今回で『学年別トーナメント編』のバトル部位が終了です。
注意事項として、一万文字を突破してしまいましたので・・・お時間がある時にどうぞ。
では、どうぞ御ゆるりと。
もし汝の兄弟、罪を犯さば、これを戒しめよ。もし悔改めなば之をゆるせ。
イエス 「新約聖書-ルカ伝十七章三節」
ベスト8も、もう終盤戦。
この十千屋&ラウラペア 対 一般生徒ペアが終わればベスト4となる。
しかも、ベスト4では今までで有り得ないぐらいの専用機密集戦となっているのでサクサクと
実力や機体性能差からほぼ勝ち確な十千屋とラウラであるが、自信はあっても奢りはない。
特に十千屋は実質被ダメージSEが極端に少なくなっているので、致命傷をもらわない為にも気を引き締める。
両ペアとも開始位置に着き、いつでも始められる状態となった。
しかし、相手ペアの様子が少し変である。ブツブツと呟き、目も虚ろな感じだ。
だが、心配になるほど挙動不審ではなく、初戦の惨劇のせいでそれ以降の対戦相手ペアがこう
なるのは度々あった。
今回も、これからの戦いへの恐怖とプレッシャーに圧されているだけだろうと安易に十千屋達は判断してしまう。
もっと相手の状態が分かれば・・・・この後の悲劇はなかったかもしれない。
試合開始の合図が響き両者とも動き出す。だが、何かかがおかしい・・・相手ペアはラウラには
目もくれず十千屋に襲い掛かり、彼の方は動かなかった。
そして、動かなかったのではなく
「死んじゃえぇぇえーー!!」
ザシュッ!! ガゥンゥウ・・・!!
「・・・!?がっ・・・ぁ!!!」
ブレードで襲いかかってきた方の相手の凶刃が彼の脇腹を切り裂き、ライフルを使って来た相手の兇弾は彼の左膝を砕き抜いた。
空中で二箇所から鮮血を撒き散らしながら下へと落ちてゆく十千屋は、地面に叩きつけられた
衝撃により二~三回バウンドした後に動かなくなり・・・そこで、血だまりを作る。
「お、おやっさぁあーーん!!」
様々な有害宇宙線を防ぎ、音速を超えるデブリを防ぐ。
防ぎきる、との事だ。
だから、あんなふうに撃ち貫かれ、切り裂かれ、血飛沫が舞い墜ちる事など・・・絶対に
ラウラの絶叫から数拍後、その事を理解し目の前の惨状を把握した観客たちに衝撃が走った。
「うぁああああ!?」
「きゃぁあああ!?」
観客の悲鳴と絶叫が
十千屋を切り裂き、墜とした生徒は呆然としている。彼女の手に持つブレードの切っ先には血が付着しており、何故か正眼の構えをしていた為に手元にその血が伝わってきた。
「おい!貴様!!一体何をした!!!」
「・・・ナキャ・・・シナイト・・・シテ」
「貴様っ、聞いているのか!!」
その呆然とした生徒にラウラがくいかかるが、目の焦点が合わず手に持つブレードは震え、
何かを上擦いている。
そんな状態なので彼女は生徒の肩を掴もうとした時、生徒は彼女をすり抜け飛び去ってしまう。その行き先は、地面に転がった十千屋だ。
「あぁ・・・ああぁ・・・ああああ!!」
「くっ!?」
ガギィイイン!!
飛行途中でブレードを上に振り上げ、再びその凶刃で今度こそ十千屋の命を切り裂く寸前で
ラウラが間に合いプラズマ手刀で防ぐ。
手刀とブレードの間で火花が散り、しのぎを削る。火事場の馬鹿力と言うべきか、相手は打鉄とは思えないほどの力でラウラの手刀を押しのけようとしていた。
「キィサァマァアア!!一体、何をしようとしたぁああ!!!」
「殺さなきゃ!死なせないと!
ソイツを殺さないと駄目なのよォォお!!?!」
「・・・っ、貴様は!?」
眼前に生徒を捉えたラウラは彼女の異常性を悟る。一言で言えば錯乱状態。女尊男卑主義者で
男を目の敵にし、排除しようとする輩とは違う。何かの強迫観念に囚われ、正常な判断が出来ない状態に見える。それは何か、
だが、今はそんな事は関係ない。この出来事で学園側も混乱しているのか動きが無い。ならば
生きている事を告げている。
焦りを何とか抑え、迅速に行動しようとするラウラに追い打ちが掛かった。
「ねぇっ!?アンタもアイツを殺してよ!!」
「・・・ハッ、そうだ。あ、アレを撃たないと、殺さなきゃ 殺さなきゃ」
「くぅ、このぉお!!」
鍔迫り合いとなっている相手は自分のペアに殺人を強要する。すると、現実逃避なのか呆然としていたライフル持ちの相手は、ガタガタと震え狙いの定まらない状態でも引き金を引こうとした。
ラウラはその事を察知すると目の前の相手を蹴り飛ばして離し、リボルバーカノンで
ライフル持ちを狙撃する。ただ浮いている敵であるため良い的となり着弾した。
しかし、両者に攻撃を仕掛けたのが切っ掛けとなり相手の照準が彼女に絞られる。
普段の彼女ならこんな一般生徒の二人掛りなど一蹴できるであろう。だが、死に掛けの護衛対象がいると言う事実が彼女から普段の精彩さを失わせていた。
相手にしろ自分にしろ流れ弾が
しかも、
それに気を配りすぎて時間が掛かってもいけない。時間が掛かれば掛かるほど、護衛対象の
生存率が下がってゆく。そして一番最悪なのは、今の精神状態では奥の手である
第三世代特殊兵装というのは、精神集中がとても必要となる。それなのに流れ弾に気を使い、
十千屋の状態に気を使い、相手の動きにも気を使う、文字通りこんなにも気が散った状態では使えないのだ。
「貴様!何故こんな事をする!!」
「だって!ISは女性の物でしょ!?こんな、ポッと出でわけ分からない怪しい男が使うのは
間違ってるの!だから殺さないと!!」
「貴様は何を言ってるか、分かっているのか!?」
「えっ?だって、殺さないといけないんだもん!殺して、壊してっ!
ねぇ!?とっととアンタも撃ってよ!?」
「えっ!?あ・・・、そうだ・・・・
やはり、対戦相手は正常な判断を失っている。どうしても
そんな中で錯乱気味のライフル持ちが遂に十千屋を狙ってしまう。が、正常な状態ではないために全ての弾はあさっての方向へと撃ち放たれた。
運良く当たらなかったが、コレを見てしまったラウラは自分の中で何かが切れるのを感じる。
「(・・・っ!倒す!直ぐにコイツらをブチ倒す!力だ・・・力が欲しい!!
何もかも圧倒する『力』が!!)」
「(欲しい!今すぐ!何が何でもだ!!)」
誰の声でもない・・・しかしハッキリと脳裏に届く声に応えてしまったラウラは次の瞬間、
ドクンッと何かの脈動を感じ取ったあと体中に痛みが走った。
何かに身も心も塗りつぶされてゆく感覚、彼女の意識はあっという間に遠のいてゆく。その中で彼女の視界の隅には、こう表示されていた・・・
《 Valkiyrie Trase System 》..... boot.
「あああああっ!!!!」
突如、ラウラは身を裂かんばかりの絶叫を発し、シュバルツェア・レーゲンもまたそれに
呼応するかのごとく激しい電撃が走る。
観客も異常状態の相手も、誰もかもが何なんだと思った。
何故ならレーゲンは溶け落ちラウラを、黒く深く濁った泥で飲み込んでいったからだ。
それは、一つの形となって我らの目の前に現れる。黒い
ISは原則として『
溶け落ち操縦者ごと巻き込んで変化するなど有り得ない事だ。
だが、その有り得ないモノは今、目の前のある。ラウラを軸にしたのかボディラインは彼女のものだ。腕と足には最小限のアーマーとして付いている。頭部はフルフェイスのアーマーに覆われ、顔は装甲の下にあるラインアイ・センサーが仄暗い赤い光を灯していた。
「アンタも・・・何なのよぉぉお!?」
「―――――」
黒のISは真っ先に襲いかかってきたブレード持ち受け流すと、ライフル持ちを狙い行動する。
自分が狙われたと分かったライフル持ちは
「い、いやぁああ!?来ないでえぇえ!!」
ガキィン!ガキィン!ガキィン!ガキィン!
今だに狙いが定まっていない照準だが、数打ちゃ当たると言ったもので何発かは黒のISに当たる軌道に乗る。だが、コイツは当たる軌道のみを読み切ってブレードで弾を叩き落とした。
まるで漫画の様な現実感がない絶技に更に狂うライフル持ち、錯乱したままライフルのトリガーを引きっぱなしにしていたが
そして、それと同時に・・・
「あ、あぁ・・・あぁぁあああ!?」
「―――――」
黒のISはたどり着き、常人には見えない程の早すぎる太刀筋でライフル持ちを何度も切り裂き
「ひっ!?」
「―――――」
ブレード持ちはペアに起こった惨状に完全に逃げ腰となっており、逃走しようとしたが黒のISはあっという間に距離を詰めてきた。元がレーゲンとは思えない加速力、完全に別物となっている
証拠でもある。
恐怖に駆られながらも必死に抵抗するブレード持ちであるが、話にならない。黒のISの技量が
飛びぬているせいだ。打ち合えば弾かれその瞬間に何度も切られる。抵抗の意味も成さない有様に自分も同様に沈められると思った最中、一条の風が吹いた。
「あああああ!お前はぁああ!!!」
「一夏!待ってよ!!あぁっ、もう聞いてない!?だったら僕はコッチに!」
その正体は一夏であった。メガスラッシュエッジを一纏めにしたセイバーモードで黒のISに
突っ込んだのである。その後ろからシャルルも来たが、一夏が暴走気味で手に負えないと判断すると
彼らは次の試合のためにピットに居たが、度重なる異常事態に念のためISを起動したままでの
待機命令が下されていた。しかし、飛び出したいのを一夏は今まで何とか抑えていたが・・・黒のISを見た瞬間に暴発する。
でも、所詮は盾の使い手としては付け焼刃であり着実にSEは切り落とされていった。
「十千屋さん!大丈夫ですか!?」
「くぅっ、シャルルか・・・スマン、上半身を起こしてくれ。
あと、イオンレーザーカッターも貸していたな。ソイツを貸してくれ」
「あ、はい。・・・コレを」
「ロックは・・・OFFに成ってるな。くぅう!?」
ジュウゥゥゥ・・・
「・・・って、何をやってるんですか!?」
上半身を起こしてくれたシャルルから、十千屋はイオンレーザーカッターを受け取るとイオンレーザー出力と形状を調節し、脇腹の傷口を焼き始めた。
彼女は突然の彼の暴挙に唖然としたが、理解した次の瞬間に血の気が引いて止めさせようとする。が、既に傷口は焼き固められた後であった。
「ハァハァッ・・・良し、コレで止血は出来た」
「止血できた・・・じゃ、無いですよ!?何やってるんですか?!?馬鹿ですか!??」
「ISに
何とかフルマニュアルで多少動けるまで回復したが、
・・・生体調節機能回復前に血が
シャルルは驚ろいて上がった血がまた引いたような感じがした。ISの機能全停止・・・それはISがただの
様々な機能で守られた操縦者、それが無くなった事実に彼女は恐怖を感じた。
十千屋は相手ペアから攻撃を受ける間際にISの機能が消沈してゆく事に気づいた。
必死の機能回復を図ろうとしたが、先に攻撃が来る。悪足掻きとして身を捩ったため脇腹は深く切られたが、Mスーツの装甲と防護力で運良く内蔵までは刃は届かなかった。
そして、落ちながら阿頼耶識システムによってISプログラムに直接介入し、落下直前で一部のPICとSEの復帰に成功、派手にバウンドするもダメージは緩和できた。が、動ける状態にまでには先程まで持ってこれずに倒れ伏していたのである。
「早く・・・ラウラを止めないと、廃人に成っちまう。次は膝だな」
「止めて下さい!もう、僕が止血します!!マント?の端を切って巻きますから!!」
「・・・ビームコーティングしてあるから、タダのナイフの方がいいぞ。
あと、一夏にコッチに来いって言ってくれ。通信機能がまだなんだ」
「はいはいはい!やりますから、やりますからジッとしていてください!!」
シャルルは無茶以上の事をする十千屋を制しながら彼の指示に従う。彼のISが身に纏ったマントを割いて包帯替わりにし、一夏に通信チャンネルで呼びかける。が・・・
「一夏!一度こっちに来て!!」
「うぉおぉお!!!」
「ねぇ!一夏ってば!?」
「あぁぁああ!!!」
「ダメだ!聞いてない!!」
「ここから出て行けぇー!」
完全に暴走状態である一夏はシャルルの呼びかけに乗じない。それ故に十千屋は何とか動くようになった体にムチを打ち、手に武器を
呼び出したシャガールⅡは咆吼し、鍔迫り合いと成っていた黒のISに命中し一夏から引き離す。それに呆気にとられ攻撃が来た方向に彼は顔を向けるが・・・
「・・・いっぺん頭冷やそうぜ?」
十千屋の隣に居たシャルルと、聞こえない筈の一夏は彼のその一言に背筋が凍った。
次の瞬間・・・一夏の顔面にシャガールⅡ専用弾である炸裂弾がぶち当たる。
絶対防御でダメージは無いが、コレが
「い、一夏・・・『来い』だって・・・・・・さ」
「はいぃいぃいい!!今すぐ行きますぅぅぅうう!!!」
脱兎の如し、忠犬の如し、
彼の元にたどり着いた一夏は別の意味で驚いた。何せあんなに嫌がっていた素顔を晒していたのだから。聞けばごく簡単に、メット内のディスプレイが駄目に成っただけであったのだけれども。
「さて、一夏・・・織斑先生のデータが使われていてムカついているのは分かるが、
少し冷静になろうぜ?」
「はい・・・スミマセン。完璧に頭に血が上っていました」
「流石にもうそろそろ学園の介入があるはずだ。だが、俺は直ぐにでもラウラを助けたい。
お前はアレを倒したい。結果は同じだ。ヤルぞ一夏」
「・・・師匠」
「あのー、すみません。僕だけ蚊帳の外なのですけど、説明をお願いできますか?」
すっかり土下座ムードの一夏に対して、ため息混じりで進言する十千屋。彼が言うには一夏の
心情も分かっており、手を借りたいと言ってきた。
それに感動する一夏であったが、すっかり蚊帳の外となり話の内容について行けないシャルルは状況説明をお願いしてくる。
「詳しいことは全部後で話してやる。今必要なのは、『黒い
「はい、あの黒いのは一体?織斑先生のデータとか言ってましたけど」
「まんまだ。
「ああ、あの太刀筋と動きは
「だが、あの
出来たらどうなるか想像できるだろ?」
「・・・こ、壊れちゃうじゃないですか!?」
「そういう事だ。だから一でも早くラウラを助けたい。作戦は簡単だ。
俺が一撃を入れて体勢を崩す。一夏が零落白夜を使ってアレを引っペがしてラウラを確保する。
以上だ」
「分かった。でも、それだと師匠が反撃を喰らっちまうんじゃないか?」
「そこは大丈夫だ。これも後で話してやる。行くぞ!
あと、シャルルはいつでもフォロー出来るように動いてくれ」
「「はい!」」
十千屋が簡単に話をしめて行動を開始する。
黒のISの正体とは『Valkiyrie Trase System』通称、『VTS』と呼ばれるものだ。内容は過去の
だが、このシステムはIS条約で現在はどの国家・組織・企業においても研究・開発・使用すべてが禁止されているのである。
何故、ラウラのISに積まれていたかは分からない。そして、十千屋が見抜けたのは
次に作戦だが、先に書いたように十千屋が崩して、一夏が止めを刺すといった簡単なものであるがコレだと十千屋に身の危険が及ぶ。しかし、彼は安全をほぼ確信していた。
黒のISと化してしまったラウラの行動だが、先にライフル持ちを倒し、相手に攻撃するたびに
極めつけは、十千屋が攻撃しても防衛はしてもこちらに攻撃を仕掛けてこなかった事だ。
以上の事からラウラの無意識が十千屋を守る行動を取っているとふんだのである。
と、いうのを一夏とシャルルは全てが終わった後に聞いた。
十千屋は今まで出してこなかった大型武装を取り出した。
システムを何とかしていて飛行速度が遅い十千屋の後ろで、一夏は精神を集中させ先ほど言われた事を思い出す。
「一夏、大振りなのは必要ない。
今回必要なのは『糸みたいに細くて――光みたいに速い』攻撃だ。
俺も含めるが、アレの「
「・・・出来るのかな、俺は」
「一夏、なら
そして、白式を信じろ。ソイツはお前の為に作られた
「師匠・・・」
「もう、お前には見えてるはずだ。アレにいれるべき技のイメージが」
一夏は思い出す。千冬が教えてくれた刃の重さを、その教えと箒の姿で学んだあの技を・・・
その中で不思議な一体感と懐かしさ、全てを捉えられる感覚。初めてISを動かした時の不思議な全能感を感じたが、今は些細なことだ。
(白式、今回はデカいのは必要ない。必要なのは速さと鋭さ。
素早く振り抜ける、洗練された刃だ)
意識の集中のイメージは暗い闇に一条の光が差し込むモノだ。更にそれを細く、鋭く、尖らせてゆく。それと同時に雪片も変化してゆく、膨大なエネルギーの垂れ流しだった零落白夜が細く鋭い刃へと集束されてゆく。
そして出来上がったは、実体部分が全て消え・・・零落白夜で出来た日本刀であった。
(さんきゅう、白式。じゃあ――――行こうぜ!!)
十千屋はグレイヴアームズを確りと抱え、一夏は居合の構えで黒のISに向かう。もう既に黒のISの射程距離だ。
十千屋は抱えていたグレイヴアームズの一番長い部分を掴み振り上げ・・・迎撃しようとしたが、止まった黒のISのド頭に思いっきり!ブッ叩いた!!
「いい加減、目ェ覚ませ!
「「「ええぇぇええ~~~!?」」」
「パイルバンカーじゃないの!?」
まさかのド突き合いに事の成り行きを見守って人達は呆気にとられる。特にグレイヴアームズの仕様を知っていて
どこか冗談みたいな雰囲気に包まれたが、極限まで集中していた一夏は別だ。横に倒れるように
「やれ、一夏」
「ふっ!」
急に現れた敵に対し、黒のISは体勢を崩しながらも速く鋭い一撃を繰り出す。流石、
しかし、そこには意思がない。ならばそれは一夏にとっては・・・
「ただの猿真似だ」
ギィン!斬!
腰から抜き放ってからの横一閃で相手の攻撃を弾き、すぐさま頭上に構え、縦一文字に相手を
断ち切る。コレが一足目に
私はまた間違えてしまった。あの人と出会い間違えた『力』を正したと思ったのに
・・・このザマだ。
『あのなぁ・・・一度二度、間違えただけでそこまで落ち込むなよ。
だったら、何度も師匠に指摘されている俺は何なんだよ』
私は以前に強くなった、力を得た。けど、
『もっと単純に考えろよな。お前はどう在りたいんだ?』
どう在りたい?
『俺の持論だけど、強さ・・・力っつーのは心の
強いな・・・自分からそう歩けるお前の強さが羨ましい。
『まぁ、人生やったもん勝ちと言うけどさ。俺は強くねぇ。全く、強くない』
強いのに何故そう言う。私には理解できない。
『う~ん、俺が強いっていうのなら―――そいつは』
――――それは?
『強くなりたいから、強いんだよ。それに、強くなったらやりたい事もある』
――やってみたい事?
『おう。誰かを守ってみたい。自分の全てを使って、ただ誰かの為に戦ってみたいんだ』
―――それは、まるで・・・あの人たちみたいだな。
『そうだな。だから、お前も守ってやるよ。ラウラ』
この時、私の胸は初めての衝撃に強く揺さぶられてしまった。そして、直感的にある文字が当てはまる。それは『ときめき』。織斑一夏は私をただの人だと『女』だと、何時ぞか教官が言っていたことを思い出す・・・これは惚れてしまいそうだ。
『話は済んだか、バカ弟子、バカ娘』
急に頭を乱暴に撫でられる感触がする。多分、向こうも同じだろう。ゴツゴツとした傷だらけでもある大きな手。今度は逆に安心感に包まれる。
『勢い任せに突っ込む無謀さは若さの特権だ。
迷って間違えて、それでも突き進むのは
誰かが笑った気がする。私かも知れないし他の誰かかもしれない。
けど、あぁ・・・私はこうありたい。
「・・・なんだ?今の?」
一夏は白昼夢の様な何かを見た。だが、恐ろしいものではない。逆に安心できるような楽しかったような、不思議な感覚だ。
しかし、直ぐに現実に引き戻される。目の前には見事に一閃二断の構えが入った黒のISがいる。だが、ジジッ・・・・と紫電が走り黒のISは真っ二つに割れラウラが出てきた。
一夏は咄嗟に受け取ったが、直ぐに気を失ってしまう。けど、一瞬だけ見えた彼女の目は
どこか・・・迷子の子供のような目をしていたような気がする。
「まぁ、今回はぶっ飛ばすのは勘弁してやるか」
一夏は思わずそう一人つぶやいたが、そう簡単に幕は下ろさせないらしい。
操縦者を失った黒のISが泥状の触手で一夏ごと取り込もうとしたのだから。
咄嗟の事で彼は身動きがとれない。至近距離であるし、腕にはラウラが抱かれていて
攻撃もできない。万事休す、かと思った次の瞬間・・・顔の横に何かが通った。
「おい・・・もう、茶番はお仕舞いなんだよ。とっとと引っ込め影法師」
その正体は十千屋が持っていたグレイヴアームズだ。十字架の交わり部分にある持ち手に
手を掛け、一番長い部位の先端にはパイルバンカーユニットが付いている。
パイルバンカーの杭は黒のISの
「言ったろ、守ってやるって。
さぁ、
特製の爆薬で撃ち出された杭はマズルブレーキの部位と接触した部位から激しい火花が散り、
敵の中枢を撃ち貫いた。
中枢を砕かれた黒のISは痙攣した後、四肢を力無く垂れ下げて落ちていった。
その途中でレーゲンに姿を戻し墜落する。
「サンキュー、師匠。・・・終わったんだよな?」
「ああ、心配ない。終わったよ・・・うぅっ」
「おおっと、無茶しすぎですよ十千屋さん」
「シャルル、ありがとうな。ついでにスマン・・・流石に限界だ。後は頼む」
「師匠!?」
「十千屋さん!?」
今回の出来事が終わったか確認した一夏であるが、十千屋の言葉でようやく終わりを確信した。
そして、全てが終わり限界が来たのか、ふらついた十千屋をフォローの為に近くに飛んでいたシャルルに抱えられる。彼は彼女に一礼すると気を失った。
力を失い更に重くのしかかった彼を支える彼女であったが、その衝撃か・・・彼から、棒状の
何かかが・・・・・・抜け落ちていったのである。
今回はいかがでしょうか?前書きに書いた通りに『学年別トーナメント編』のラストバトルでした。
本筋は原作と変わってないですが・・・今回は一万文字を突破してしまいました。
色んな説明とか入れると文字数が嵩みますね(;^ω^)
でも、必要な情報は細かく入れていきたい・・・やはり、書き手としての修練不足ですね(;´д`)
今後、書き終わって一万文字位を超えていたら、丁度良い所で切ってしまう方がいいのでしょうか?
今回だと、ラウラが強制変身させられた所ですね。
以前にも同じような質問をした気がするのですけど・・・読み手が読みやすい文量にしていきたいです。
さて、今後は
予定は未定ですが・・・今後もよろしくお願いします。
では、今回は此処まででございます。
そして、感想や誤字脱字・ここが文的におかしい等のご報告も謹んで承ります。
では、もし宜しければ次回お会いしましょう。