闇」
「赤」
「血の色」
「黄色」
「混沌」
「佐藤加代子さんですね、私『喪黒福造愛好会』の者です。サイトでお伝えした通り詳しいお話を伺いましょう」
「それじゃこれが約束の20万円、でもあなた達本物と違ってお金は取るのね」
「あちらは漫画ですからね、実際行動起こすとなれば何かと必要経費がかかるモノなんです。それに有料の方があなたも安心でしょう」金を受け取った男がバーを出ていく。
「フフッ、木村め。今にみてらっしゃい、アンタの幸せの芽は私が摘み取ってやるんだから!」
~ルカ視点~
久し振りにカカンザの冒険者ギルドにやってきた俺達はギルドの受付嬢から1枚の依頼書を渡された、依頼主はジューダの王様だった。
「隣国の王様直々の依頼を受けるなんてあなた達どんなパーティーよ?」まあ詳しくは語るまい、別に口止めされてはいないが過ぎた事とはいえ国家の一大事をやたら吹聴する訳にもいかないしな。
「ルカ殿ご一行へ。この度朕は退位して長男ウーヌに王座を譲る運びとなった、ついては息子の戴冠式に主賓として出席して頂きたくこの手紙を綴る。ジューダ王アイナス」
「あの王様も遂に隠居か」俺はため息を1つ吐くとオッサンに手紙を渡し、トロワちゃん、ディーネの順に回していく。
「主賓だって!私達ってスゴい?」オッサンはディーネを軽く小突く。
「戴冠式ともなれば近隣の王族も参列するじゃろ?それを差し置いてワシらを主賓とはのう」
「そんな事してジューダの王様、他所の国から反感を買いませんか?」トロワちゃんは心配そうに首をかしげる、この娘は優しいね。
「こうも考えられないか?どの国を主賓にしても、主賓を立てずとも角がたつ。ならいっそ王族でもなんでもない俺達を招き入れる、国を救った英雄という名目なら他国の王族も文句は言えねーだろ」
「確かに。お前さんがあの国を救ったのは事実じゃしの」
「それじゃお言葉に甘えましょう」
「私、礼服を新調したーい」
「「「ジューダ王国に貸してもら」」」
「「え!」」
「って下さい!」
こうして俺達はジューダ新国王の戴冠式に出席した、途中でちょっとしたハプニングもあったが式は概ね成功といっていいだろう。
「ねえルカ、さっきお皿から七面鳥が落ちたでしょ?アレあなたなら未然に防げたんじゃないの?」ディーネが俺に聞いてきたが
「ホントにミスだったらそうしたさ」
「ウム、アレはわざとじゃろうて。つまり外交手段というヤツじゃ」オッサンも気づいたか。
「勿体ない気もしますけど。あれで国の復活をアピールしたんですよね」トロワちゃんも理解したようだ。
それから一ヶ月くらいたった日、俺達が越後屋にきたらマスターが珍しく難しい顔をしている。どうしたのかと尋ねるとジューダの新国王がラターナに招かれた話を聞いた。
~大輔視点~
「う~ん、これじゃgoサインはでないだろうな」僕はコルトン様の依頼で食品サンプルを作る事にした、いざやってみるとこれが結構難しい。何せ使う道具はバーナーだけ、専用の機械に一切頼らないのだ。
そんなある夜にルカさん達がきた、そういやあの人あっちで大学の電子工学科卒業しているんだからこの手の作業には強いハズ。どっちにしろ他に相談できる人いないけどね。僕が事の成り行きをルカさんに話すと
「食品サンプルか、向こうでオーダーメイドしようとは思わなかったのか?」
「晩餐のメインはワイバーンの丸焼きにきまったそうです、業者にどう説明するんですか?つーかそれ以前に裏口に入りませんよ」
「蝋に魔法をかけるとか?」
「それじゃサプライズにならないでしょう、大体僕は魔法なんて使えません」
「ま、明日は暇だしちょっくら調べて来るからよ」
「すみません。助かります」何だかんだ言ってもルカさんは頼りになる。一方他の3人は僕達の会話を頭に?が浮かんでそうな顔で聞いていた。
~ゆの視点~
万丈さんとの婚約を部長や加藤くんにお祝いしてもらった2日後、私が出勤する為に自動車にエンジンをかけると助手席に知らない男が乗り込んできた。私はあっという間に羽交い締めにされる、突然の出来事にパニくっていた。
(助けて!万丈さん!)心の中で愛する人のなまえを叫ぶが聞こえるハズもない、私は咄嗟にその手で掴んだモノをみてふと落ち着きを取り戻した。
ゆのが掴んだモノとは一体何だったのか?それは次回の講釈で(懐かしのマチャアキ版西遊記風)。