Muv-Luv Alternative欧州から極東に吹く風 作:みったん
1983年。 EUトライアル ロンドン
ついにテンペストがお披露目となった。
アメリカの最新鋭機がずらりと並ぶ中、テンペストという世界の異物ともいえる機体が紛れ込む。
イーグルは物凄く手強い相手であった。総合的に性能が優れ、欠点らしい欠点がない。
アメリカのトップガンは対人戦においてキチガイじみた技量を誇り、テンペストとの互角な勝負を続ける。
AH(対人戦)のノウハウを自軍内で重ねているのか、それともテンペストの既存機と異なる挙動にテストパイロットがついていけていないのか。
トライアルでの計測結果は航続距離や格闘性能でテンペスト、射撃性能、総合的なバランスでイーグルに軍配が上がる。
カタログスペックではテンペストのほうが上なのに、、、、勝負はどうなるか分からないものだと確信した。
フランスのミラージュには圧勝。電算機、世代差がモロに出る結果となる。
ファイティングファルコンとは航続距離などの性能で勝利するがコストパフォーマンスで負けることとなる。
ロシアの第一世代機とは似たコンセプトが見られるが世代差で圧勝。
その中で気になった機体が一つ。ドイツとアメリカが作った機体、Xー31偏向ノズル試験機。
この機体は次期のエンジンの実証機でより三次元的な機動を可能にしているらしい。
他の戦術機もあるが、ロシアのSu17のようにデッドコピーになってしまった機体なども多くいる。
侵略者betaを倒す人類の最強兵器、その最新鋭の兵器がここに集まっていると思うと物凄くワクワクした。
そう、ここ欧州に戦術機の風が吹き始めていた。
「ケイジ・フェリクス博士!!」
基地を歩いているとアメリカ人の女性に声をかけられた。20歳くらいだろうか。
金髪をポニーテイルに括りっている。顔にはソバカスが少し浮ぶ。
服装は強化服、、、、くっきりとしたラインが出てしまい、眼のやり場に困る。
なんというか、、、その凄く大きいです。
しかし英国紳士たるもの、紳士らしく振舞わなくては、、、、
「私イーグルのトライアルパイロットのアンジェラ・ラングレーと申します。」
僕は若干驚く。
先ほどまでテンペストと互角に戦っていたパイロットが女性だったことに。
正直男性のほうが体力もあるし、、、、アメリカってなんかマッチョなイメージがあったからとっても意外に感じられた。
「アンジェラさんですか。はじめまして。」
失礼のないように顔を見て話そうとして、、、、、身長差で見上げるようになると当然胸が見えちゃう訳で、、、僕は少しまごまごしてしまう。
「貴方がテンペストの設計者だと聞いて話をしたいと思いました。私とイーグルにあそこまで戦えた戦術機は初めてです。」
文字通り褒め言葉として捉えていいのだろうか?
「その言葉お返ししますよ。カタログスペックではテンペストのほうが勝っているのにあそこまでコテンパンにされるとは、、、正直も思いませんでした。流石です。」
事実イーグルは模擬戦で一位の成績をたたき出している。
流石は戦術機を開発した国だけあって、頭ひとつ以上に進んでる。
いつかは勝てる機体を作りたいものだ。
「このトライアルがおわったら私ヨーロッパ戦線に配属されることになります。もし縁があれば、よろしくお願いしますね?」
そう言って彼女は僕にハグをしてから頬に親愛のキスをくれた。
カッと身体が熱くなった。
あとでEUの仲間にからかわれることとなった。
恥ずかしい。
トライアルの計測が終わるまでアンジェラと暇な時間があれば話した。
技術畑とパイロットでは意見が違う事が多く議論が新鮮だった。
一番嬉しかったのは彼女が僕を子供扱いしなかったことだった。
そして下心無く付き合ってくれた。
機密を聞き出そうとするわけでもなく、侮るわけでもなく、、、
そんな彼女に少しずつ惹かれていくのを感じた。
ある日のこと彼女は僕の為に戦術機のシミュレータを予約してくれた。
エレメントを組みヨーロッパの平原での演習を擬似的に体験させてくれるとのこと。
勿論擬似慣性などは弱めに設定するこのこと。
訓練もしていない子供が乗ったら、ケガをしかねない。
父に相談すると考えたのち許可が出た。
「貴重な体験をしてきなさい」とのことだった。
僕がテンペスト、彼女はイーグルで出撃する。
「戦術機の運転できるわよね?」
「マニュアルなら暗記しています。」
嘘だ。僕にはピースワールドの記憶がある。
木戸慶司の運転テクニックを僕は知っている。
きっとイケる。そう信じて疑わなかった。
「よろしい。私が01でケイジが02ね。」
「了解。」特注の強化服を作っておいてよかったと思う。
巡航速度維持。
高度OK 順調だ。
「02距離1200、2時の方向にbeta出現。これより殲滅する。」
網膜に投影される映像は見たこともない土地だ。
胸が踊ると同時に、betaの醜悪な姿に怒りを覚える。
こいつらが、、、欧州を喰い荒らしてると思うとやりきれない。
「了解。」
チェーンガンを構える。
チェーンガンの有効射程は長い。
36ミリ弾で約3000mまで届くと言われている。
十分有効範囲内だ。
「fox2、想定よりbetaが多いぞ02連携に意識しろ。離れるな。」
「了解。」的確にアンジェラから支持が飛ぶ。
蟻かなにかのように迫ってくるbetaが本当に気持ち悪い。
小型種と大型種の混成。数は小型300大型50というところだろうか。
軽い機体とOBLによりレスポンスがよい。
F5系のテンペストはF4系とは違った操縦感を保つ。
ばら撒かれる銃弾。
アンジェラの弾が面白いほど当たるのに対し僕の銃弾の命中率が高くない。
せめてもの抵抗としてポジショニングをしっかりと取る。 けして止まらず、かこまれず。
敵を的確に狙える所に動く。
「ケイジ、ちゃんと乗れてるわ。あなた本当に訓練をうけていないの?」
「まだ座学までです。」
舌を噛みそうになりながら答えた。
「才能あるかもね。嫉妬しそうよ。」
電算機の助けによる所と木戸慶司のゲームセンターでの経験がケイジを助けている。
「そちらこそ羨ましいパワーです。」
【コマンドポストより敵増援を確認。
A6地点からレーザー級を含む集団が迫っています。】
通信が入る。
レーザー警報が響き渡る。
「ウォームアップは終わり。ここからが本番よ。さあついて来れるかしら?」
匍匐飛行にうつるイーグルとテンペスト。
マップデータにマーカーが表示される。
「このコースについてこれれば私たちの勝利よ。」
それは芸術的にまで完璧なルートだった。
瞬時にそれを選択したアンジェラの技量を推測させる。
この通りに進めれば遮蔽物を利用して無理なく近づける。
「スピードが命になるわ。遅れないでついてきて。」
そう。時間が経つと光線級が少し高い丘に到達してしまうと思われる。
そうなったら、こちらは狙い打たれるだけだ。
二世代機の機動性が優れると言っても、遮蔽物を取られ、上位置にいる光線級の射撃をよけれはしない。
「了解。」
必死に操縦桿を握る、、、、が。
少しでも必死にアンジェラの機動をトレースする。
がコースの中盤、操縦桿を間違えて大きく切ってしまう。
機体が複雑に回転する。派手なバレルロールだ。
レーザー級の予備照射に反応して乱数回避が発動。バレルロールと組み合わさり複雑な機動を描く。
レーザーが襲うが奇跡的に掠るだけで済む、、、、が中の僕は無事じゃなかった。
訓練も受けていない僕が、擬似慣性を弱くしているとはいえシミューターの負荷に耐えられるわけがなかった。
集中力を失い、ズルズルと失敗することと
しかし機体硬直に悩まされる。
夢の中では、、、、木戸慶司はもっとスマートに乗れたのに。
初めて戦術機の操縦を体験したのだけど機体硬直に物凄く苛立ちを感じた。
そして、知識があるだけで戦術機は乗れないことを改めて実感した。
失敗に落ち込む僕をみて彼女はこういった。
「才能あるよ。君。 あとね?失敗っていうのは学ぶためにあるんだよ。本番で生き残る為にね。」
機体開発と一緒だね。私もイーグルのテストをしてた時にはそうだった。
笑いながら彼女はそう言って僕を励ました。
こうして僕の初めての戦術機訓練は終わった。
ピースワールド
最近地味に腹立つことを見つけた。
向こうの俺が地味にハンサムでリア充なことだ。
今日もアメリカのパイロットとイチャイチャしてよぅ。
俺のお陰なんだぞぅわかってんのか?
ちくそう。こんな夢見るなんて欲求不満なんか?
俺、、、、、そう呟いてからPCの電源を落とした。
アナザーワールド 1985年
トライアルの結果いくつかの国でテンペストの採用が决まる。
が、同時にイーグルの輸出型もかなりの数の輸出が决まる。
テンペストの海外配備は1985年後半
それに対してイーグルは1984年の前半から配備開始。
テンペストは独自の機構を備え生産が遅れたことと、EU自体の国力の低下が見られ輸出分が伸び悩む。
そこにアメリカは目をつけた。
テンペストを導入しないと決めた国への割引と裏取引を持ちかける。
瞬く間にアメリカの戦術機は配備されていく。
西ドイツがイーグルの採用を決定。
フィンランド、オーストラリアがホーネットの導入を決定。
まだ、輸出予定の立たぬファイティングファルコンの予約までされている
等などアメリカの攻勢は熾烈を極めた。
それに対してユーロスファタスはトーネードⅡ計画、サンダーボルトⅡの改修計画を発案。
テンペストで得られた開発技術、使ったもの使わなかっ技術様々なものがあるが、低コストでのhighーLowMIXのLowを担う発想をに転換した。。
ユーロスファタスの勝利は、テンペストが売れることでなく欧州の戦力増強が目的だと言わんばかりの態度である。
結果的にテンペスト自体の売上は振るわなかったがこの嵐は台風の目となる。
後の1988年。
WIND計画の始動。
第3世代の開発開始と前線国との相互的技術支援を決定。
タイフーンという高性能3世代を作り、技術をフィードバック。パーツの互換性のある2.5世代や3世代の戦術機を開発する計画を発案した。
これにより台湾に超密集戦闘機体ストーム、高性能マルチロール機タイフーン、一撃離脱型海戦機ハリケーン、近接格闘最強機体武御雷・疾風型の開発へと進むことになる。
テンペストの開発とトーネード、サンダーボルトの改良機=欧州向けの機体を作った実績とアメリカ型戦術機を採用した国への援助を惜しまぬ必死さは各国の好意と寄付を集めてゆくこととなる。
ただ一国、アメリカという超大国を例外として。
一応作品のストックは容易してますが、毎日投稿してると速攻で切れそうです。
うーん。モチベ的にどうなんでしょうね?
追伸
うおおおおお。なんと自分の作品にお気に入りが。
マブラヴオルタネイティヴという作品のパワーを感じました。
評価まで入ってるのが嬉しいです。
ありがとうございます。
徐々に作品w加速させていきたいです。