魔導騎士になりたくて   作:クー

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第22話 校内戦1 風鎧の騎士 後編

両チームがそれぞれのコロシアム入場口にて待機する。実況の合図に合わせて両チームが入場するのだ。俺は初めての校内戦のため少々不安だが何となるはずだ、なぜなら俺達はそれぞれ強くなる為に必要な特訓をしてきている。だからこそ実力もあるというものだ。

 

「さあ、ついに始まりました待ちに待った校内戦!実況はわたくし、キャス=ランスターとエド=ヴォーロックでお送りいたします。私たち魔装学科は校内戦には出場せず、全生徒の魔装のメンテナンスなど全面的なサポートを担当させていただきます!今回の第1コロシアムCブロック一回戦はエルディシア家出身のヴィーリア=エルディシアが所属する総合チームランクCランク+の第109班と、なんとなんと我が学園に5年の時を経て舞い戻って来たヴィルヘイムがリーダーを務める第199班の対決!そして199班のチームランクはDです。これは199班が不利...といったものでしょうか?エドさん。」

 

「いえ、それはわかりません。何しろFランクではあるものの、学園内でもトップの実力を持つ風紀委員長や学園に侵攻した魔物を一人で殲滅したヴィルヘイムがいます。それに彼は、僕達の想像を遥かに超える実力を有していると思います。」

 

「はい、それでは両チーム入場をお願いします!」

 

ついにこの時が来た、俺はこんなところでは負けられない。頂点を目指す、そして誰よりも強くなって奴らを狩り尽くしてやる。

 

「行くぞ、肩の力を抜いても気は抜くなよ?」

 

「はいっ!」

 

「さて、相手はランクD。でも油断はせず行きましょう。」

 

「はいっ!ヴィーリアちゃん。」

 

両チームが向かい合う。

 

「ふんっ、出来損ないなど私の相手ではない!」

 

「確かに私は家では出来損ないかもしれない。攻撃特化の家柄で防御に徹することが得意な臆病者だからな。だが、私は騎士として大切な者達を守りきってみせる!」

 

「はっ、ほざけ落ちこぼれ共が。」

 

「こらっ、そこまでにしなさい!相手への侮辱はマイナス点となりますよ?」

 

ジル先生が放送室から指導を入れる。判定はジル先生が代表して行うそうだ。

 

「では、位置について...Go,a save!(我が愛しき者を守り抜け!)」

 

合図で試合が始まる。会場の観客席では熱狂が起こり、一気にボルテージが上がる。

 

「昨日のフォーメーション通りだ、各自持ち場へ」

 

「了解!」

 

俺達は各自持ち場へつく。前衛二人はエリカとオルクス、その後ろの所謂中衛は俺とフィリア、後衛にシルルがつく。

 

「いいかお前ら、俺達は相手よりも劣っている。だからこそ下手に攻撃に出れば相手の思う壷という訳だ。シルルの射撃で相手を散らすまでは動くな。」

 

昨日言った作戦通りにシルルの射撃から始まり、相手チームは各自散り始める。そう思っていたものの、バリアを張られて防がれてしまう。

 

「やっぱりそうくると思いました、お兄様。」

 

やはりそうか、ターニャの魔装、聖なる揺篭はかざすことで効果を発揮し魔力の壁を出現させる。それに応用を加えて火属性の魔力でコーティングしたのだろう。

 

「やってくれるじゃないか...。シルルはさらに後方へ、フィリアはシルルを守る形にしろ。俺が突っ込む。」

 

「そんな無茶な!」

 

「そうですよ!それじゃあ先輩が。」

 

「任せろ、こんな奴らは俺の相手じゃない。」

 

すると真っ先に敵の一人が突っ込んでくる、ヴィーリアだ。彼女はエリカの魔術をかわしながら風に乗って移動しオルクスに奇襲をかけ壁際まで吹き飛ばした。

 

「なっ!」

 

やはりそうきたか、オルクスの弱点は意図しないことへの対応の遅さ。つまり臨機応変に動けないという事だ。攻撃してくると事前にある程度覚悟できていればそれに対応できる。だが、早すぎたんだヴィーリアの猛攻が。

 

「奴は俺が止める!お前らは雑魚共をやれ!」

 

「ざ...雑魚っていっても相手は先輩なんですけど!?」

 

「お前ならできる、エリカ。俺が言うんだから間違いないさ。」

 

「ちょっ...あの馬鹿!ったく、後でぶん殴ってやるんだから。第三次魔術-業炎の鞭(フレイム・タン)-!」

 

第三次魔術を無詠唱とは、なかなかやるじゃないかエリカ。やっぱりアンタはあの人の妹だよ。でもやはりバリアで少々威力が軽減してしまうな、それでもその威力は相手二人に通用している。さっさとヴィーリアを倒してターニャを倒さないとこのチームの攻略は難しいか。

 

「まさか作戦を潰して来るとはな、侮っていたよ。」

 

「ふんっ、貴様なんぞに負ける程甘くはないわ!ああ、我が風よ。全てを飛ばし、勝利を吹かせ!第三次魔術-瞬風の羽刃(エアロ・グラディス)-!」

 

複数の風の刃を俺に向けて飛ばす、それを俺は魔装で防ぐ。しかしそれが隙となってしまい彼女はさらに進む。まずい、このままでは後衛がやられる。フィリアは素早いヴィーリアとの相性はとてもではないが不利である。

 

「貴様を完膚なきまでに叩きのめすことが私の使命だ!覚悟しろ出来損ないっ!」

 

「っ!私とてただやられるだけの騎士ではない。たとえ不利でも戦い抜く、それが私だ!」

 

ヴィーリアとフィリアは互いに攻防を繰り広げる、それを後衛から援護射撃を行なうシルル。

 

「援護します...。」

 

「っ!邪魔なんだよこのっ!」

 

援護射撃を厄介と感じたのか、ヴィーリアはフィリアの攻撃を回避しそこから更に奥へ進む。

 

「...第三次魔術-グラシアル=ブロック-」

 

シルルは氷の壁を作り出し、ヴィーリアの侵攻を止めるがヴィーリアはそれを容易く破壊する。

 

「汝、我が手に宿り力を与え給え。汝、我が道を阻む者を貫き給え。さすれば我が道は開くだろう。我は進み、更なる高みへと翔び立とう!第五次魔術-槍嵐の猛吹(スピア=テンペスティア)-」

 

そのままシルルは射撃するも、すべて回避されヴィーリアに蹴り飛ばされる。

 

「っ!」

 

「邪魔なんだよ!私は出来損ないを潰す。ただそれだけだ!それも邪魔するというのなら貴様も潰す。」

 

「やめろっ!お前は私を倒せば良いだけだろう?なら私だけを...!」

 

「だからお前は生温いんだよっ、虫酸が走るんだよ!小さい時から馬鹿にするかのようなことばかりして。」

 

「そ、それは違うっ!」

 

「何が違うんだ!いつも失敗を自分が身代わりになってさ...何?同情ですか?いらねえんだよっ!」

 

まずい、シルルとフィリアが一方的にやられる。相性が悪すぎる、重装備のフィリアと中、遠距離のシルル...速さが武器の風属性とレイピア型の魔装のヴィーリアには圧倒的に不利だ。それも陣形を崩されているんだ、俺も応援にいきたいがターニャを攻略せねばまずい。

 

「へっ、1年坊主が生意気な。」

 

「1年だからって甘くみないほうがいいですよっ!」

 

オルクスは相手の攻撃を見切っては反撃し、できた隙で第二次魔術を近距離から与えていく。相手は斧型魔装、相性は有利といったところか。

 

「うかうかしていられないな俺も...!」

 

バリア型の厄介なところは加護を受けた人間でなければ自由に出入り出来ないという事。だが、弱点も存在する。それは魔装自体は容易に侵入できるということ、そして魔術はバリアの表面で弾くため内部では発生させられるということ。そこから出せる答えはこれだ...!

 

「攻略法を見つけたぜ...!」

 

俺は魔装を回転するように投げつけ、バリア内に入れるようにする。

 

「弱点を見抜きましたか、ですが避けてしまえば...」

 

「それはどうかな...?」

 

「おっと、ここでヴィルヘイム選手が魔装を投げましたがこれはどういうことでしょうか?」

 

「まさかアイツ...!いえ、ヴィルヘイム選手は魔装に魔力をあらかじめ流し込んでそれをバリアに侵入してから放出する気じゃ...。」

 

俺はターニャに魔装が近づくのをみると指を鳴らして魔力放出を行う。

 

「正解だ、第四次魔術-回刃の天嵐(レイジング=テンペスト)

 

魔術は見事に命中し、ターニャと後ろの魔術師は倒れ結界は崩れさる。

 

「な、なんと!まさかのヴィルヘイム選手の奇策がターニャ選手に通じたぁ!」

 

「な...あの野郎、第四次魔術を無詠唱で...。」

 

「そんな馬鹿な...あいつ本当にFランクかよ。」

 

「さっすがヴィルヘイム君、やるじゃん!」

 

「アイツ...もうあんなところまで。」

 

「どうしたのー?ヴィルヘイム君を認めちゃったー?レイス。」

 

「ち、違うわよ!ツバキ!でも、私も負けてられないかなって...。」

 

「へへっ、奇遇だね。私も同じ事考えてた。」

 

結界を崩したその数秒後、エリカはオルクスと協力し相手チームの二人を倒す。残りは奴一人か、だがここはあいつらに任せるか。

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