コウタローは激怒した。
必ず、かの邪智暴虐の篠ノ乃束を除かなければならぬと決意した。
コウタローには参考書がわからぬ。
コウタローは、アホな転生者である。
合成と分解をし、チートを行い暮らして来た。
けれども頭脳作業に対しては、人一倍に無能であった。
(原文 太宰治 走れメロス)
つまり、コウタローは参考書の中身がサッパリ覚えられなかった。
コウタローは所謂「感覚で覚える」タイプだったので、分厚い本でどうのこうのといわれてもサッパリなのだ。近くでサッパリ妖精が踊るほどに。
参考書を読んでる最中にISの開発者である束に対し、「なんでこんなに難しいんじゃあ!」と怒りを覚えたが、全くもって理不尽な怒りであった。
あんまりにも覚えられないものだから、「もぅマヂ無理。合成しょ…」と、家の中をゴソゴソと漁ったら、ライオンのぬいぐるみとDEENのシングルCDが出てきた。
そして、その二つを合成した結果、勇者ライディーンが出来上がった。
さて、作ったはいいが困ったのは置き場所である、何しろライディーンはかなり大きい。
100m越えのダイターン3、200mのガンバスター、km越えの初代マクロスほどではないがそれでも全長52mだ。
とりあえず、ザクⅡの横に置いてみたがやはり大きかった。
ザクⅡの横に置いた理由は「同じサンライズ系列だし」ぐらいの軽い理由。お台場が巨大ロボットに浸食されるのも時間の問題だった。
その日の夜、「ザクⅡの次はライディーンが!?」とニュースにもなったのだが、特に影響もないので放っておいた。
こうしてコウタローは、参考書を見直しては束に理不尽な怒りを覚え、気分転換に変なモノを合成したり、意味もなく地面を局地的な山岳と変化させながら、入学日を迎えた。
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(女子、女子、女子!年頃の男子として恥ずかしい!)
1か月足らずとはいえ、見目麗しい艦娘(もどき)の夕立と同棲しておいて、何を今更ほざくのか。
ちなみに夕立はお留守番中、番犬であった。
「それじゃあ、自己紹介をお願いします」
一部を除き、生徒とあまり変わらないような外見をした副担任、山田真耶が教室の中で告げる。
コウタローは廊下で待機中だった。
「…高木、何をしている」
「あ、先生」
特にやることも無いのでヒンズースクワットをしていたら、背後から千冬に声をかけられた。
「いやぁ、暇つぶしにスクワットでもしようかと」
「体を鍛えるのは結構だが、廊下でするものではないぞ。不審者に見えるからな」
「ご尤もで」
千冬の言葉に従い、スクワットをやめるコウタロー。
「さて、中に入るが…心の準備はいいか?」
「問題ないッスよ~」
シュッシュッといいながらシャドウボクシングを行うコウタロー。
千冬はそんなコウタローを生暖か~い目で見ながら教室に入り、コウタローもそれに続いた。
「山田君、自己紹介はすんだか?」
「あ、今織斑くんの自己紹介が終わったところです」
「ふむ」
「あっ、その子が二人目の…?」
「あぁ、そうだ。高木、自己紹介をしろ」
千冬が促し、コウタローは軽く会釈しながら自己紹介をした。
「人間 高木孝太郎。ほとんどの人はコウタローって呼ぶ。
コンゴトモ ヨロシク・・・」
コウタローが挨拶すると、クラスのみんなが静まり返った。
「…アレ?俺、何か変なこと言いました?」
「人間って、見ればわかるだろう馬鹿者…私は織斑千冬、諸君らにISについて教育する教師だ。
諸君らに教えられる期間は1年しかない、そしてついていけない者は容赦なく置いて行かれるのがこの世界だ。
だから私のいうことはよく聞いて、よく理解し、そして実行に移せ。
そうすれば、自ずと結果は得られる。いいな?」
教壇に立ち、クラスを見据えながら千冬は言い放つ。
しばらくもすると、クラス中から黄色い歓声が上がった。
「キャーーー!千冬様、本物の千冬様よ!」
「私、御姉様のためなら死ねます!」
「そこの黒い人は男性操縦者でイケメンなのね!嫌いじゃないわ!!」
過剰とも言えるような騒ぎだが、憧れの存在が教師にもなるのだから、仕方ないかもしれない。
それと、なんかオカマの傭兵っぽい人がいた気もするが、多分気のせいだ。
「…毎年毎年、よくもまぁこれだけ騒げるものだな」
「しょうがないですよ、生徒たちからしたら『テレビの向こうの存在』だったんですもの」
軽く溜息をつく千冬にフォローを入れる真耶。
こうしてコウタローはIS学園に入学したのだった。
実はコウタローは真っ黒ではありますが、シルエットはスマートなため、人によってはかなりのイケメンだと妄想されます。主に腐ってる人がそうです。
それにしても千冬がマトモだ…