魔導騎士になりたくて 作:クー
俺とアルティアは一進一退の攻防を繰り広げていた。俺の魔装は槍であるために攻撃範囲としては上手だ、しかしアルティアには速さがある。攻撃範囲はあっても魔装の形からどうしても隙ができる。
「これは奥の手のつもりだったんだけどな。仕方無い、お前が本気ならば俺はその更に本気を出す。」
「バカ者が、最初からそのつもりでこい。」
俺は一度後ろへと下がり、魔装で地を突く。それと同時に上空へと舞う。
「その戦法はもう見破っている、これで終わりにしてやる!遥かなる天空より来る雷神よ、大地を駆ける雷獣よ、我が前を阻む敵を喰らえ、喰らえ、雷の如く疾く鋭く蹂躙せよ。現る閃光則ち終末の光なり。迅雷は全てを焼き、消し、滅ぼさん!第七次魔術
俺のいる上空へ向けて魔装をかざすと、全方位から雷撃が襲う。
「危ない!」
「先輩っ!」
「今行くっ!」
「よそ見をしている場合か?盾野郎!」
「くっ、間に合わん!」
そんな時
「誰が助けてくれって言ったか?安心しろ。」
俺は魔装の形態を換え、二本の剣へと変形させる。
「風は全てを運び、花を育みそして散らす、則ち終わりと始まりをもたらすものなり。時に護り時に壊し、我の剣とならんだろう。我、全てを護り全てを壊し、残されしものより再び世を創り出さん。永遠に続くものならば風となりて蒼翠き天空へと還るべし!」
「またその魔術か、それで私の雷を飲み込むなど不可能だ。アンタの全方位に私の雷が迫っているのだぞ?」
「なら、それを利用させてもらう。」
「何!?」
そして俺は後にこう続ける。
「我、最期に暴龍の如く地を喰らい、万物を散らす嵐とならん!固有魔術
「まさか...魔術を応用しただと!?」
周りで起こっていた風は俺を包み、雷を巻き込みながら、嵐のようになる。嵐に押されるかのように回る俺は、刃で風を切りながらアルティアへと接近する。
「速いっ!?」
アルティアを斬った俺は、地を滑り着地する。
「全く...大した奴だよ。これは、負けるかもな。私たち。」
そう言ってアルティアは戦闘不能となり、残りは4人。
「おいおい、もうあいつ負けちまったのかい。」
「ちっ...調子づくなよ蟲ケラども。」
「やはり彼は、一筋縄ではない...。面白くなってきました。私も前へ出ます。」
「そんな、貴方が出る必要は!」
「いえ、試したくなったのです。私と彼、どちらが強いか。」
とうとう出るか、生徒会長。
「よし!これで後は4人。」
「さっきからずっと魔術が通用しないのわかってるのに、どうしてまだやるのさ。」
「さあね、でも。そろそろか。」
「(こいつ...何故。下級魔術しか使えないのか?だが奴のこの余裕の表情。私を倒す気では無いのか?まさか囮か...!)」
「貴様、謀ったな!」
アリサはオルクスの策略に気づく。オルクスの実力じゃあ言ったら悪いが学園トップレベルとまともにやり合うのは無理だ。だからこそ、チーム戦だからこそできる役割を任せたんだ。
「生憎、チーム戦ですからね。僕には僕のできることを...!」
「小賢しいったらありゃしない!」
アリサは魔術と魔装による攻撃で弾幕を作るが、全て避けられる。
「このクソガキがっ!もう手加減なんてしない!我と弾は一心同体なり、汝を貫き、万物を貫き、生命を砕かん。地の全は我と共に、一の星は我が運命と共に、眼前の魔を穿て穿て穿て、穿ち砕き滅せよ!第七次魔術
「なっ!?」
駄目だ、距離が近すぎて当たる。このままだと直撃だ。
「行けるか?シルル!」
「魔術詠唱が間に合わない!魔装での攻撃も気休め程度...。」
俺が行くしかないか...。間に合え、翠燕ッ!風を纏い、アリサに向かう。しかし、それでも間に合わない。
オルクスを無数の岩弾が覆い尽くす。おそらくもう。
「させるかよ!」
「貴様らごときが生意気なっ!」
「残念だが、それはこちらの台詞だ。」
「右に同じっ!」
生徒会側の2人、リヒテンダーとギルフォードの妨害を、フィリアとエリカが止める。
「これで、もう一人!」
俺の魔装がアリサの背後を斬る。そして、運がいいことに一撃で仕留める事ができた。これで残りは3人。だが、こちらは4人だ。
「よくやった、オルクス。後は俺らに任せておけ。」
そこから陣形を組み直し、学園最強の壁を打ち破りに行く。