魔導騎士になりたくて 作:クー
残るは3人となった生徒会チームだが、油断は一切できない。Bランク+の2人と、学年唯一のランクA、生徒会長がいるからだ。
「絶対気は抜くな。エリカ、残り魔力は?」
「平気よ、まだまだいけるわ。」
それなら良い、まだ勝機はある。まずは俺を除いた3人で取り巻き2人を相手させる。その間に俺が生徒会長を獲って残り2人を倒す。
「陣形を整えて作戦通りいくぞ!」
「了解!」
全員が承諾し、俺は翠燕で自らの機動性を上げる。風によって加速していく俺は、離れた2人をそれぞれ一撃で牽制する。
「小賢しい!」
「貴様ァ!
俺が2人を陽動したと思いきや、奴らは生徒会長に向かう俺に気をとられる。
「今っ!」
エリカは魔装による攻撃で2人を薙ぎ払う。しかし、リヒテンダーはそれを防ぎ反撃をする。まずい、この距離だと直撃だ。
「喰らえ!第5次魔術
「えっ!?」
無詠唱で第5次...?いいや、違う。奴はこれを計算していたというのか。
「ふんっ、これが貴様らと俺の実力の差だ!」
「残念だが、それはどうかな?」
フィリアはエリカと奴の間に割り込み、盾で防ぐ。
一方、ギルフォードはシルルが抑える。
「終末を呼ぶ吹雪よ、我らに安寧の眠りを与え給え。すなわち、それは死である。死とは万物を安らかに眠らせ、停止させるものなり。氷雪は一切合切を眠らせ、永遠に溶けることはなく、春を殺し、我らを永遠に安寧を与える。世界を包むは終焉の氷雪。第六次魔術
「何っ!?」
作戦を伝えてすぐに、悟られないように魔術詠唱を始めたシルルはギルフォードめがけて魔術を放つ。気づいた時には体を氷雪が包み、動きを停止させる。魔力を練った水でも氷の魔術には敵わず氷の彫刻と化した。
これで残りは2人。俺は生徒会長クリスティナと対峙する。
「まさか、ここまでやるとは思いませんでした。」
「ああ、まったくだ。特訓の成果があったというものだよ。」
「ですが、ここで私はあなたを敗ります。あなたほどの優秀な生徒がここから去るのは心苦しいですが。」
「生憎、その心配は無い。ここで俺が勝つからな!」
俺は魔装でクリスティナに攻撃をしかける、レイピア型の魔装のクリスティナと比べリーチが長いためだ。しかし、彼女もそれは対策をしている。
「リーチで勝負することは定石ですが、定石ということは当然それの対策もしているということ。」
「言われなくても知ってるさ。」
彼女はレイピアで強く一撃、魔装に当てると俺の魔装は上向きになる。俺の前はがら空きだ。
「獲りました!」
「慢心はよろしくないぜ、生徒会長さん。」
俺は即座に態勢を立て直し、魔装を回す。柄の両端に刃がついた形態に変える、これは東の島国に伝わる武器、ナギナタというらしい。
「まさかここまでとは、貴方の魔装はとても興味深いですね。」
「お褒めいただき、光栄だな!」
俺は次に魔装を変形させ、二刀流にさせる。手数で勝負しようにも、それに彼女は対応してくる。なんて速さと力強さだ、魔術だけじゃなく、剣術にも長けている。そりゃあ...学園トップというわけだ。
そんな時、フィリアとエリカは。
「大丈夫ですか先輩っ!私なんかのために...。」
「いいや、なんとか間に合ってよかった。だが...この様子だと私はここらが限界か。」
「そんな...。」
「何言ってるんだ。お前は奴を倒してすぐにヴィルヘイム先輩のところへ...。」
「はい。」
エリカはフィリアの思いを託されると、リヒテンダーと対峙する。接近し、魔装による攻撃をしようにも炎の壁を展開され迂闊に近づけないでいる。
「っ!邪魔よ。」
「難攻不落と言われた俺の魔装をなめるな!」
炎で隔てられ、挙げ句には遠距離からの砲撃。圧倒的に不利だ。
「このままじゃ奴に届かない!」
その時だった、リヒテンダーに向かって氷弾が流れる。
「くっ!邪魔するな雑魚!」
その刹那、シルルは決死の覚悟で第一次魔術ミストを使用して、リヒテンダーに妨害を行なう。その直後、リヒテンダーの砲撃でシルルは脱落する。しかし、このチャンスを逃すわけもなく
「貰った!」
エリカは背後から鋭い一撃をお見舞いする。これによってリヒテンダーは戦闘不能となり、残るは生徒会長一人となる。だが、俺達は俺含め2人だ。いける、俺とエリカがいるならばこの戦いは勝てる。いいや、勝たせてもらう。