復活信者の転生ログ。   作:夢いろは

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お久しぶりです。やっと書けた・・・!

かなりの難産でした。

上中下の上です。



どうでもいいけど転スラのアニメの作画がちょっとイメージと違った。





No.10 少女は世界の残酷さを知る。上

 

騒音が聞こえる。

 

あれは大量のオーク供の足音だ。

 

あれはやられたオーガ達の絶叫だ。

 

あれはオークを率いるピエロの嗤い声だ。

 

 

それは、開演を待ちわびた観客の拍手に似ていて。

 

 

 

 

『さぁ、君の運命はどんな未来を紡ぐのかな?』

 

 

 

 

一体、誰の声だったか、決して思い出せやしないけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇ ◇ ◇

 

 

 

 

 

その日はたまたま修行が休みの日で、私は姫様と紫髪ちゃんと遊んでいた。

 

その日が来る、というのはとっくの昔にわかっていて、その日を迎える覚悟も出来てて。

だから、普段は聞こえないはずの音がしても、私は驚かなかった。

 

里の中心に設置された高台の鐘の音。

それは、紛れも無い「敵襲」の合図だ。

 

 

 

「敵襲〜!!オークの大群が押し寄せてくるぞ!!!」

 

 

 

遂に、来た。

最近は肌身離さず持っていた双剣に手をかけ周囲を見回す。

 

 

 

「て、敵襲??」

「オークって、確かオーガよりランクは下、ですよね?」

「そのはずだけど・・・」

「もしかして、やられに来たんですかね?姐さんの言うMってやつですか?」

「わからないわ。でも、何の勝算もなく大群で押し寄せて来るものかしら?」

 

 

 

二人とも混乱してるね。

出来るだけ早く逃してあげたいけど、さて・・・。

 

 

 

「私は里の様子を見てきます。だから二人は安全な所へ避難を」

「何を言っているのですか!?私はオーガの姫です、今こそ前線でのその責務を果たす時で」

「姫様だから、だよ。万が一のことがあった時、姫様にまで何かあったら困るからね。・・・私達オーガのこれからのために、姫様は逃げるんだ」

「・・・」

 

 

 

納得はできずとも理解はしたらしい姫様に笑いかけ、最後に紫髪ちゃんに「姫様をちゃんと守ってあげてね。 大丈夫だって信じてるから」とだけ言ってその場を駆け出した。

 

後ろから「姐さんも気をつけてー!」と叫ぶ声がした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇ ◇ ◇

 

 

 

 

 

走る。

 

いつの間にか村に火を放たれたらしく、周りはひたすら真っ赤である。

 

空気が重い。予想以上にオークの数がが多くてなかなか前に進めない・・・。

 

弟は、師匠は、若サマはどこ?

早く見つけて逃げなきゃ。

絶対守るって決めたんだから・・・!

 

オーク供に見つからないように身を隠しながら進む。

 

 

「父ちゃんを離せ!!!」

 

 

 

知ってる声だった。

 

声のした方を見る。

 

 

 

黒い髪。白い二本の短い角。少しくたびれた様に見えるおじさん顔。

 

後の黒兵衛だ。彼が大きなハンマーの様なものを構えている。

 

 

「なにをしてるべさ!早く、にげろ・・・!!」

 

 

 

てことは・・・あのオークに捕まってるのは・・・

 

 

 

 

 

 

『ほ~っ。目標高くていいんでねぇべか。これからも頑張れよ!で、今日の依頼はなんだべ?』

 

 

 

 

 

黒好きのおじさんだ・・・!!

 

 

 

助けに行こう、と思った。

そして、足を踏み出そうとして。

 

 

 

 

 

 

 

思い出しちゃったんだ。

 

 

 

黒好きのおじさんは助けられないってこと。

 

 

 

 

 

 

 

黒好きのおじさんなんてキャラ、原作には出てこない。

てことは、原作で彼はここで死ぬことになってるってわけで。

 

目の前が真っ暗になった気がした。

 

 

 

どうして、大丈夫だなんて思ってたんだろう。

 

みんなは私が守る?またみんなで笑おうって?

 

 

 

 

 

そのみんなは、一体誰だ。

 

 

 

 

 

弟だ。若サマだ。姫様だ。紫髪ちゃんだ。師匠だ。クロベエだ。

 

 

 

 

 

それ以外のことは、全く考えてなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『原作知識=最善』だなんて、一体誰が言ったんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

黒好きのおじさんを助けに行ったら、原作通りに進むことはなくなるかもしれない。

原作で助かるみんなも死んじゃう可能性が出てくる?

でも、じゃあ、わたしは、おじさんを見殺しにするのか?

私の刀を作ってくれたんだ、私に笑いかけてくれたんだ。

そんな彼を、見捨ててーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・ーーー父ちゃん!!!死ぬな!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーー時雨蒼燕流、攻式三の型。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・遣らずの雨!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

立ち止まってた所からの、一歩。

やっぱり、見捨てられない。

見捨てたくない。

せっかく手に入れた第2の人生。

誰もが認めるハッピーエンドを目指したっていいじゃないか。

原作?いいや、私が目指したいのは、原作以上。

 

 

より良い未来を、寄越せ。

 

 

 

涙を溜めた目を見開いた後のクロベエを尻目に飛び出した。

先程放った刀は、おじさんを捕まえていたオークの左肩を貫いた。

さらにそこから首を狙ってもう一本の刀を構える。

 

 

 

「ああああああぁあぁぁぁぁぁあああ!!!」

 

 

 

時雨蒼燕流 攻式八の型 篠突く雨!!!

 

 

 

懐に飛び込み、一気に切り裂く。

血を流しながら、オークは倒れた。

その際に捕まえていた黒好きおじさんを手放して。

 

 

 

 

『君なら、きっとそうすると思ってたよ。流石、僕が選んだ子だ』

 

 

 

 

 

『けど・・・ごめんね』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『いくら僕でも、運命を変えることは不可能だ』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

取り戻したおじさんには、右の手足が無かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『これが運命。これが定めだ。でも、敢えて言うならーーー君は少し、遅すぎた』

 

 

 

 

 




中に続く!
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