転生チートってこういうもんじゃないでしょ!?   作:koh

18 / 23
えー、7月になってから異様に忙しくなり、書く時間が取れなくなり、モチベーションが下がってしまいましたが、何とか仕上げました。
とにかく投稿しなければと思ったため、めっちゃ巻きました。
暇になれば加筆するかもしれません。


セシリア「私の出番が……」

結局一夏は時々えづきながら、半泣きでパセリをモシャモシャと食べた。

その光景を見ていて可哀想になったのか、箒からは油揚げ、鈴音からはチャーシューを一枚、セシリアからはエビフライ、コウタローからはカツを一切れもらった。

みんなの優しさに、一夏は泣いた。

見事な男泣きであった。

 

なお、この件に関してはコウタローは何もしていない。勝手に一夏がパセリを選んだだけである。

 

「そういや一夏、放課後って空いてる?」

「いや、放課後はいつも箒達とISの訓練をしてるんだ」

「ふーん、訓練してるって事は少しは強いの?」

「うーん、相性があるからなんとも言えないなぁ」

 

クラス代表選考戦を思い返しながら、一夏が答える。

 

「セシリアみたいに遠距離主体の相手だと完封される時もあるけど、コウタローみたいに近距離主体の相手だと互角以上に戦えると思うぜ」

 

グッ、と力瘤を作りながら語る一夏。

 

「それじゃあ時間ある時に私と模擬戦してくんない?」

「別にいいけど、アリーナの使用申請を、俺と箒とコウタローとセシリアの4人で明後日まで出してるから、その後になるぞ?」

「それで構わないわよ」

「ん゛ん゛っ! 何かあると……そう、『何か』があるといけない、その時は私が付添うぞ!」

 

わざとらしく咳払いし、何かという言葉を強調しながら箒が割り込む。

 

「……別にいらないわよ」

「そうか?いざって時に安心だと思うけどな」

「……一夏がいいなら、それでいいんだけどね? アンタ、一夏に感謝しなさいよ」

「わかっている」

 

二人っきりになれるチャンスを邪魔されぐぬぬ顔の鈴音に対し、したり顔を浮かべる箒。

 

「うーん、女の戦いですわね」

「なんか怖いぞ、あの二人」

「いつだって恋する女の子は怖いものです、フフフ……」

「ウワー!セシリアもなんか怖いー!!」

 

外野は外野で勝手に盛り上がっていた。

 

 

さて、そんなこんなで三日後。

クラス対抗戦の日程表が大きく張り出されている。1組の初戦の相手は2組、つまりセシリアと鈴音の戦いとなる。

 

「勝てそう?」

「問題ありません、私にお任せを……といいたいのですが、近接戦闘に持ち込まれたら分が悪いですわ」

 

狙撃をメインとした遠距離戦を得意とするセシリアと、格闘戦に重きを置いた近距離主体の鈴音。どちらも相手の間合いに入らせないことが重要となるだろう。

 

「格闘戦の対処が重要となりそうですわね。一夏さんに助力を頼んだ方がよろしいかしら?」

「近距離だけってんなら箒の方がいい気もするなぁ」

「いっその事、二人共一緒に頼むというのも……」

「……あれ? それ、いつもの訓練と一緒じゃないか?」

「……それもそうですわね」

 

コウタローの指摘通り、代表戦前の最後の訓練は結局いつも通りの訓練をして、その日は終わった。

そしてその翌日……代表選の朝に問題は起こった。

 

 

 

「何故ブルー・ティアーズが動きませんのー!?」

「そ、それが突然動かなくなって……朝のチェックの時は問題なかったのに……」

 

謎のトラブルにより、ブルー・ティアーズ動かず!

整備班曰く、「外部からいきなりロックをかけられたかのように動かなくなった」との事である。

 

「オルコット、このままでは代わりに副代表の織斑が出ることになるぞ?」

「……私の都合で、クラスを不戦敗にするわけにもいきません。致し方ありませんわ……」

 

渋々ながら戦いの場を一夏に譲るセシリア。

選手交代を告げられた一夏は「なんでもっと早く言ってくれないんだ!!」と叫びながら、大慌てで準備を整えてアリーナへと赴いた。

 

「頑張れー!!負けるなー!!一組の力、見せてやれー!!」

「「「フレッフレッ、いっちっかー!!頑張れ頑張れいっちっかー!!」」」

「声が小さーい!!もっと腹の底から大きくぅー!!」

「「「おー!!」」」

 

観客席では、いつの間にやら着替えたのか白鉢巻と学ランに身を包んだ応援団スタイルのコウタローが、これまたいつの間にやら作ったのか、デカデカと一夏の顔がプリントされた大旗を振り回している。

周りのクラスメイトもノリノリでラッパや太鼓で囃し立てたり、チアガールが持つポンポンを手に声を上げたりとまるでお祭り騒ぎである。

他のクラスも応援はしているものの、明らかに一組のみが盛り上がりすぎて浮いていた……本人達は全く気にせず応援を楽しんでいるようだが。

 

(ちょっと盛り上がり過ぎだろ……!)

 

そして、応援されている本人は仲間達の声援に羞恥心を覚えていた。

まだ踊る阿呆にはなれないようである。

 

「あんた達、仲良さそうね……」

 

鈴音が苦笑を浮かべる。

 

「言うな!恥ずかしい!!」

「いいじゃない、慕われてるってことでしょ?」

「そうかもしれないけど……」

「きっとそうよ……さて、と」

 

途端に視線が鋭くなり、鈴音は獲物を構える。

 

「手加減しないわよ」

「……上等だ!!」

 

試合開始のブザーが鳴り響いた。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。