転生チートってこういうもんじゃないでしょ!?   作:koh

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ほんのすこーしだけ時系列が変わってますが……まぁ問題ないでしょう。


ハァ〜、サッパリサッパリ

「よぉ、俺は織斑一夏。これからよろしくな!」

「んんっ、よろしく」

 

握手を求める一夏、それに答えるコウタロー。

数少ない男同士、仲良くしていきたいと思ったのだろう。

 

「いやぁ、ホント助かったよ。男は俺だけかと思ってたからさ……これからは少ない男子同士、仲良くやってこうぜ!」

「おぅっ!」

 

「そういや、何で自己紹介の時に人間って言ったんだ?確かに真っ黒だけども、それぐらい見ればわかるよ」

「俺は人間だ! 人間でたくさんだっ!!」

「お、おお……?」

 

いきなりの人間宣言に、頭の上にハテナを浮かべる一夏。

 

「なんか、コウタローって変わったやつだなあ」

「自覚してらぁ。ウハハ!」

 

大口を開けて笑うコウタローに、一夏は苦笑を浮かべる。

 

「ちょっと、よろしくて?」

「え、誰だ?」

 

談笑している二人の元に、金髪縦ロールの少女が近づいてきた。

転生者であるコウタローは、主要人物であるセシリアの事を知っているが、もちろん初対面(であろう)一夏は、少女の事など知る由もなかった。

 

「まぁ! 私を知らないと!?」

「あいや待たれぃ! 俺は知っている! そう、確かイギリスの代表候補生……」

「へぇ、コウタローは知ってるのか」

「あら、貴方は最低限の礼儀は弁えているようですわね」

 

歌舞伎のような動きをしながら、コウタローはムムムと記憶を辿る。

 

「そう……そうだ! オシリア! オシリア・セルコット!!」

「だっ、誰が臀部ですか! セ・シ・リ・ア! セシリア・オルコットです!! 失礼な方ですわねっ!!」

「あ、ごめん」

 

コウタロー、わざとではなく本気で間違えている。

ちなみにコウタローは、「セシリアの尻は実にすごい」と、修学旅行時に語った。

 

「か、軽いけど一応謝ったので許してさしえげますわ」

「ええと、それで何の用だよ?」

 

コウタローに振り回されるセシリアを見兼ねてか、一夏が助け船を出す。

 

「ハッ。い、いえ……男性の身でありながら、ISを動かしたと聞いたのでどんな方なのかと思い、見に来てみれば期待外れのようですわね」

 

クスクスと笑うセシリア。主にコウタローを見ながらである。

今の笑いには恥ずかしい名前に間違わられた意趣返しが多少なり……いや、大半だろう。

 

「まぁ、貴方のようなお馬鹿さんであろうとも教えを請えば私が教えてあげますわ。何しろ私は、教官を倒した唯一の生徒ですから!」

 

誇らしげに高笑いしながらポーズを決めるセシリア、だがその余裕も一夏とコウタローの次の一言で消え去った。

 

「教官と戦うやつか?あれなら俺も倒したぞ」

「俺も。割と簡単だったね」

「なっ、なんですって!?」

 

別に大したことしてませんよ、といった感じにサラッという両名。

 

「まぁ、俺の場合は倒したというか、偶然が重なった結果自爆したみたいなモンだけど……コウタローはどうやって倒したんだ?」

「スピキュール」

「え?」

「スピキュールだって、あっついんだまたこれが」

 

実に熱く燃える攻撃だったと追記しておく。

 

「それは本当なのですね!?教官を倒したのは私だけと聞いていますがっ!」

「女子だけでは、ってオチとか?」

「ぐぬぬ……」

 

歯を食いしばりとても悔しそうな表情を浮かべるセシリア。時代が時代ならハンカチを噛んでそうだ。

 

「とっ、とにかく!私は教官を倒した唯一の生徒なのです!女子だけとはいえ、ですけどっ!」

 

顔を赤くしながら机をバンバンと叩くセシリア。

そして、その瞬間授業開始を告げるチャイムが鳴り響く。

 

「ハーイ、みんな授業を始めますよ〜」

「っ!チャイムに救われましたわね……また後で来ますわ!」

 

山田先生が教室に入ってくると、セシリアは席に戻った。

 

「なんだったんだ?」

「知らんよ……」

 

一夏が疑問を口に浮かべ、コウタローがそれに答える。

とりあえず授業が始まったので、コウタローも一夏も机に向かう事にした。

 

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((わからん……))

 

示し合わせたかのように、コウタローと一夏が心の声をハモる。

 

「さて、ここまでで分からない人はいますか?」

「山田先生……全部わかりません……」

「え? ぜ、全部ですか?」

「……すいません」

 

実に申し訳なさそうに一夏がいう。

 

「こ、コウタローくんは!?」

「頭の上でサッパリ妖精が輪を作って踊ってると言えば分かります?」

「あ、ハイ。分かりました……」

 

ある意味的確とも言えるコウタローの例えに、山田先生は黙るしかなかった。

 

「一夏、あの参考書はどうした?」

「……古い電話帳と間違えて捨ててしまいました」

「馬鹿者!アレは基礎とは言えIS、言い換えれば兵器についての情報が大量に載っているんだぞ!!

参考書の再発行はしてやるが、罰として800字詰めの原稿用紙で反省文5枚!!」

「そんな〜」

 

助けを求めるかのように、一夏が振り返る。

 

「こっちみんな〜!」

「高木、お前にも渡したはずだがお前は紛失していないな?」

「え、無くしてませんよ?」

「では、何故分からない?」

「……やりました。やったんですよ!必死に!その結果がこれなんですよ!!参考書を見て、でも分からなくて、今はこうしてIS学園にいる!これ以上なにをどうしろって言うんです!!何を勉強しろって言うんですか!!」

「……そ、そうか。いや、その、なんだ。すまなかった」

(あれ、何だかセリフを取られた気がするぞ)

 

千冬、コウタローのあまりの剣幕にドン引きである。それほどコウタローの剣幕は凄かった、黒いシルエットが真っ赤になるほどに。

そしてそんなコウタローを見た一夏は変なデジャヴを覚える。

 

高木孝太郎、15歳。IS知識を習得するのはまだまだ先になりそうだった。

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