霧隠れの忍びが一人の少女をさらって行った。その少女は野原リン…つまり、カカシの班の一員だ。しかしそれよりも重要なことが起きていた。その霧隠れの忍びの依頼主は…天隠れの上忍の一人だった。
彼は元々、木の葉の中忍で木の葉に恨みがありその恨みを晴らすべく天隠れへとやってきた。彼の恨みはとんでもないもので執念で天隠れの忍び、それも上忍となってしまうほどである。玄間は彼の腕は買っていたが彼自身は邪魔であった。そのため木の葉に対する汚れ仕事を渡して使えなくなった時に切り捨てる…それに気づいたその上忍は玄間を欺き霧隠れと手を組んだ。
「しかし、良いんですかい?こんなにもらって?」
霧隠れの忍びは余りの金の多さに疑ってしまう。無理もない。5000万両(日本円の価値に換算すると5億円相当)だからだ。奴隷でもよくてその五分の一くらいだろう。
「当たり前だ!(この女に乗っ取ってしまえば俺の安全は確保される…けっけっけ…)」
そう…彼の考えている通り、リンを乗っ取ってしまえば木の葉に戻って復讐AND隠れ蓑になる。彼は大蛇丸のように身体を乗っ取ることが出来る。しかも乗っ取った姿がベースなので変化の術が必要ない。更に自分がそれまで獲得してきた術も継承出来る。まさに外道!と言うべき術を持っている。
「じゃあな…」
天隠れの上忍が金を支払うと霧隠れの忍びは去って行った。
霧隠れの忍びは報酬ががっぽり手に入ると、警戒心をゼロにしていて霧隠れに帰る途中だった。
「ぎゃあ!」
「ぐあっ!」
「なんだどうし…」
そこで目にしたのは先ほど誘拐したリンの姿だった。
「なっ…!貴様!何の…」
何の真似だ!と言う前に殺され、全員その場にいた霧隠れの忍び達は死んだ。
「ふう…さてこいつらの巻物はどこだ?」
その声を発したのはリン…を乗っ取った天隠れの上忍(以下りん)であった。彼は早速リンを乗っ取って霧隠れの忍びから自分の渡した金を奪い取ると言う行動に出たのだ。
「あったあった…これでよし。剥げる物は剥いでおかないとな。」
とそこへ箒を逆さにしたような髪型の子供がりんの元へやってくる。
「リン!無事だったか!?」
そう、はたけカカシだ。彼は罠に嵌ってしまい、リンを目の前でさらわれたのだ。罠を外すのに時間がかかり大幅に遅れてしまったのだ。
「…」
「がはっ…何の真似だ!リン。」
りんは無言でカカシを殴る。いつもの彼ならば殴られもしないのだが、幻術にかかっていないりんに対し、警戒心が甘くなり殴られてしまった。
「死ね!(今こそ、この女の身体がどれだけなじんでいるか確かめさして貰うぞ!)」
りんはカカシを殺しにいく。
「クソ!(俺の知らない幻術にかかっているのか?だとしたら…)写輪眼!」
りんはリンの声で喋っているため、カカシはりんが自分の知らない幻術にかかっていると思い込みオビトから貰った写輪眼を発動する。
「忍法・影分身の術!」
りんは影分身で写輪眼対策をする。写輪眼と言えど多数が相手ならば問題はない。
「(ここは水辺の近くだから行けるか…)水遁・大瀑布の術!」
カカシは原作でこそ火遁や土遁などを使っているが、今の時点では雷の他に水の性質変化を持っており水遁も得意だ。
「なっ…!」
りんはこれに動揺してしまい溺れた。そして、カカシはその術をやめてりんを助けた…
「でやぁ!」
「ぐぅ…!」
りんのアッパーカットがカカシにあたり、猛烈なダメージがカカシにくる。
「死ね!」
りんはそれに戸惑うことなくクナイを持ってカカシを殺しにかかった。
「雷切!」
りんが何が起こったのかわからなかった。胸を見てみるとカカシの腕がりんの心臓を貫いていた。何故こんなことになったのか…実はりんがカカシを仕留めるためにクナイを持ったことが仇となった。カカシがとっさに反応してりんの心臓を貫いた…というわけだ。そしてりんがリンとなった。
「カカシ…ごめん…」
最後にリンはこの言葉を送り、死んだ。そして、カカシもチャクラの使いすぎで意識を失った。
「どうやら仲間割れは終わったようだな。」
そこにやってきたのは霧隠れの忍びだ。先ほど誘拐した霧隠れの忍びから返答がなかったため大人数でやってきた…
「こいつの首とって荷物でも追い剥ぎましょう。」
「そうだな…じゃあな坊主。恨むんなら自分の運命に恨むんだな。」
霧隠れの忍びがカカシを殺しにかかると…
「うおおおお!」
叫び声が聞こえ、そしてその元は…仮面をしていた男だった。
「なんだ!?殺せ!!」
霧隠れの忍び達のリーダーらしき男が仮面の男を殺すように命じた。
グサリ…
今、そのリーダーの状況に似合う音が聞こえた。仮面の男が霧隠れのリーダーらしき忍びを刺した。それも手から木で。この術は『木遁・挿し木の術』といい触れた相手を木で刺し殺す術だ。
そんなことを続けて仮面の男は霧隠れの忍び達を全滅した。その仮面の男はリンとカカシに近づき…
「リン…カカシ…」
とつぶやく…
パン、パン、パン!
そこに空気の読めない音が聞こえた。
「見事だ…木遁使いの小僧。」
威厳たっぷりに現れたのは黄色い閃光と呼ばれる波風ミナトと同じの金髪の男…だがミナトとは違い、雰囲気が優男とは言えずに渋く威厳がある。
「誰だ!」
仮面の男は警戒する…それしかできなかった。先ほどチャクラを使ったというのもあるが、この金髪の男の前ではチャクラが回復しても無力だと思ってしまうほど実力があると感じてしまったからだ。
「人に名前を聞く時は自分から名乗り出るものじゃないか?」
「うちはオビト…今度はそっちの番だ。」
仮面の男…いやオビトはその雰囲気に飲まれてしまい本名で言ってしまった。
「そうか…木の葉のうちは一族の者か…」
「答えろ!お前は誰なんだ!?」
オビトはせめて、名前を聞くことにした。いや成功させたと言うべきだろう。ほとんどの忍びはその男に対して名前を聞くことすら忘れてしまうほどに雰囲気に飲まれてしまう。
「俺の名前は千手玄間だ。」
そう…光影の千手玄間だ。
「千手玄間だと…!」
「やはり、知っているか。」
「馬鹿な!なんであんたがここに!?あんたは光影だろう?!何のためにここに用事がある。」
「…それにはお前も関わる事情があるだろう。その銀髪と少女はお前と何かしら関係があるのか?」
「あるが…」
「そうか、事情に関わることになるな…実は俺の里から抜け忍が出ていてな。抜け忍はその少女に憑依したのだろう。」
「なっ…!」
「確信は出来ないがな。その抜け忍は俺から隠れるためにその少女に憑依して木の葉に行こうと考えた…もしそこの銀髪が殺していなかったら木の葉は終わっていた。(俺の計画もろともな…)」
「何でだ?」
「その抜け忍は木の葉に対して恨みを持っていた。しかもかなりな。」
「…」
「だからこうして直々に取り戻しにきた訳だ。」
「そういうことか。」
「しかし、あんたは木の葉を滅ぼすのに反対なんだ?」
「ん?木の葉のうちは一族が天隠れに来ようとしている。だが、役割を果たしてもらってから天隠れに来るようにしている。だから戦争中にきても困る。」
「役割…?」
「さあな…そこまでは教えられないな。だが大御所様に味方するのなら教えよう。」
「わかった…味方をしよう…話しは大御所のアジトで話しをしよう。」
こうして玄間はオビトを仲間にした。