最近暑いですね…でも梅雨も来てほしくないんだよなぁ
てか暑いしか最近言ってない気がします
「いくよ…私をもっともっと楽しませてッ!」
フランは炎剣をブンブンと振り回しながら銀髪の少女へと近づいていく。
「こいつ…一体何者なの…!? ただの妖怪じゃない事は確かだけど…」
少女が冷静にフランのことを分析している中、フランは飛び上がって剣を下ろしてきた。
「くっ…!」
剣はブゥンッ!と大きな音を立てて地面を斬り裂く。
「ほらほらッ!もっといくわよ!」
フランは笑顔で追撃する。もう楽しくて楽しくてしょうがないといった表情だ。
「もうっ…これでも食らいなさい!《断霊剣「成仏得脱斬」!!!》
少女は2本目の剣を抜き、しつこいフランに向かって光る斬撃をいくつか飛ばす。
「へぇ!そんなこともできるんだ! …そーーれっ!!!」
それでもフランの『レーヴァテイン』の威力には遠く及ばず、振り回されるだけで相殺された。
「なッ!」
少女にとって今の攻撃は最高の技という訳ではないのだが、あまりにも簡単にかき消されたので驚きが隠せなかった。
「ねぇお姉ちゃん…もう終わりなの?」
「っ!!」
フランは先ほどとは違って笑顔が消えた。少女に対して興味が薄れてきていたのだ。
「バケモノめ…私を本気にさせた事、しかと後悔しなさい!」
少女も本気になっていた。確実にフランを〝始末〟する気であった。フランもニッと笑い剣を構える。そして少女も再びフランに向かって行こうとした瞬間…
「フラン!お前なにやっとるんじゃ!」
突然声が聞こえた。その瞬間フランは階段の方向へ振り向く。
「ぬらりひょん遅いよ〜!」
「…(隙ッ!)」
この一瞬に全てをかけていた少女は、フランの隙を見つけ一気に距離を詰めた。
「バケモノめ…これで終わりよッ!」
フランの首元に向かって剣を振り下ろす。しかしその瞬間キィィン!という鉄の音が聞こえた。明らかに首が落ちた音ではない。
「おいおい…〝ごっこ〟にしちゃあやりすぎなんじゃねーのか?」
「チッ…!」
ぬらりひょんによって少女の攻撃を防がれた。その後少女は追撃を加える事はなくとりあえず距離をとった。
「あ、危なかった…」
ほんの一瞬の出来事だったがフランにとっては命取りの間だった。
「ホントだぜ。ワシがこなけりゃどうなってことか…ってワシがこなけりゃ隙もできなかったな」
「もーっ!急に出てきて邪魔しないでよねっ!私いますっごく楽しんでたんだから!」
興が醒めた、と言わんばかりにフランは炎剣を消した。
「悪りぃ悪りぃ…じゃねーよ!なんでお前いきなり戦っとるんじゃ。咲夜から、ワシから離れるなって言われて半日も経ってないぞ」
「あれ?そうだった?ごめんごめん」
フランは舌を出して惚ける。ぬらりひょんはやれやれといった顔をしていた。
「……」
その2人の事を少女は黙って見つめていた。
「よう…お主はここの住人か?聞きたいことがあるんじゃが」キンッ
少女にそう問いながら抜いていた刀を収めた。
「…私はまだ刀を抜いているわ。つまり貴方達に敵意を示しているという事よ。なのに貴方は刀を収めた。」
「…それがどうした?」
「舐めてる、と言いたいのよ。私相手だったら不意を突かれてもすぐに対処できる。貴方がとっている行動はそういう事よ」
少女は鋭い目でぬらりひょんを睨む。フランの隙を突いた攻撃、あれは少女にとって確実に当たると思っていた。その理由は2つあって、まず1つ目はフランの隙が大きすぎてフラン自身の反応が遅れ、防御が間に合わないと思ったからである。
そしてもう1つはぬらりひょんとフランの距離がありすぎた、という事だ。ぬらりひょんからみたら少女の行動は丸見えであったが、フランとの距離がありすぎて助けるにしても間に合わないと思ったからである。
「はぁ〜…お主ちょっとねがてぃゔ思考ってやつじゃな。ワシが刀を収めたのは、お主に敵意がないってことを示しただけじゃ。というか最初から敵意なんてもってないぜ」
「…信じると思う?それにどのみち貴方達を幽々子様の前に出させるわけにはいかない。消えるか私に斬られるか、どちらか選びなさい!」
少女は何を言っても聞きそうにない。
「聞き耳持たず…か。 フラン行くぞ」
「えっ?」
ぬらりひょんは後ろを振り向いた。
「い、いいの?」
「ああ。ワシらは嫌がらせをしにきたわけじゃねえ。ここがどこかなんて他の奴に聞けばいいさ」
そう言いつつ階段を下りようとする。すると
「ここは『冥界』よ。妖怪の総大将さん」
「…ん?」
その瞬間風が吹く。その風によって桜が散る。
「…幽々子様」
「妖夢…お客様よ。お茶とお菓子の用意をして頂戴」
「なんッ…いえ、わかりました」
少女は幽々子と名乗る女の人の指示に従い屋敷の中に入っていった。
「わぁ…綺麗な人…」
フランは幽々子に見惚れていた。
「そうじゃな」
「ようこそ『白玉楼』へ」
「お主は?」
「私は西行寺幽々子。この白玉楼の主ってとこかしら」
彼女はそう名乗った。
「とりあえず中に入りましょ?美味しいお茶菓子をご馳走するわ」
「悪いのう。じゃ、お邪魔させてもらうか」
幽々子に案内され、屋敷の中に入った。
「わぁー!すっごく広い!」
この『白玉楼』には幽々子と先ほどの銀髪の少女、魂魄妖夢の2人が住んでいるらしい。2人で住むのには広すぎるくらいである。
「…どうぞ」
妖夢はぬらりひょんとフランの前にお茶をスッと差し出した。その後ペコリと一礼して部屋から出ていった。
「もー妖夢ったら…ごめんなさいね」
「いやいや元はと言えばフランが悪かったんじゃ。あのお嬢ちゃんは悪くないさ」
完全に親同士の会話みたいである。
「おっと、なんやかんや自己紹介がまだじゃったな。ワシは…」
「奴良組総大将 ぬらりひょん …でしょ?」
ぬらりひょんが名乗る前に幽々子がそう言った。どうやら幽々子はぬらりひょんのことを知っているらしい。
「ハハハッ…なんでワシのことを知ってんのかはわからねえけど…ワシも有名になったもんじゃのう。冥界にまで知れ渡ってるなんてな」
茶を飲みながらぬらりひょんは笑う。
「めーかいって何?」
「…可愛いお嬢さんね。冥界というのは死んだ者が辿り着く場所の事よ」
冥界について何も知らないフランに対し、幽々子は説明した。
「へぇ〜そうなんだ………えぇ!?私達死んじゃったの!?な、なんでぇ!?」
アタフタと慌てるフラン。先ほど妖夢と戦っていた時とはまるで別人のように子供らしい驚き方である。
「ウフフフフ…本当に可愛い。安心して、稀に例外もあるわ。つまり貴女達はその例外って事よ」
「じゃあ私達はまだ生きてるの?」
「もちろん♪」
満面の笑みで幽々子は答えた。フランもよかったー!と笑顔になった。
「ところでお嬢さんは誰なのかしら?」
「私?私は吸ーーーむぐっ!」
吸血鬼と名乗ろうとした瞬間ぬらりひょんがフランの口を塞いだ。念のためにもフランの正体は隠したほうがいいと思っているからだ。
「どうしたのかしらぁ?」
「ふ、フランはな…………孫…」
「孫?」
幽々子はぬらりひょんに聞き返す。
「そう!孫!フランはワシの孫じゃ!」
どこからどう見ても苦しい話である。もちろん幽々子にもそれは分かっていたのだが…
「へぇ…〝ぬらりひょんの孫〟ね。納得したわ」
幽々子はそれ以上追求してこなかった。
「そうなんだよ…いやぁこいつはおてんばで大変なんじゃ」
「おてんばじゃないもん!………私がぬらりひょんの孫…」
フランは小さく、悪くないかも…と呟いた
「あん?なんか言ったか?」
「なんでもない!」
「フフ…夕飯までもう少しあるわ。もっとお話しを聞かせて頂戴」
はい、第26話でした。
妖夢ちゃんと幽々子様の関係ってすごく好きです
分かってくれる同士は星の数ほどいるはず…
ではここで終わります、お疲れ様でした。