転生チートってこういうもんじゃないでしょ!?   作:koh

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キキーッドカ。俺は死んだ。テンセーイ(笑)



転生といえば神様転生

「おきなさい……おきなさい、コウタロー……」

「へぁあ!?」

 

見渡す限り真っ白な空間。そこに佇む女性的な丸みを帯びたシルエットが、足元に倒れている青年に向かって声をかける。聞こえる。コウタローと呼ばれた全身真っ黒……というより、影絵のような青年が驚きの声と共に飛び跳ね、目覚める。

 

「あれ?俺って死んだはずじゃ……」

 

コウタローは首を傾けながら、先ほどまでのことを思い出す。

 

(えーと、確かトラックに引かれたんだよな?なんていうか、一瞬の出来事だった……分かってるのはそんぐらいだな。後は自分の今までの人生ぐらい。)

 

足りない頭を絞りながら、今までの事を思いだす。

 

「確かに あなたは しにました。しかし、あなたはここにいる。これには理由があるのです」

「アンタ誰です?」

 

コウタローが目の前にいる朧げな影に向かって、どこぞのギャングスターみたいにピシャリと言い放った。

 

「神に向かってアンタ呼ばわりとはいい度胸ですね」

「うごごごご」

 

シルエットの げんこつこうげき!

こうかは ばつぐんだ!

 

「すいません」

「許します。ええと……とにかく、あなたは しにました」

「それはもう聞きました」

「黙って聞きなさい。あなたがこの場所にいる理由は貴方が転生するからです」

「……」

 

何言ってんだこのアホ、みたいな顔でシルエットを見つめるコウタロー。

 

「バカにしましたね?今、バカにしたでしょう?」

「あばばばば!」

 

シルエットの グリグリこうげき!

きゅうしょに あたった!

 

「ふたたびすいません」

「ふたたび許します。とにかく、転生するからには特典をつけなければいけません。お約束というものです」

 

転生者には特典。夏休みの絵日記ぐらい確実についてくるものである。

 

「はぁ……それじゃあチートをください。細かい内容と転生先の世界とおまかせで」

「いいでしょう」

「しのびないですね」

「かまいませんよ」

 

シルエットは何やらゴニョゴニョと呪文を唱える。

 

「あのー」

「なんでしょう?」

「ホントに俺ってトラックに轢かれたんですか?」

「ええ、アブナイハーブでラリパッパなトラックにクラッシュイントルードでミンチよりひでぇやでした」

「言葉の意味はよくわからないけど、とにかく死んだのは分かりました……」

「わかればいいのです」

 

フンス、と鼻息が聞こえる。相変わらずシルエット姿なので本当に鼻息かはわからないが。

 

「そういや、なんで転生させてくれるんです?」

「どこの世界の人間も、死んだら転生するのです。実は、あなたの世界にも転生者はいたのですよ」

「ん、あぁ…確かにそれっぽい人はいましたね」

 

明らかに「なんやコイツおかしいやろ」みたいな人物はいた。転生者だと言われれば、確かに説明も付く。

 

「あなたの父親の会社に務めるプロデューサー。彼もまた、転生者です」

「あー……言われてみれば……」

 

父親の会社、765プロに所属するプロデューサー、赤羽根健二。確かにあの人は転生者でもおかしくないな、とコウタローは思う。10人のアイドルをユニットとしてではなく、一人一人きっちりとプロデュースし、その上で全員を売れっ子アイドルに育て上げだ。事故を起こして負傷する事はあったものの、それ以外では休んだこともない。実際、彼が入社してからは、765プロは業界では知らぬ者がいない程の有名会社となったのだ。有能さは常人とは比べものになるまい。

 

「死んだら転生ってことは、悪人とかも転生させられるんですか?」

「歴史に名を残すような猟奇的殺人者でも、転生はします。ただし、特典はない上に、送られる世界は所謂ホラーゲームなどの世界ですが……今まででで最悪の世界は、デモノフォビアの世界ですね。そもそも、天国か地獄に行くというのが、転生の一つですから。しない場合はそのまま無に消え去るだけです」

 

その言葉を聞いたコウタローは、苦々しく顔を歪めた。

 

「さて、それでは転生開始です」

「ちょっと待ってください! 俺、ホラーゲームとか嫌ですよ!?」

「安心しなさい。特段善行も悪行もしていない貴方の転生先は、前世とあまり変わりのないインフィニット・ストラトスの世界です。……あっ、細かい転生内容はあちらで確認してくださいね」

「……雑ですね」

「だまらっしゃい!」

「あちょぷ!」

 

シルエットから強烈な張り手を受け、コウタローはそのまま意識を失った。

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