ORINUSHI〜改訂版〜   作:ディア

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前回から気づいているとは思いますがORINUSHI〜改訂版〜のオリジナルになっています。


第二十六話 波風一族とシロイとミナト

~前回のあらすじ~

玄間はミナトを身体検査と偽り遺伝子検査をしたところ自分の息子だとわかった。

「シロイか…喜べ。やっと俺たちの息子が見つかったぞ。」

「えっ!?本当!?」

自分達の息子が生きていることに驚きを隠せないシロイだったが、次の玄間の言葉でシロイは別の意味で驚いた。

「本当だ。今の息子の名前は波風ミナト…留学生だ。」

「ええっ!!?」

シロイは驚きを隠せないのにはある理由があった…その理由とは?果たしてなんなのか?ここまでが前回までのあらすじ…

 

「どういう事!?なんで波風一族が…」

「ん?波風一族とはなんだ?」

「波風一族は…私の一族の本家。私も一応波風シロイと名乗れるようにはなっているけど普段はそれが許されていない…」

「しかし、そんな一族聞いた事もないぞ。」

「波風一族は名前の通り時空間忍術を得意とした一族…ここまでなら普通の家庭と変わらない。だけど時を操る一族…とまで言われていた。だけど今の宗家当主から60代前の当主からそれはなくなってしまった。」

「60!?それじゃ曾祖父様達よりも前なのになんでこの世界を統一出来なかったんだ!?」

「うちは一族の万華鏡写輪眼よりも開花させるよりも難しいから。それに波風一族は当時は血気盛んというか、戦闘狂な人が多くて戦争が続いた方が都合が良かったの。」

シロイがキレると血気盛んになるのも波風一族の血を継いでいる証拠である。

「なるほど…しかし、そんな血継限界があったとは…(ミナトも時空間忍術を得意としたのもこれが主な理由か…)」

「それからというもの…前当主の3親等以外の親族は全て、宗家はおろか、分家としても認められないことになってしまったの。」

 

「しかし…それなら尚更ミナトが宗家の養子というのはあり得んな…それとミナトってのは俺たちの息子の鏡のことだ。」

「それは貴方の名声の高さのせいという可能性があるわ。」

「ん?何故だ?」

「さっきミナトらしき子供と通りすがったけど貴方の同じ金髪だったよね?」

「そうだが…」

「貴方は金髪…しかも色が鮮やかな金…そんな髪型は貴方を除けばただ1人。私達の息子ってわかるよね?」

「まあな…」

「貴方の名声値は忍びの神…千手柱間を超えている。つまりその息子が自分の養子と言ってしまえば…どうなると思う?」

「そういうことか!やられた…」

玄間がやられたと言ったのは波風一族にミナトを返せ!と問い詰めても恐らく何かと理由をつけて返さないと考えたからだ。

 

「わかった?これは分家にすら入っていない波風性の私では取り返そうと思っても取り返せない。」

「…任務で無理矢理奪っても返って逆効果だしな。だからと言って天隠れに住んでいる訳ではないし、権力でどうにかなるものじゃない。」

「手段としては二つあるけど…」

「お前が言いたいことはわかっている…一つ目は波風一族皆殺し。これも思いついたが却下だ。戦争のきっかけとなってしまう。二つ目は権力を使って脅迫…可能性としては一つ目よりもマシだがそれでもかなりの確率で戦争になる。脅迫して成功したとしても向こうも何か考えて来るだろうな。」

「ごめんなさい…私の一族が迷惑をかけて。」

それからシロイは泣いた。自分の無力さに、あるいは自分の一族がやりたい放題しているのにそれともまた別のことで…

「お前が気に病むことではないぞ、シロイ。」

玄間はシロイを慰めてこれからのことを考えさせた。

 

「なあ、シロイ。あの子に俺達の息子だと伝えるだけでいいんじゃないか?」

「うん…あの子は私の一族のせいで息子として受け入れることは無理だけど伝える程度なら大丈夫でしょう。」

「決まりだ。明日ミナトにここに来るようにしよう。」

 

〜翌日〜

アカデミー教師がミナトに向かって呼び止めた。

「ミナト君!光影様が呼んでいるぞ!」

「えっ!?」

この時ミナトは焦った。昨日の検査で麻薬が自分の身体の中から出てきたと思ったからだ。

「なんでも君1人できて欲しいそうだ。すぐに光影執務室にいきたまえ。」

「わかりました。」

 

〜光影執務室〜

ミナトが光影執務室に行くと山椒魚の半蔵が仁王立ちしていた。

「ん?光影様に何かようか?」

「光影様に呼ばれました。」

半蔵が話をかけるとミナトが答える。

「お前がか…まあいい。ノックしてから入れ。」

そう言うと半蔵は、ミナトからどいた。

 

コンコン

…ミナトがノックをする。すると向こうの部屋から返事が返ってくる。

「入れ。」

光影こと玄間の声だ。

「失礼します。」

「来たか…お前をここに呼んだのは他でもない。…シロイ!」

「ええ…ミナトだったね?」

「はい、そうです。」

「ミナトは自分の実の親が知りたくない?」

「っ!(なんでそれを…)」

「返事は?」

「知りたいです!教えて下さい。」

「そう…じゃあこれから話す事は私達以外内緒にすること。それが条件。」

「わかりました…話して下さい。」

 

「あれは十数年前のこと…雲隠れにて第二次忍界大戦前でとある若い夫婦が結婚して子供を作った。それが…」

「それが僕…」

「その通りだ。だが、お前は木の葉の忍びによって夫婦から引き離されてしまい行方不明となっていた。しかしだ。お前は生きておりこうして夫婦の元に会いに来た。…そこまで言えばその夫婦のことはわかるな?」

「まさか…!光影様が僕のお父さん?!」

「ああ。お前は俺とそこにいるシロイの息子。十年以上も放っておいて済まなかった。」

「光影様…」

「お前は俺を父と呼ぶには少し図々しい。それでもいいなら俺を父と呼んでくれ。」

「うん!お父さん!」

「私のこともお母さんと呼んでくれない?」

「わかった、お母さん!」

「ありがとう…」

後に半蔵はこう語る…それから光影執務室には泣き声が三つ聞こえてきたそうな…

 

三人が泣き止み、一つ一つ質問をしていた。

「お父さん。どうやって僕が息子だってわかったの?」

「昨日検査をしただろう?あの時に身体検査ではなく遺伝子検査をしていた。」

「どうりで…」

「後、なんで内緒にしたかわかる?」

「なんで?お母さん?」

「それは貴方を拾った一族が私の宗家だから厄介極まりないのよ…だからと言って貴方を育てた親を殺すわけにはいかない。それにこの天隠れは血継限界や人柱力…言ってみればそれを保護するのがこの里の役割。たった個人的な理由の為に滅ぼしたりする訳にはいかないよ。」

 

「ふ〜ん、難しいな…そう言えば僕の本当の名前ってなんなの?」

「「(ゲッ!…まずい。決まってないよ。)」」

玄間とシロイはミナトの名前を誘拐されてから考えておらず今焦った。人生のツケというのが今来たと言っていいだろう。そこで二人はアイコンタクトを取る。

「(シロイ!どうするんだ?)」

玄間はシロイに考えを求めた。というか名前を考えてくれ!とでも言いたげだ。

「(そんなこと言われたって…)」

しかし現実は非情ですぐに案も名前も出てこない。

「お父さん?お母さん?」

更に追い打ちをかけるようにミナトが二人のことを呼び、アイコンタクトをやめさせる。

「お前は生まれて間もない時に誘拐された。だから、名前は考えている時にお前は誘拐されてしまった。その上生きている可能性は低いと思ってしまった。だから名前は考えていない。許してくれ…こんな父で。」

玄間はそう謝るとミナトは…

「そっか!じゃ、そんな理由ならしょうがないよね。」

ミナトは笑顔…ではなく落胆し、ショックを受けたような顔をしていた。

「すまない。だがそれにお前は育ての親から貰ったミナトという名前があるじゃないか。だからお前のことはミナトと呼ばせてもらうぞ。」

「いいよ。お父さん、お母さん。」

ミナトがそう言うと玄間は機嫌がよくなり…

「じゃあ、ミナト。これから俺がやる技を身につけろ。」

つい、こう言ってしまった。

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