能力の把握をだいぶ行ったコウタロー。
お台場にザクⅡを設置した後、ルーラがある事を思い出したコウタローは自宅に向けてルーラで、青空を高く羽ばたいた。
「フラーィングザスカァーィ!!」と叫んでいたこともあり、周りから注目されその光景をカメラやらスマホやらでパシャパシャ撮られてたのだが、後先考えないコウタローは全く気にしていなかった。
後日、この光景はネットで拡散され「UFO野郎」として都市伝説界で語り継がれる事になるのだが、それはまた別の話。
(さ・て・と。なんか作るかなあ)
取得、合成、分離、使用で大体のものは作れる事がわかった。後は合成と分離のパターンを見極めるのみである。
「とりあえずヒロイン枠が欲しい」
そう思い立ち、何と何でヒロインが作れるのか考える。
(簡単なのは……やっぱ擬人化か?)
元から人間な物を作るのは難しいだろう。となると、やはり物体の擬人化が作りやすいだろうか。
(と、なると艦これだな)
生前でもちょこちょこやっていた、ブラウザゲームの「艦隊これくしょん」。あれなら、ある程度はキャラを把握しているし、戦艦のプラモデルを基点にしていけば上手く作れる気がする。
……全て把握しているわけではないが。
とりあえず、コウタローは近くの模型屋にプラモデルを買いに行くことにした。
「いやあ、買ってしまった。実際に組み立てても面白いかもね」
ズラリと目の前に並ぶ、軍艦のプラモデル。
財力的な問題もあり、パッと目に付いたものしか買えなかったが、それでも十数個はある。ついでにゲシュペンストなど適当なロボットのプラモデルも買って来た。帰りに、目に付いた野良犬も取得してきたし、準備は出来た。
「うん、作るのは夕立なんだ。スマナイ」
謝りながらウインドウをいじるコウタロー。誰に向かって言っているのやら。
イア 合成
イア 駆逐艦「夕立」のプラモデル:1
イア 犬:1
駆逐艦夕立(艦これ)を作り出した!
(うーん。やっぱり簡単に出来たか)
おそらくではあるが、名前と名前を足した言葉遊び。もしくは属性の付与。そして合成した結果に一番近い物を作り上げる。そんな所だろう。
イア 使用
イア 駆逐艦夕立(艦これ):1
「……」
なんと ゆうだちが なかまに なりたそうに こちらをみている!
イア 仲間にしてあげる
「白露型駆逐艦「夕立」……っぽい!よろしくね!」
「なんで疑問形なのよ?」
「だって提督が作ったニセモノだからっぽい。艦娘じゃなくて、外見がよく似た別人ってのは自覚してるっぽい」
「そんなにポイポイ言う子だっけ?」
「ただのキャラ付けだから気にしないでほしいっぽい。その気になればつけなくても話せるよ?」
「……いろいろ大変なのな、違和感がひどいからぽいはつけてほしいっぽい。あっ、移っちまった」
目の前に現れた夕立が自己紹介する。本人曰く「よく似た別人」だそうだ。本人がそう言うのならそうなんだろう。
「他の子はいないっぽい?」
「夕立が一番最初だからな」
「そっか、じゃあ気長に待つっぽい」
キョロキョロと辺りを見回す夕立に、コウタローは少し申し訳なさそうに答えた。
「そういえば、提督さん。夕立はどこで寝ればいいっぽい?」
「……」
そこまで考えてなかったコウタロー。嫌な冷や汗がドッと噴き出している。
「……無いならソファで寝るっぽい」
「あーいやいやいや作るからいい!ちょっと待ってな!」
急いで近くの家具屋に入り、店員が止める間もなく行動に移す。
イア 魔法
イア ブリンク
イア シングルベッド
シングルベッドの分身が二つ出現する。
イア 取得
イア シングルベッド
シングルベッドを手に入れた。
イア 魔法
イア ルーラ
イア 自宅
この間僅か3秒足らずの早業であった。
やってることは万引きなのだが、店側からしたら商品が減るどころかむしろ増えていたので、被害届は出さなかったという。