転生チートってこういうもんじゃないでしょ!?   作:koh

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ルーラ使った方が良かったんじゃね?

「うう……おのれディケイドォォォ」

 

寝言でディケイドへの恨み節を吐くコウタロー。ディケイドからしたらいい迷惑である。

 

「へぁあ!?」

 

ぐるんと寝返りをうち、そのせいでベッドから転げ落ちる。

 

「……いてててて、知らない天井だ……あ、そういや転生したんだっけ?」

 

お約束のセリフと共に、「そういや引っ越したっけ」ぐらいの軽さでさらっと言うが、転生はそう軽いものではないはずだが。

 

「知らない天井っつったけど、よく見たら転生前の俺の部屋とほとんど構成が一緒じゃねーか。布団がベッドに変わってるぐらいだぞ」

 

辺りを見渡しながら、呟く。

 

(……って、んなこたぁどうでもいいや)

 

コウタローはベッドから机の上に置いてあるパソコンの元に、インターネットに接続した。

 

(…ホントに転生してるのな)

 

インフィニット・ストラトス、織斑姉弟、篠ノ之束、IS学園。原作の単語をある程度検索にかけたところ、すべてが「現実のもの」としてヒットする。どうやら、インフィニット・ストラトスの世界に転生した事は間違いないようだ。

 

(主人公の織斑一夏がネットでもトップニュースになってるってことは、原作開始時辺りか。俺も検査受けるんかね?)

 

パソコンをスタンバイ状態にし、手を頭の後ろで組みながら背もたれに寄りかかり考える。

 

(ぶっちゃけチート能力を特典としてもらったから検査しなくてもいい気もするが……って、肝心の能力の確認をしてないじゃん)

 

慌てながら能力の確認をしようとすると、目の前にゲームで出てくるウインドウみたいなものが現れた。

 

「おお、これが俺の能力か。どれどれ」

 

目の前のウインドウを直感的に操作する。

 

能力名:チートマスター

内容:自らを含めたこの世に存在するすべてのモノに向かって「チート行為」を行うことが可能。その能力は動画「チートマスター」を基準とする。

 

「……」

 

なんだかよくわからないが、とにかくトンデモナイものなのはわかった。確かにチート能力と言ったが、チート行為そのものを能力として与える能力とは思ってもみなかった。

この世の全てにチート行為を行うって……もはや創造神の域ではないだろうか。

 

「……ん」

 

ふと、棚の上に飾ってある「高機動型ザクⅡ」のガンプラに視線が向く。試しにこのガンプラに対して、チート行為を行っても面白そうだ。

 

「男は度胸、なんだって試してみるもんさ!」

 

イア 取得

 

「高機動型ザクⅡのガンプラ」を入手した。

 

イア 分離

 

イア 高機動型ザクⅡのガンプラ:1

 

高機動型ザクⅡとガンダムのプラモデルを手に入れた!

 

「いやいやいやいや」

 

適当にやってみたはいいが、トンデモナイものが手に入った。プラモデルから実物のモビルスーツ。破格の錬金術師というレベルではない。

 

(いや、分離する方もそうだけど俺もどうやって格納してるんだよ。そこが不思議だよ)

 

ウインドウを開くと、「高機動型ザクⅡ」と「ガンダムのプラモデル」の二つが存在している。ウインドウの中に格納されているということだろうか……そうだとしたらまさにチートだ。

 

「……まあいいか」

 

細かく考えるのはやめて、ウインドウの項目を一つ戻す。チート行為とはそういうものなのだろう。

ウインドウの項目名は「コマンド」となっており、その中には先ほど使用した取得と分離が存在し、他にも使用、魔法、呪い、時空間移動、埋め立て、概念物質化など様々なコマンドが存在した。

 

「そういやザクⅡを使用したらどうなるんだ……?」

 

ふつふつと湧いてきた興味。

 

イア 使用

 

カーソルを使用に移動させ、ザクⅡを選択しようと……したが。

 

(待て待て、ココで使って原寸大のザクが出たら家がぶっ壊れちまう)

 

ここはぐっと我慢の一文字。拓けた場所で使用してみようと思い、適当な空き地まで移動することにする。

 

(そういや時空間移動って機能もあったな……)

 

時空間移動で移動できる先々を調べてみる。

 

「うぅん雑ぅ!」

 

行き先は、市町村及び区名でしか記載されていない。つまり、新宿に移動しようとしても新宿のどこに移動するのかわからないのだ。

 

「ま、いいか!」

 

しかし、物事を深く考えない、悪く言ってバカなコウタローはそのデメリットを知ろうとせずに「お台場」を選択する。

確かお台場にガンダムあったよね?じゃあザクあっても問題なくね?という適当極まりない考えからの選択だった。

 

 

 

 

「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!!」

 

自由落下(じゆうらっか、英: free fall)とは、重量以外の外力が存在しない状況下での運動のことである。人工衛星や月、地球などの天体の運動がこれにあたる。一様な重力が働く状況下において初速ゼロで運動を開始した物体の等加速度直線運動のことを特に自由落下と呼び、初速度をもって運動する斜方投射などと区別することがある。

(引用元:wikipedia)

 

つまり、なにが言いたいかというと、コウタローはお台場ガンダムの上空5000m付近から、真っ逆さまに落ちていた。

 

「で、デザイアーっ!って、言ってる場合か!!」

 

手足をダバダバと動かしながら、コウタローはとにかく慌てた様子でウインドウを弄る。

 

「これだっ!」

 

イア 魔法

イア トベルーラ

イア 対象

イア コウタロー

 

トベルーラ。漫画、ダイの大冒険に登場する魔法である。この魔法を唱えると、宙を飛ぶことが出来るようになる。ぶっちゃけ舞空術となんら変わりはない。

 

「あー、助かった」

 

パラシュートを使った時と同じ程度の速さで、ゆっくりと降下しお台場ガンダムの元に降り立つコウタロー。

ぶっちゃけた話、物凄い目立ってたのだが……本人にそれを気にする様子はなかった。

 

(さて、と)

 

早速ウインドウを呼び出して、ザクⅡを選択する。すると……

 

「ほわぁっ!?」

 

ズズーン、と大きな音と土埃を上げながら、お台場ガンダムの横に同程度のザクが出現する。

 

「おおーっ!?何だあの落ちてきたやつ!!ザクを出しやがったぞ!!」

「すっげぇ!ガンダムとザクの揃い踏みかよ!?」

「ヅダではなくザクとは!これはジオニック社の陰謀に違いない!!」

「デュバル少佐は黙ってなさい!!」

 

歓声が上がり、辺りは熱狂に包まれる。

こうしてザクは「お台場ザクⅡ」として、新たな名所となったのだった。

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