夕立のゲーム日記
「今日はFF5っぽい。バッツがナイト、ガラフがモンク、レナが白魔導士、ファリスが黒魔導士っぽい」
6時限目、この時間はLHRにあてられている。
チャイムが鳴り響くと共に千冬が教壇に立ち、生徒たちを見据えながらこう言った。
「再来週にクラス代表対抗戦が行われるのは知っているな? 入学初日故に仕方ないのだが、このクラスも代表は決まっていない。まぁ、これは他のクラスもそうだろうがな」
「千冬姉、クラス代表って?」
手を挙げながら一夏が問う。
「織斑先生と呼べ、公私混同はするものじゃない……ともかく、クラス代表はその名の通り、クラスの代表者だ。役割としては、他の学校で行うような、教員と生徒間の連絡や生徒会の出席。他にも、ISの実力基準を示すものにもなる。故に、基本はクラス最強の腕を持つ者が普通だな」
「へぇ、つまり委員長って事か」
「概ねその認識で問題ない」
理解したかのように、うんうんと一夏ら頷いた。
「そう言うわけで、これからクラス代表の選考戦に参加するものを募る。自薦、他薦は問わない」
「はいはーい! 私は織斑君を推薦しますっ!」
「それじゃあ私はコウタローくん!」
数人の女生徒が一夏とコウタローを推薦する。推薦された二人は呆気にとられた顔をしていた。
「……えっ、俺?」
「俺は嫌だぞ、そんな面倒な!誰か他の人がやってくれたまへ!」
「辞退は認めない……と言うよりは、認められない。上の方から男子の戦闘データが欲しいと言われていてな。織斑と高木は戦闘データを得るためにも、この代表選考戦には強制参加になる」
「「えぇ〜?」」
コウタローと一夏が、眉をハの字にしながら嫌そうな声を上げる。
「待ってください!」
「どうした、オルコット」
バンと立ち上がり、不満げにセシリアが割り込む。
「男性がクラス代表になると、他のクラスから何を言われるか分かったものではありません! 私も立候補致しますわっ!」
セシリア自身には男性を侮蔑する気持ちはない。だが、この発言は今の世の中を端的によく表していた。
「代表はクラスで最強の者が勤めるのが普通と、織斑先生は仰られました。なら、私たち三人で総当たり戦を行うのがいいのではなくて?」
「……そうなのか? どう思うよ、コウタロー」
「オシ……じゃなくて、セシリアがそうなんじゃないの」
周りを置いてどんどん話を進めていくセシリア。普通なら教師である千冬や麻耶が止めに入りそうなものだが、自主性を促すためか二人とも事の成り行きを見守っていた。
「先の休み時間に、織斑さんも高木さんも教官を倒したと言ったのを、私は覚えています。 もし、それが事実なら一般的な生徒よりも実力はあるはずですわ」
「で、でも俺は偶然……」
「偶然も実力の内です!」
「お、おう……そこまで言うなら分かったよ、やるからそんなに近寄んな!」
机を叩きながら一夏に詰め寄るセシリア、本人は気づいていないが、その時のリズムがバンバラババンババンバンババンと妙にテンポがよろしく、ハニワ幻人もビックリな勢いだった。
「高木さんも! いいですわねっ!?」
「俺はいいぞ」
「ふむ、話は纏まったようだな。他に立候補や推薦したい者はいないか?」
クラスを見渡すが手を挙げるものは誰も居ない。
「いないようだな、それでは一週間後の月曜日に、第三アリーナで対抗戦を行う」
千冬に異論を挙げるものは、もはや誰もいなかった。
国の代表だから、他の国を侮辱する発言は流石にやらないと思うのです。
そう思って書いてたらセシリアも思ったよりマトモになりました。