魔導騎士になりたくて 作:クー
エリカ・マッグレイ
属性 炎 魔装 ? 魔導ランク C- 年齢15 身長155 体重51
学園中等部の英雄と呼ばれたケイズの実妹。兄を殺したヴィルヘイムを恨んでいる。
オルクス・ホワイトバーグ
属性 雷 魔装 電刃剣(エレキア・グラディース) 短剣型
魔導ランクD 年齢15 身長151 体重50
臆病で謙虚な性格、眼鏡をかけており裸眼の視力はあまりよくない。何かあると反射的に避けてしまうほど臆病だがその性格が吉と出るのか凶と出るのか
フィリア=リ=ジークリンド=エルディシア
属性 土 魔装 壊砕の矛盾(グランドファランクス) 盾+剣型
魔導ランク D 年齢16 身長165 体重55
礼儀正しく自分に厳しくする性格、うわさ話に動じず自らの目で見たものしか信じない性格故にヴィルヘイムのことについては普通に接し訳ありでの事故だったと推測している。貴族出身だが彼女自身そのことにコンプレックスを持っているようだ。普段は名を省略している。
俺は魔装を展開する、だが今まで使った魔装とは違って凄まじい力が解き放たれるのがわかった。俺の魔力は平均から見ると少ない、よって一点に集中させなければ威力は期待できない。
だが、一点に集中させれば誰でも強力な攻撃ができるという訳ではない。それももちろん魔力制御なるものをこなさなければできず、その魔力制御は至難の技で上手くこなせば上位の魔術も扱えるし魔装で強力な攻撃を行なうことも可能だ。
だからこそ俺は魔力制御をこの数年で完璧にし、国軍内でも士官レベルでなければ扱えない魔術も扱えるようにした。
「こいつは
「よし、まずは私が前に出て攻撃を防ぐ、その間に二人が」
「いくわよ!オルクス、三人掛かりならFランクなんと余裕よ!」
「えぇっ、で、でも...相手は、さんね」
「口を動かすなら体を動かしなさい!こんな奴...私は認めないんだから。」
そう言うと指示を聞かずにエリカは真っすぐ突っ込んで来る。これじゃあ期待ハズレ...か。
「っ!バカが!」
俺が魔装を振りかざそうとしたその時、フィリアが飛び込んで来る。
「このバカが!奴がこうやって一人で相手をするからには間違いなくそれだけの自信があるということだ。もしこれが魔物なら我々は全滅だぞ!」
「っ...解ってるわよ!」
「解っていないな、たとえ相手を下に見ていても魔装展開は基本のはずだ。魔装展開によって魔力は解放され魔術の威力も上がる。こんなのは中等部の初期段階で習っているはずだ。」
「解ってるわよ!一々うるさいのよアンタ、でも...でも私はそれだけ強くならないといけないの!強くなりたいの。」
あまりに強さを求めればその分、代償がでてくるぞ。覚えておけ、俺のようにはなるんじゃない、いいや...なっちゃいけない!
「属性的に相性は最悪だが、よくここまで耐えている。」
「お褒めいただくのはありがたいですが、あまり余裕を見せるのはよくないかと思います...っ!」
その瞬間、彼女の盾を押す力は強くなり、後ろからの気配も近くなる。
「じゃあここで二つくらいアドバイスしておくか...まず一つ、相手の力の働く方向を読むことだ、例えばこのように...」
俺は瞬時に力を反対方向を引き戻し、第一次魔術突風で上空へ上昇する。
「のあっ...!?」
急に対抗していた力がいきなり無くなるのだからコントロールができなくなり勢いで前に倒れる。そして後ろからの気配、オルクスも巻き込まれる
「う...うわぁ!?」
「そして、その二。背後から奇襲するときは気配を殺し足音も殺す事だ、もちろん殺気なんて厳禁だ。強い奴ほど僅かな殺気で気づくぞ。そして、相手に察知される前に倒すことだ。」
そう言うと俺は二人の頭を軽くチョップする。
「ということで二人はもう試験しなくてここで休んでおけ。特訓のメニューは俺が考えておく。さ、後はお前だけだぞ?」
「っ...アンタくらい一人で。」
「強がるな、なら魔装無しで俺を倒してみろ。俺も魔装無しでやるからよ。」
「そう、なら...後悔させてあげるわ。
紅よ、嗚呼紅よ、我が心を紅く染め、大地や空を紅く染めあげ焼き払え。地を焦がし天を焦がし、万物を灼熱の業火で消し去り給え...!第六次魔術
何だと、第一学年でも平均して第四次魔術、優秀な人間がいれば第五次魔術が使える程度なのに第六次魔術だと?魔術が一次上がればそれだけ困難なものになり、中等部卒業の頃には第三次までこなせるようにはなる。だが、ここからの道のりが長く一次上げるだけでも短くて一年、長くて三年ほどかかる場合だってある。俺はこの五年で第二次魔術から第七次まで上げて来たがそれはそれは大変なものだった。
「仕方がないな...そっちがその気なら見せてやるよ...
風は全てを運び、花を育みそして散らす、則ち終わりと始まりをもたらすものなり。時に護り時に壊し、我の剣とならんだろう。我、全てを護り全てを壊し、残されしものより再び世を創り出さん。
蒼風は紅蓮の炎を包み込み、食すように炎を消し去る。勝負はあったか
「そ...そんな。私の...私の炎が...。」
「確かに、お前の魔術の才能には驚いた。第六次まで使えるんだ。だがな、お前は魔装を使えばそれだけで一流になれる。」
「うるさい!アンタに...アンタに何が解るのよ!放っといて!」
そういうとエリカは泣きながら出て行った。
「アドバイスしたつもりなんだがな...。」
俺は黙ってメモで気づいたことをまとめるとそれをシルルに渡す。
「何か気づいたことがあるなら、書いといてくれ。それを見て特訓メニューを考案するから。」
「わかった...いつ渡せばいい?」
「ん〜、そうだな。これから自主練しとくから2時間後校門前で待ち合わせってことで。」
「わかった...。」
「そうだ、一つ言っておきたい事があるんだヴィルヘイム先輩。」
「どうした?フィリア。」
彼女はとても真剣な眼差しをしていた。
そしてエリカのことを全て聞いた。初めての魔装展開の時に事故で周りを巻き込んでしまったこと。そしてそれを責め続け、兄を殺した俺を自分と重ね合わせて苦しんでいること。
「おそらく、それが彼女を無理させているものなのだろう。魔装を制御できなかったのは自分のせい、自分が弱いせいだとずっと責め続けているのだ。彼女は優秀な魔導騎士だと思うのだが、魔装展開にトラウマを持ってしまったが故に魔装を使わないのかもな。」
そうか...あいつもあいつで苦しんでいるんだな。
自主練を行なった後、校門でシルルを見つける。とは言ってもこの暗闇では見つけるのに少しばかり時間がかかった。何しろ彼女は肌は白いものの、身につけているものは大抵黒色で服装だって黒を基調とした制服と紺のスカート、黒色のストッキングだ。とても落ち着いた感じではいるし顔も可愛らしいが少しばかり積極性が無い子だ。
「あっ...ヴィルヘイム君。」
「ああ、すまないな待てせて。」
「ううん、ツバキちゃんと図書館でゆっくりしてたから平気。」
「そうか、それで気づいたこととかあるか?」
「エリカちゃんは魔力制御を中心に訓練させて、あとは心のケア...かな。オルクス君は反射神経が良かったと思うよ、フィリアちゃんが倒れて来る間にほんの少しだけ避けようと動くのが見えたから。フィリアちゃんは体力や筋力を中心に鍛えていくべきだと思う...。攻撃士と防御士の両方ができると思うから。」
「そうか、ありがとうな。参考にしておくよ。」
「う、うん...。」
シルルは顔を少し赤くすると俯く、そして
「ヴィルヘイム君は...その...なんていうか、すごく強かった。第七次魔術ができるし、戦闘のテクニックとかも凄いし...よかったら、私にいろいろ教えてほしいなぁ、なんて。」
「わかった、じゃあこれから毎日この時間まで残って自主練するか?」
「えっ...!?えぇぇぇっ!?」
こうして俺達199班の上を目指す訓練は始まった。