IS×FA 遥かな空を俺はブキヤで目指す   作:DOM

22 / 70
はい、サブタイトルは巫山戯てますが…内容はシリアスです。
暗めです。ちょっとアレな内容もあるので嫌な予感した人は戻ってどうぞ。

では、どうぞ御ゆるりと。


IS×FA21ss:('∇^d) ナイス☆!!トゥーミーチュー!!

 私たちには分からない闇の世界があると言う。

 暴力と凄惨で死に満ちる世界が、ほんのズレた所にあると言う。

 表では平和に見えてもその裏では一体何が蠢いているのだろうか。

 

 

 千冬は事件が起きたアリーナの映像記録を何度も見返していた。異形のIS、いやIS()()()()()。現段階でのISの常識が通用しない謎の機械である。

 ここは学園の地下50メートル、その場所はレベル4権限を持つものしか入れない隠された空間であった。その空間にその主となっていた千冬の断りを入れ、山田先生が入ってきた。彼女の用事は謎の機体の解析結果を伝えるためである。

 

「あの機体の解析結果がでました。その結果は無人機であると判断されました」

 

「そうか、ご苦労だった」

 

 無人機-まだ世界中で確立していない技術。遠隔操作(リモートコントロール)独立稼働(スタンドアローン)はたまた両方か、そんな技術があの機体に使われている。その事実は、すぐさま学園関係者全員に箝口令が敷かれるほどだった。

 そのような思考を千冬は繰り広げている間にも彼女からの報告は続いていた。

 

「どのような方法で動いていたかは不明です。織斑くん達の止めの攻撃で

 機能中枢が焼ききれていました。修復も、おそらく不可能だと…

 ただし、不可解な点が多いのも事実です」

 

「なに?」

 

 千冬は山田先生の報告はほぼ予測通りであったが、不可解な点というのが気に掛かり反射的に聞き返した。

 

「中枢と思われる部分が二つあったんです。

 ISコアらしきモノと情報保全の為でしょうか?自壊した有機型コンピュータらしき物が」

 

「成る程、それは不可解だな。ISにはコア1つあれば十全に動く。

 わざわざ複数付ける必要がない」

 

「はい、コアはコアらしくなく。コンピュータの方は…

 言いたくないんですが「脳細胞のようだった…だろ」はい…!?」

 

「誰だ!」

 

 山田先生の言いよどんだセリフを続けるように声が被せられた。その内容に意気消沈している彼女だったが…すぐに第三者の声に驚く。千冬もその声に身構え正体を問いただした。

 声の質からすると男性で方向は出入り口の方である。二人共そちらに目を向けるとこの場に居てはいけない人物が居た。

 

「えっ、え!?何で此処に居るんですか!」

 

「どうやって入ってきた…十千屋!!」

 

「無断侵入は謝ります。あまり聞かれたくない情報を持ってきたので、

 期を見て潜り込ませてもらいました。あと、セキュリティを見直したほうがいいみたいです。

 セキュリティ・ホール(抜け穴・裏口)が結構見つかりましたよ」

 

 その人物とは、十千屋であった。謝罪の意思を感じる声色で彼女らの席の近くに近づいてくる。しかし、ある程度近づいたらそこで千冬が押しとどめた。その目には敵意や不信感を感じさせる。

 

「それ以上近づくな、もし近づくのであれば・・・」

 

「分かってます。ここら辺であれば距離としても十分です。聞かれる前にお伝えします。

 私の目的は今回の件の情報の共有とさきほど言いましたけど、他の件も含めての謝罪です」

 

「他の件・・・ですか?」

 

「私達にとっては事後承諾である《偽情報での釣り》の件の事か」

 

「はい、それに関しての謝罪は私と・・・もう一名居ります」

 

「もう1名、誰のことなんでしょうか?」

 

『('∇^d) ナイス☆!!トゥーミーチュー!!マイッベストフレンド!ちーちゃぁあん!!

 束さんこと篠ノ之束さぁんっだぁよぉお!!』

 

 「「ブゥッ!?!」」

 

 十千屋は何時もの見えない表情で苦笑しながら目的を話す。その話の中で不可解なことを言いだした。今この場にいるのは3人だけ、それなのに1人だけの彼は謝罪を述べるのはもう1人居ると言いだしたのだ。

 その事で首を傾げていた教師組であったが、彼が何処からか取り出した肖像画くらいある巨大なタブレットから一番ありえない声が響いた。声の主は篠ノ之束-千冬と同じく世界を変えた人物で、世界中から狙われ行方を晦ました大()()、千冬にとっては親友(腐れ縁)である女性だ。

 余りにも意外と言うか有り得ない人物の登場に教師組はつい吹いてしまう。十千屋はその様子に諦めた雰囲気を醸し出し、巨大タブレットを遺影のように持っていた。

 

「映像は通信だろうが・・・なぜこの場にいる束!それよりも・・・十千屋っ、

 コイツとはどんな関係だ!?」

 

『工エエェェ(´д`)ェェエエ工、コイツ扱いは酷くないちーちゃん。大親友の束さんだよ~?

 あと、とーちゃんとは技術者としての縁から始まったヌップリと深い関係だよぉ』

 

「あの、織斑先生・・・篠ノ之博士にツッコミを入れるのを後にして貰って良いですか?

 このままだとコントが続きそうな予感が」

 

「まてっ、これだけは聞かせろ。技術者としてと言ったな。それはどんな意味だ」

 

『あー、ISとFAって実は人間で言うと血縁関係と言うか、

 最低でも一緒の家系図に載ってるような関係なんだよ』

 

「おい、初めて聞いたぞ束」

 

『(・3・) アルェー?ちーちゃんに・・・そういや教えたことなかったっけ( ̄▽ ̄;)』

 

 そこから始まった束が語るISとFAの関係の一端、ISとFAは同じ心臓(エンジン)を持つ兄弟である。ISはコア、FAはユビキタス(U)エネルギー(E)・システムという超小型・高効率のエネルギーシステムが心臓部となっている。

 その原材料は十千屋が幼すぎる頃に発見した(チートによるシミュレーション結果)《T結晶(クリスタル)》と言われるものだ。これは結晶配列によって攻防様々な特性を持たせることができるのだ。それを使っているために束はISとFAを血縁関係と言ったのである。

 今まで隠れていた事実に教師組は驚愕する。それが事実であるならばISもFAも同じようなものではないかという事だ。しかし、今はそこを論議する時ではない。

 

「くっ、色々と聞きたい事は山ほどあるがお前らの用件とやらを先に済まさなねばならないか」

 

「はい、お手数をおかけいたしますが、ありがとうございます。」

 

『流石ちーちゃん、イケメ~ン(*´ω`*)』

 

「(耐えろ堪えろ耐えろ、今は我慢の時だ・・・私!)」

 

「あ、あははは・・・」

 

 さてようやく軌道修正され、本件が始まった。十千屋の謝罪はまず、偽情報の作戦はどうしても秘密裏に進めなくてはならなかった事とアリーナ側の襲撃がイレギュラー(想定外)だった事だ。

 本来であれば、十千屋の試合の時に束が作ったISを襲撃させこの学園の・・・特に学生の危機感と現実を煽る予定であった。そう思わせたのはIS学園の生徒たちのISへの認識だ。

 上の学年や代表と候補生などはISの現状-兵器としての認識を持っているが、今年入ってきた新入生はその認識がほぼ無い。ISをエリートの証だったり、とても素敵で無敵なコスチューム扱いだ。

 その事実に彼はどうにかした方がいいと考え、理事長と相談し今回の作戦に踏み切った。ついでに不穏分子を釣り上げる一石二鳥の作戦のつもりであったのだが、嘘から出た真・・・本当に襲撃が起こってしまったのである。

 しかも・・・

 

『いや~待機していた束さんのISで5機中2機を食い止めなかったら危なかったよ~( ̄◇ ̄;)』

 

「しかも、それを鹵獲して調べると・・・こちらの奪われたUEシステムとその劣化版、

 そして篠ノ之博士の超劣化ISコアが出てくるんですから。あ、非人道システムもあった」

 

「おい、聞き捨てならん単語が次々と出ているのだが・・・」

 

「え、アレがもっといたんですか?あれ、超劣化コア?へ、奪われていたUEシステム!?!?

 うぇ?えぇ!?」

 

 次々と明らかになる、あからさまにヤバイ情報のせいで教師組は頭を抱えたくなる。実際に山田先生は話についていけなくなっている。

 順に整理してゆこう。謎の機体は本当は5体あり、それうち束が2体押しとどめた。次に謎の機体の正体を調べると彼女や十千屋にとって自ら処分するべき内容が膨大に含まれていた、ということである。

 

 奪われていたUEシステムは出荷後のFAなどから盗られたものだろう。そして、その劣化版は文字通りだが十千屋が仕掛けた保全仕様で完全なコピーができないように仕組まれている。

 UEシステムは半永久エネルギー機関の側面もあるので、彼が仕込みを入れたのは決して間違いではない。今の世界では色々と問題がある内容ゆえにだ。ちなみに他国向けのFA-UEシステムは最高出力を意図的に下げて販売してもいる。

 

 超劣化ISコアとは、束が資金繰りに困ったときに裏社会にバラ撒いた品である。別にハッキングなどで自らの資金を増やしても良かったが、面倒だったので欲しがる連中にかなり吹っかけて売ったのだ。

 元々、劣化コアは束が正規コアをどれだけ手を抜いてローコストで作れるか片手間で試したものだ。結果は自意識無し、進化なし、シールド不安定、PIC関係の力場発生機能はあるが何とか浮くくらい、しかもエネルギーはバカ食いするわ排熱は高いわ個体差が酷いわで散々な結果となった。

 だが、消費エネルギーと排熱問題をなんとかすればISモドキを作れる可能性があり、さらに超劣化の劣化だったらコアが作れるかも知れない出来であったのだ。その仕様に様々な裏組織が飛びつき最高値を争って買っていったのである。

 

 最後の話題の非人道的システムは、十千屋側から漏れ出したものだ。彼が個人的に集め、直属の部下として研究させている科学者(マッドサイエンティスト)が集まった研究施設、彼が魔窟(パンデモニウム)と呼んでいる場所から出たものである。

 その名はアレゴリー(A)マニュピレイト(M)システム(S)という。阿頼耶識システムと似たような神経ブッ込み型のシステムだが、こちらは機械から脳へ送られる信号を情報として処理できるという特殊な才能「AMS適性」が必要であり、阿頼耶識よりも複雑な他システムが必要である。

 そのシステムと伝達経路を表すと、人体に増設されたAMS→ 統合制御システムであるIRS→  専用制御システムFRS→ アクチュエータ複雑系ACS→ スラスター:モーター:バランサー と、やたら複雑で自らの体と認識する阿頼耶識に対して、こちらは機械の超絶技巧の連携で人間が望む複雑な動きを再現するシステムと言っていいだろう。

 このシステムが考え出された時にはもうすでに阿頼耶識システムが実施試験だけとなっていたのでボツとなった。が、その情報がどこかへと引き上げられた結果が今回使われたモノである。

 

 そして、これらをぶち込んで作られたのが謎の機体という訳である。

 

「くぅっ、まったく頭が痛い仕様だな」

 

「こっちはお腹が痛くなってきましたよぉ」

 

「最大の問題は未だ言っていないのですが」

 

「「まだあるのか(んですかぁ)っ!?」」

 

『さっきメガネ爆乳が言っていた《有機型コンピュータ》の事だよ』

 

 そう、今までの内容ではエネルギーユニットやその制御装置などしか出てきてない。肝心なそれらを動かす指示を与える演算ユニットが出てきてないのだ。

 謎の機体に搭載されている《有機型コンピュータ》・・・嫌な予感しかしない。

 

「先程も言ったとおり《脳細胞のようだった…》ではなく、本当に人間の脳が使われていました」

 

『そうそう、鹵獲した一体はブッ壊して手に入れんだけど、もう一体は手足をブチ切って

 手に入れたから自壊プログラムが働かなったから詳しく調べられたんだよ』

 

「その結果、脳細胞の状態からすると人間の・・・子供の脳だと分かりました」

 

「「・・・・・・っ!?」」

 

『正確には10~12歳くらいの子供だね。この時期は一番脳が良い状態だから、

 演算ユニットに仕立て上げるのにはちょうどいいのかも』

 

 今までで一番、ショッキングな事実に教師組は動揺する。千冬は握りコブシを震わせ山田先生は嘔吐きかかった。人の良識と倫理からすれば絶対許せない所業の塊、それがあの機体だ。

 山田先生は何とか気を取り戻すと束にある事を聞こうとした。

 

「あ、あの・・・篠ノ之博士・・・」

 

『うっ、ちょっとタンマo(TヘTo)』

 

「へ?」

 

 

《しばらくお待ちください》

 

 聞こうとしたが、束の顔色がうって変わり口を押さえて画面から消えるとウサギが走る動画に《しばらくお待ちください》のテロップが映り、3分くらいたったら彼女が戻ってきた。

 

「束・・・お前が体調を崩すとはな、明日は異常気象でも起こるのか?」

 

『ちーちゃんヒドイ(´ε`;) 束さんは確かに細胞レベルからスーパーハイスペックだけど、

 一応ちーちゃんととーちゃんと同じ人間なんだらか良くない時だってあるよ。

 ちーちゃんだって束さんと比べてアノ日が重かったよね?』

 

「よし束…斬る」

 

「「織斑先生!気持ちは分かりますが落ち着いて!?」」

 

「ちっ、山田先生…続きをどうぞ」

 

 束の不適切な発言にキレ掛かる千冬であったが、残る二人に押し止められ舌打ちしながら山田先生に続きを促した。

 

「え、ええと、一体だけ無事だったんですよね?何とか助けてあげられないんですか」

 

『助けるって…あの脳みそを?』

 

「は、はい!」

 

『ん~、確かに脳さえ無事だったら、

 束さんと魔窟の連中でアンドロイドの体作ったりとかできるけど…無駄だね』

 

「そんな!何とかしてあげられないんですか!?」

 

『あ~、メガネホルスタイン。もしかして勘違いしてない?

 あの脳みそはもうある意味人として死んでるんだけど』

 

「え…?」

 

「はい、篠ノ之さんの言うとおり…演算ユニットにされた脳を調べた結果、

 人格が崩壊しており人としては死んでいたんです」

 

『戦闘機械に仕立て上げた洗脳プログラムに侵食されてない部分を引っ張ってきたんだけどさ。

助けてとか 死にたいとか 殺してとか そんな事を永遠と呟いてこっちに全く反応しないんだもん。回復の余地無し(`ФωФ') カッ』

 

「そ、そんな…」

 

 処置の余地なし、この事実に山田先生の瞳から涙が零れる。優しい彼女にとって子供がただの兵器の部品として使われるという事実は許しがたいものであった。せめて何とかしてあげたいと思い束に頼んでみたがそれは無駄に終わった。

 唯一できるのは救う(殺す)事、一つの生命体として生きられないのであれば悪夢を終わらせてあげる事が唯一の救いだろう。

 泣き崩れそうになる彼女を千冬が支えてある事を十千屋に聞く。

 

「十千屋、お前の方はこちらよりもより調べられたのだな。

 ならば、コイツらを寄越した者ないし組織を調べられたのか」

 

「それは分かりません、それに繋がる情報は取れませんでした。」

 

「そうか…」

 

「ただ、調査した過程で裏社会はいま大きく揺れ動いている事が分かりました」

 

『烏合の衆が集まったり、食べて大きくなったりねぇ』

 

「そうか…いずれ近いうちに何かが起こるのかもしれんな」

 

 今回、唯一分かった事はコレが始まりに過ぎないという事であった。裏で動くうねりはやがて表にも伝わっていく、その時には何が起こるのだろうか。

 その時に中心にあるだろうものはISと十千屋、そして一夏だろう。

 

 

 その一夏なのだが…

 

「わ、私が優勝したら―――つ、付き合ってもらう!」

 

「……はい?」

 

 乙女の宣戦布告に、何が起こって何を言われてるのか分からないという感じでマヌケ面をして答えていたのであった。

 




はい、今回は教師側と言うか裏側だったのでほぼシリアスでした。
ハッチャけた口調がデフォな天災がいなければ途轍もなく重い雰囲気になっていたかもしれません(汗

そして、ようやく…次の誰が待ったか待ち望んたか知りませんが、たっちゃんの濡れ場予定が終われば『二人目の幼馴染編』は終了します。
長かった…次のも合わせると、13話分かかったorz
あ、次の話で濡れ場っぽいのは、たっちゃんの一人称で書くつもりです。
あの、テレビとかであった曇りガラス越しの語り…みたいな感じで。

あと、六話であとがきで言っていた。
『原作ヒロイン勢の各ルートへは絶対に成らないつもり~』
が、「あれは嘘だ」になりそうです…
十千屋ファミリーに組みする事になると攻略要因になってしまうので…もし、ダメだと思ったら意見を下さい。(´Д`;)

では、今回は此処まででございます。

そして、感想や誤字脱字・ここが文的におかしい等のご報告も謹んで承ります。
では、もし宜しければ次回お会いしましょう。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。