転生チートってこういうもんじゃないでしょ!?   作:koh

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Q ペースが落ちた理由を述べよ

A 生活環境が変わったのです……


コウタローって最低の屑だわ!

「では、これよりISの基本的な飛行操縦について実践をしてもらう。織斑、オルコット、高木。試しに飛んで見せろ」

 

「ウス! 出ろぉぉぉぉ!うぅぅちっがぁぁぁぁぁっね!!」

 

高らかに吠えながら、右手を高く掲げ激しく指を打ち鳴らすとコウタローの身体を覆うように打鉄が形成された。

 

「ふんっ!ふん、ふんっ!」

「……」

「はぁぁぁぁぁ……はぁっ!!」

「……何をしている?」

 

機動武闘伝Gガンダムの主人公、ドモンがシャイニングガンダムに搭乗した時の一連の動きを行うコウタロー。

千冬はそれをジトッとした目で、冷ややかに見つめた。

 

「いや、一度やってみたくて……」

「だからって、アニメの真似をする奴がいるか!」

「千冬姉の言うとおりだぜ、ISスーツがファイティングスーツに似てるから気持ちはわかるけどさ」

「織斑?」

「すいません、なんでもありません!」

 

一夏が呟くと、千冬がギロッと睨みつけた。

 

「そういや千冬姉……じゃなくて、織斑先生。もしかして、俺の部屋にあるGガンダムのDVD見た?」

「見ていない」

「え? じゃあ、なんでコウタローの動きがアニメだって……」

「見ていないと言っているだろう!!」

「ハイ、ワカリマシタ」

 

凄まじいまでの圧力に、一夏は押し黙るしかなかった。

 

(言えない……剣術を始めた理由がGガンダムのドモンやシュバルツに影響されて、だなんて口が裂けても言えない……!)

 

俗っぽい動機で始めたのに人類最強クラスなのだから、恐ろしいものである。ちなみに鑑賞したのは一夏のDVDではなく、レンタルしたVHSである。時代を感じさせる。

 

「織斑先生、授業を進めた方がよろしいかと……」

 

いつの間にか展開し終えたセシリアが、おそるおそるといった様子で千冬に声をかける。

 

「……ゴホン。 よし、では全員飛べ」

「イェア!!行くぜ行くぜ行くぜーッ!!」

 

その声を聞くや否や、待ってましたと言わんばかりに、ものすごい勢いでコウタローが飛んでいった。

 

「あっ! お、お待ちになって!!」

「んなっ!? おっ、置いてくなよぉっ!!」

 

その後を追うように、セシリアと一夏が慌てて飛んでいく。打鉄の出力にトベルーラの速度が備わっているため、コウタローの速度はかなりのスピードだ。セシリアは元からIS飛行に慣れているため追従出来たが、不慣れな一夏はあっという間に置いていかれてしまった。

 

「何をしている高木! 自重しろ!そこで止まれっ!」

「でも先生コレメッチャ楽しいウハハ!!」

 

気が触れたように笑い飛び回るコウタロー、初めて飛んだ時もここまでトリップしていなかったはずだが……

 

「コウタローさん! 織斑先生の指示に従ってくださいまし!!」

「セシリアがそう言うんじゃ仕方ないな」

 

オープンチャンネルでセシリアが注意した瞬間、ピタッと動きを止めるコウタロー。

 

「なぜ私の指示に従わないでオルコットの……」

 

そして、このやりとりは千冬にも聞こえていたわけで……教師である自分ではなく、教え子のセシリアに従うコウタロー。教師としての自信がほんの少し無くなった千冬だった。

 

「まったく! 勝手な行動は慎んでください!!」

「そうだよ、千冬姉に限らず先生の言うことは大人しく聞くもんだぞ」

 

ぷりぷりと怒るセシリアに、一夏も便乗する。

 

「それにしても、二人ともよくあんなに飛べるよなあ……コツとかあるのか?」

「私は理論に基づいた飛行方法で飛んでますわ」

「……長くなりそうだから、セシリアから聞くのはやめとく。コウタローは?」

「こう、なんつーか……一気にバビュッ!と飛んでる」

「箒と同じ言い方かよ……」

 

確立された理論に基づく説明と、実にあやふやな感覚での説明。実に対象的な二人だった。

 

余談ではあるが、コウタローと同じという箒の説明は「グッとしてズカーンという感じだ」と、かなりの感覚による説明だ。当然一夏にはあまり伝わっていないが、コウタローには大体伝わるらしい。同じ感覚派の二人、通じるものがあるのだろうか。実際、二人が話す時は会話が擬音だらけになり、横で聞いていると訳が分からなかったりする。

閑話休題。

 

「三人とも降りてこい、急下降と完全停止もついでに行え。目標は地上から10センチだ」

「それでは、今度は私が先行しますわ」

 

言うや否や、地上に向かって急下降を行うセシリア。完全停止も見事なもので、地上からピッタリ10センチの位置に停止した。

 

「「おー」」

「フフッ」

 

髪を優雅にかきあげながら、ドヤ顔を決めるセシリア。

 

「よしっ、じゃあ次は俺が行くぞ」

 

背部スラスターから火を吹き出し、結構な勢いで急下降する一夏。

 

「おっ! とっ、とっ!」

 

少しずつ減速したのが功を成したのか、原作と違いクレーターを作るようなことはなかった。

 

「織斑、完全停止を行えと言ったはずだが」

「いや、でもいきなりはちょっと。姿勢制御も難しいしさぁ」

「先生、オルコットはともかく一夏にはまだ完全停止は難しいと思います」

 

箒が横からフォローを入れる。

 

「ほう? 高木については何も言っていないが、アイツはどうなんだ?」

「……さ、さぁ?」

「分からないなら口を出すな。オルコットはこの程度は出来て当然、男子二人は少し無理をしなければ卒業まで間に合わん。来年は私のクラスではない、今やれる事は今やらせるしかないんだ」

「わ、分かりました……すまない、一夏。薮蛇だった」

 

実に申し訳なさそうに言う箒。

 

「最後は俺っ!」

 

そんな会話はつゆ知らず。コウタローがぐるんぐるんと肩を動かし、飛び蹴りの体勢になりながら急下降……と言うより、墜落する。

 

「ライダーキック改めコウタローキーック!!」

 

ドカンと轟音を起こしながら、グラウンドに大穴を空けるコウタロー。ぶっちゃけそこいらのISによる攻撃より、破壊力があった。

 

「馬鹿者!! ISによる死者を出す気か!!」

 

ゴイン、とコウタローの頭上に千冬の鉄拳が落ちる。何故かは分からないが、エネルギーシールドも絶対防御も発動しなかった。

 

「スイマセン」

 

何も考えてなさそうな顔で謝るコウタロー。ぶっちゃけ悪ノリでやったようなもので、死者云々というのは言われて初めて気づいたし、出たとしてもアレイズとかザオリクとかレイズデッドとか色々と方法があるので、大して問題ないんじゃないかなァと思っている。本当にいざ、となったら時空間移動で死ぬ直前の人物を連れて来ればよい、とも思っている。

人命軽視というものが酷いオリ主だった。

 

「全く貴様という奴は……罰としてこの穴の処理は自分で行え!!」

「ヘーイ」

 

二度目のゲンコツがコウタローの頭に落ちた。




過去にも書きましたし、お気づきだとは思いますがコウタローはナチュラルに外道です。
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