ORINUSHI〜改訂版〜   作:ディア

24 / 60
注意!幕間2の続きではありません。


第二十四話 幕間3

時はさかのぼり、第二次忍界大戦が始まる数年前の頃…

雲隠れの山奥にて、アールとエス、そしておまけに玄間が一ヶ月間の合宿という名の修行をしていた。

「エス君。君は私と同じ雷遁使い…だから私の技であり、雷影様でもある技を伝授するよ。」

「はあ…しかしいいんですか?そんな大層な技を習得して…」

「ラップ風にシャラップ!無理にでも習得してもらうわよ!」

「強制ですか!?」

「玄間ー!雷雲を呼んで!」

「わかりました。水遁・大雲河!雷遁・万雷雲の術!」

玄間が最初の術を発動させるといかにも雨が降りますよ的な雲が出来上がり、更にそれに追い打ちをかけるかのように、玄間は次の術を発動させ雷を呼びだした。

「さあ、いくわよ…雷遁・稲妻落とし!」

アールの使った術は対象者…この場合はエスに向かって稲妻を落とし、攻撃するという術だ。しかし、同類の技『麒麟』とは違い威力は加減出来る上に何発でも撃てると言うのが特徴だ。今回は修行のため殺傷力は全くない。つまり今使っているのはただ麻痺させる拘束用の技だ。

 

「またそれですか!?ぎゃあぁぁぁ!」

「ほ〜らほら!速く同じ雷遁を身体に作って対抗しないとどんどん痺れるよ〜(笑)」

「ぐっ…ぐぐぐぐ…」

「(よくやるな…エスも。まあ昨日聞いた話だがそれは雷遁の鎧なんだよな…)」

 

そう、何を隠そうアールがエスに身につけさせる技は雷遁の鎧だ。雷遁の鎧の長所はスピードが増し、それが増すことによってパワーも生まれる。そして鎧と言うだけに防御も上がる。しかし何故アールはこの技をエスに身につけさせるかと言うと…自分の息子である玄間を超えて欲しかったからだ。玄間が特別上忍となって以来、天狗になってしまったからだ。しかも模擬戦で自分や三代目雷影を相手に勝ってしまったから尚更質が悪い。玄間はこのまま成長もするだろう。しかし挫折した時はどうなる?恐らく立ち直れまい。そう思ってアールはエスに玄間を超えて欲しい。ただそれだけの思いでアールはエスに全身全霊をかけて自分の全てを渡そうとしたのだ。

 

数時間後…

「シビレビレ…」

とこのようにエスが痺れてしまい雷遁の鎧習得の修行は一時中止した。

「ん〜…駄目だね。玄間、原因は何だかわかる?」

アールは元々天才であり雷遁の鎧をすぐに習得してしまった為、アドバイスができないのだ。

「そうですね…身体から出しても、すぐに身体からチャクラが逃げ出してしまう。要するにチャクラの形態変化がきちんとできていない証拠ですね。」

 

「そう…エス君、向こうにいくわよ。」

アールはそう言うとエスの頭を掴み、引きずって行く。

「えっ?ちょっと…アール上忍?どこに行くんですか?」

「…」

「無視ですか!?」

「(ひょっとしてあれやるのか?100mの滝登り…)まあ、俺もやった事あるし頑張れよ。」

「玄間、アール上忍がこれから行く場所知っているのか!?答ぎぁぁ!…」

エスが答えてくれ!と言いたかったが雷遁を放ったアールによってエスは気絶した。

「さ、玄間も行くよ。」

「あ、はい…(今更だが、かなりスパルタだな…)」

 

〜数分後〜

「う…ここは?」

「見てわからないのか?ここは滝だ。」

「玄間、ここで何をするのか教えてくれ。」

「まあ、チャクラコントロールの修行だ。手を使わずに木登りはやっただろう?」

「まさか、この滝を登ってみろとか…?」

「イエース!その通りよ!エス君!正解した君はえらい!だけどここを上まで登れたら私特製のカレーを作ってあげる。その変わり出来なかったら夕食は抜きね。」

ここに天間がいたら羨ましいぞ!私と変われエス!と言うだろう。

「…(死ぬから!絶対死ぬから!)」

「どうやら、エスは嬉しすぎて声も出ないようですね。母上。」

「そうね…じゃ特製カレーを作るから玄間手伝って。」

「わかりました。」

 

ダァァァ!ヤッテヤルゾクソヤロー!バカヤロ!コノヤロ、スパルタヤロ!

 

そんなBGMを耳にしながら玄間達は特製カレーを作り夕食の準備をする。ここでカレーを作る過程で玄間の新術を紹介しよう。

 

「土遁・畑作り!」

その名の通り土遁で耕した畑を作る。これは全分野の肥料、水分共に最高の畑でありここに種を植えたら間違いなく形、色、味全てにおいて最高クラスとなるだろう…

 

「木遁・野菜樹海の術!」

そこから野菜が一気に成長し、まるで樹海のように大量に最高クラスの野菜が出来上がる…しかし本来ならばそんなことは出来ないのだか、先ほどの畑作りの術で無理なことも出来るようになっている。

 

玄間は野菜樹海の術によって収穫し終わった野菜の一部と口寄せで出した釜を用意しその釜の中に唐辛子等などを入れた。

「錬遁・スパイス合成!」

この術はスパイスを作る術だ。この術は錬遁の中では初歩的な技で簡単に身につけることが出来た。それはともかくスパイスはカレーの元なので玄間はスパイスを作ったということだ。

玄間の仕事はここで終わりで後はアールに任せる…そうでないとアールの特製カレーでなくなってしまい玄間の特製カレーとなってしまうからだ。

 

「さて、俺のほうはいいな…後は母上の調達して来る肉だな。」

そう、カレーに大切なのは肉だ。玄間と言えども流石に肉は作れない。…柱間の腕とかも考えたが穢土転生した状態では食えないので諦めた。

「お待たせ!今日は猪の肉よ。」

アールは猪と闘い…と言っても一瞬で狩り、仕留めただけだがとってきた。

「猪ですか…前は確か、熊でしたね。」

前の熊は蜂蜜を利用して落とし穴に嵌めて殺した…その方法は自分の代名詞である雷遁を利用して落とし穴に嵌まったところを痺れさせて脳天を一撃…という手段だ。

「別に大量虐殺しているわけじゃないからいいじゃない。」

よほどの理由がない限り、食糧、あるいは正当防衛以外で動物を殺すことはしてはならない。これは忍びに限らず里人も暗黙の了解となっている。

「それはそうですが…今度はどんな方法で仕留めたんですか?」

「ヒ・ミ・ツ。」

「…さいですか。」

アールがそういう時はだいたい聞くなと言っているようなものなので玄間は深く追求しない。

 

〜数分後〜

「エス君は登れた?」

「いや、あと少しで登れましたが鯉がエスの顔に当たってしまいそれから落ちました。」

「そう…エス君は今日の夕食は抜きね。」

「そんな…」

一応、その後エスは熊をとってきてその肉を焼いて食べた。

余談だがこの習慣はエスが滝登り出来るまで続いた。

 

一方、玄間は雷遁の鎧を写輪眼によって習得した。しかし玄間は修行相手がなかなか見つからず困り果てていた。一応通常の影分身を使ってはいるがほとんど効果がない。そこで考えたのが自分の実力よりも七分の一程度の水分身によって生み出した影分身を使えば修行になると考えた。影分身は出した分だけ経験値が増えるため修行には丁度良いのだが最近は強くなりすぎてどうも修行にならない…故に水分身なら実力も低いため様々な戦闘知識が思いつき、戦闘経験も大幅に増える。とにかく玄間はそれを実行して修行をした。

 

ここで玄間の水分身の実力について書こう。原作にいた元霧隠れの上忍、桃地再不斬の水分身は初期のサスケとほぼ同じだ。ところが玄間の水分身は体術ならその再不斬をも上回る。つまり少なくとも玄間を倒すには再不斬の7倍の体術を持っていないと勝てないということだ。

 

〜三週間後〜

エスの方に話は戻り、遂にエスがあの理不尽極まりない滝登りが出来るようになった。しかもただ出来るようになったわけではない。エスは100%の確率で滝登りが出来るようになっており、三代目雷影を超えた。更にずっと滝登りをしていたせいか水遁の性質変化も身についた。そして修行は初期の頃にやっていた雷遁の鎧の修行に入る…

 

「エス君、君には雷遁の鎧を覚えてもらいます。」

「(いきなり敬語…)はい。わかりました。」

「では貴方の雷遁の鎧で私の術を防いで下さい。いいですね。」

「いつでもどうぞ。」

「雷遁・稲妻落とし!」

「はぁっ!」

アールの稲妻落としがエスに喰らう前に、エスが雷遁の鎧を出して稲妻落としを防いだ。つまり成功だ。

「どうですか?アール上忍。」

「合格〜☆」

「やったぁ!」

「だけどまだまだ喜ぶのは早いわよ。これは次の技に必要だから習得させただけ。」

「ええっ!?」

「これより教える技は…」

 

〜現在〜

「はっ!…夢、か。」

「エスブラザー!朝からテンション高めのここ高めのおはようおきよう!YO!」

「ビーか…」

「ん?どうしたんだ?エスブラザー。やたらテンション低いじゃないか。」

「何、恩師がいた頃、修行した時の夢を思い出してな。」

「…そうか。まあとっとと朝飯食って来なYO!」

「お前は?」

「もう食い終わっているから必要ないYO。」

「もうそんな時間か。ほんじゃ、あいつに追いつくために修行するか。」

こうしてエスの一日が始まる…

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。