ヤヨイ達が異世界で頑張っている頃…玄間はシロイと組手をしていた。
シロイが印を組み、術を発動させる…
「忍法・亜空切断!」
玄間はひらりとよけ、躱す。
「どうした?シロイ。お前の実力はそんなものじゃないはずだろ?」
「当然!まだ手加減しているとはいえ貴方に一撃を入れるのが今の目標だから!」
それもそのはず。玄間はいつもシロイ相手に攻撃をしておらずただ躱し、最後にスタミナ切れを狙いトドメを刺す…それが玄間の今の修行だ。
「そうか…なら口だけじゃなく俺に一撃を与えてみろ。」
「う…わかっているわ。そんなこと。(最後に一撃必殺のアレをやるしかないわね…)」
「さあ来い!」
「忍法・冥道満月!」
シロイの出した術はミニブラックホールで敵を異世界に追放する技だ。ブラックホールは光すらも吸収し逃げられないから存在が怪しまれるが、確実に言えるのは直視ができない…
「おいおい…これは無理だろ…」
流石の玄間もそれをよけきれず、異世界へとむかった。
「やった!玄間に一撃を与えた!」
しかし、それに気づくことなくシロイは喜んだがしばらくして玄間の反応が無い事からとんでもないことをしたと後悔したが…後で玄間が戻ると確信し放置した。
~異世界~
大魔王バーンと竜の騎士ダイが決闘をしている頃…
「バーン様、御許し下さい…許可を得ずこの姿になったことを…」
ミストバーンがそう言うと周りはどよめく…
「あれが…ミストバーンの正体?」
「随分若い姿だな…」
ミストバーンは長年顔を隠してきたためブサイクな中年男かと思われたが実際にはかなりのイケメンで顔を隠す必要性がまったく無いほどだ。それなのに周りはわざわざ隠すことに疑問を持つ。
しかし、より驚愕の事が起きた。
「…!なんだこの闘気は!?バランは死んだはず!!」
ミストバーンが驚いたのは自分が始末したバランの闘気がいきなり現れたからだ。
「これはバラン様!?…いや、それ以上の…!」
それに続き、魔族の青年ラーハルトが驚く。何しろ自分の主であるバランが復活したのだ。驚くのも無理は無い。
「いや、僅かに匂いが違う…ダイでもなく、バランでもない…誰なんだ!?」
リザードマンのクロコダインが鼻を使い、バランでないと判断する。
「出てこい!」
ミストバーンがそう言うと、上から現れた。
「やれやれ、面倒なことに巻き込みやがって…」
それに対応したのは金髪の大柄な男だった。
「あんた、誰?」
その場にいたヒムが鼻水を垂らし、その男に質問した。
「俺か…俺は…異世界の竜の騎士とでも思ってくれればいい。」
「竜の騎士だと!?」
「ああ、そうだ。証拠を見るか?」
そう言うと男は額の竜の紋章を見せた。
「本当だ…だが何故お前はここにいるんだ?そして名前は?」
「いい質問だ。俺の名前は千手玄間。」
ここでクロコダインが質問し男は冷静に答える。
「まあ、ここにいるのは訳ありの事情だ。察してくれ。」
「そうか…では、俺達の味方なのか?」
「…まあ、とりあえず今回はそうさせてもらう。暇だしな。」
玄間はそれだけ言ってミストバーンの前に立ち塞がる。
「私を舐めているのか…?」
「舐めているのはそっちだ!」
玄間はミストバーンの腹を殴る。
「…!」
ミストバーンは身体をくの字に曲げ吹っ飛ばされた。
「(厄介な…あれを使うか。)」
玄間はミストバーンを殴り違和感を感じた。その違和感とは…
「(封印されたまま動くとは本当にどんな構造になってるのか不思議だ。)」
封印をされたまま動くという矛盾だ。通常、生き物が封印されたら絶対に動けないというのがそれだ。いや寧ろ動けなくさせるのが封印である。
だがミストバーンは封印されたまま動くということをやっているのだ。これを矛盾以外になんと言えるだろう。故に…玄間が取った行動とは…
「いてつく波動!」
封印を解いた。
「なっ…!馬鹿な…封印が…!封印が解ける!バーン様ー!!」
これにミストバーンは大焦り、もうパニックというのも言えないくらい酷い混乱ぶりだ。
〜決闘場〜
まぁー!…
「…!ミストか。この忙しい時に…!」
ミストバーンが最後に叫んだ声がバーンに聞こえたのかバーンも焦る。
「そっちも本気を出したらどうだ?もう後がないぞ!大魔王!」
ダイこと、この世界の竜の騎士がバーンにそういい追い詰める。
「ふ…ははは!」
「何がおかしい!!」
いきなりバーンは笑いだし、ダイは笑ったことに怒った。
「何、余の本気を出した姿にお前の余裕がどこまで保てるかと思うとつい笑ってしまった。」
「なんだって?」
「お前は余の若い頃の姿を知らぬからそんなことが言えるのだ。」
確かに、バーンは今老人の姿をして戦っており苦戦している。全盛期ならばダイを逆に苦戦させることは訳ない。
「過去は過去、今は今だ。過去のお前に勝てなくとも今のお前なら勝てるさ。」
そのことにダイはバーンが自慢話をしていると思いバッサリと話を切り捨てる。
「ではその過去の姿に戻るとしよう…」
そして、バーンが元の若い姿に戻り遂に戦いが始まる…
「さあ…戦いを始め…グフッ!」
バーンがダイに宣戦布告をやろうとしたとき…何かがバーンの心臓の一つを貫いていた。
「フン…ミストバーンめ。俺ごと移動させたか…」
そのセリフとともに額に竜の紋章を持った男はバーンの身体から手を引き抜き、血を払う。
「え!?俺と同じ竜の騎士!?」
そう、千手玄間だ。彼は何故ここにいるのか説明しよう…
〜回想〜
「バーン様ー!」
ミストバーンが絶叫し、バーンに助けを求めた。
「うるせえ!」
しかし、現実は非情に玄間がバーンの身体を攻撃し始めた。
「くっ…!」
しかし、流石に何千年も生きてきたのかすぐさま冷静になり、なんとか玄間の攻撃をかわす。
「地獄突き一本貫手!」
だが、玄間は雷遁と竜闘気を纏いバーンの身体の心臓の一つを突き刺しにかかる。
「させん!」
ミストバーンが取った行動は転送だった。これ以上バーンの身体を傷つける訳には行かないので許可を取らずにバーンに返却したのだ。
「何っ!?」
しかし玄間の攻撃がギリギリ間に合い玄間ごと転送された。
〜回想終了〜
「何者だ…貴様は!」
「俺は異世界の竜の騎士だ。お前を討伐して元の世界に帰りに来た。」
「余を討伐だと…?簡単に言ってくれるな小僧。」
「簡単なんだからそうだろ?」
「余を舐めるな!カイザーフェニックス!」
バーンがメラゾーマを放ち、玄間に襲いかかる。バーンのメラは通常の魔王級のメラゾーマよりも上…つまり今放ったメラゾーマは最強の魔法だ。
「やれやれ…風遁・ミニ突破の術!」
しかし、相手が悪かった。玄間は火と相性が悪い風遁でカイザーフェニックスをかき消したのだ。しかも戦闘用としてはかなり弱い風で。
「ば、馬鹿な…余のカイザーフェニックスが…!」
「これで終わりか?」
「ふふふ…そこまでやるなら仕方ない。余の最大奥義を受けてみろ…さあこい!」
バーンはそう言うととある構えを取った。
「面白い!行くぞ…!七観場の奥義『鉈の刃』!」
玄間はバーンに七観場の奥義を放つ…
「フェニックスウイン…」
ザクッ!!
この音はバーンがダメージを受けた音である。本来ならバーンはダメージを受けずに弾き返すはずだったが何故か弾き返さずに玄間の奥義にやられたのだ。
「(馬鹿な!余のフェニックスウイングが通じない!?)カラミティエンド!」
バーンはそのことに動揺するもすぐにオリハルコンですら真っ二つにするカラミティエンドを放つ。
「地獄突き一本貫手!」
玄間はバーンのカラミティエンドを放った腕を目掛けて…腕をもいだ。
「グッ…!カイザーフェニックス!」
バーンは最後の悪あがきに先ほど放ったカイザーフェニックスを放つ。
「七観場の奥義『皇帝不死鳥』」
しかし、玄間はそれ以上の技『皇帝不死鳥』を放ち、カイザーフェニックスを飲み込み…そのままバーンに向かった。
「馬鹿なァァァー!」
バーンはチリとなり消え去った。
「これで俺の役目も終わりだ。さらばこの世界の竜の騎士よ。」
そしてそのまま玄間は立ち去った。
むちゃくちゃなことになった気がしますが後悔はしませんよ?