上げたいと思います。
では、どうぞ御ゆるりと。
うん、時と場合って事があるよね?
ある意味、お約束ってのがあるじゃないか。
でも、彼はそれを何も考えていないんだよね…
さて、今は夕暮れに染まる放課後、今はもう人の居ない教室に二つの人影があった。
その正体とは?
「う~ん、こういうのも良いな」
「え?」
「いや、何となく楽しいって事だよ。掃除っていうのは。
特に普段使っている教室の掃除だと余計に」
「そ、そうかなぁ?一夏って変わってるね…」
それは一夏とシャルロットであった。その理由は今朝遅刻しそうになり…つい、ISを展開し
滑り込みセーフを行ったことである。
そこのどこがイケナイかと言うと、たかが遅刻でISを使用するというギャグにも似た行為に
でもあるが、元からIS学園敷地内でも許可されていないIS展開は禁止されている為だ。
その罰として二人は教室掃除をさせられている。いわゆる『トイレ掃除』的な罰であるが、
何故『教室掃除』がそれに当たるかというとIS学園はその様な清掃関係は毎日専属の清掃業者が行っているためだ。
その為、この学園で教室掃除というのは専ら生徒への軽い処分として使われているのである。
さて、二人きりと言うこの環境で一夏が
重くなったゴミ箱でよろめいたシャルロットを支えたり、二人にしかわからない愛称を決めたりと、乙女心を刺激するフラグ建築を着々とこなすのであった。
そして…
「――そうだ、シャル。頼みがあるんだ」
「ん?何かな?」
「付き合ってくれ」
「―――え?」
真剣な眼差しで一夏はシャルロットを
この時、シャルロットは確かに世界が止まるような音を聴いたのである。
「二人っきりの
「シャル、なにブツブツ言ってるんだ?」
「ただのお買い物のお誘いでした!!」
はてさて、また日数は過ぎ今日は休日。シャルロットの乙女心が高まり、世界すら止まったように思えたあの告白は…彼女が落胆した通りに買い物のお誘いであった。
あのシュチュエーションで何ともまぁ、勘違いを起こさせるような事を言うのかこの男は。
そのせいで事実を知った彼女は一時、目が死んでおりブツブツと呟く症状に襲われる。
一通り吐き出し、今の現状を認め始めたシャルロットは不意にイイ笑顔で一夏に言った。
「乙女の純情を弄ぶ男なんて、十千屋ファミリーに蜂の巣にされれば良いと思わない?」
「お、おう…?確かにそんな事をする奴がいれば師匠達の粛清が下るかもな」
「それ、鏡を見て言いなよ」
思いっきり皮肉を言ったシャルロットであるが、それで通じる一夏=朴念
その事にマリアナ海溝よりも深い溜息が出る彼女であるが、またもや別の事と勘違いしてフォローや機嫌取りをする彼に気を許してしまう。
スイーツの奢りに何となく差し出した手を握られて、シャルロットは恥ずかしいと思いながら
心地よい乙女心の高鳴りを感じるのであった。
「手ぇ…握ってるわよね?」
「握ってますわねぇ」
「シャルロットには気の毒だけどさぁ?」
「何ですの?」
「
「物凄く同意致したいですが、暴力沙汰はおじ様から厳禁されてますわよ?」
くぅっ、と唸り声を上げている二人…お察しの通り鈴とセシリアである。
二人は一夏とシャルロットが二人きりで出かけると知り尾行したのであった。
一夏の無自覚なイチャつき振りに尾行を諦め引っ掻き回したい…もとい、フラグ建築士の
朴念神をド突き回したいのをグッと堪える。堪えなければ後が怖い。
「お前たちも情報を入手したのか」
「「なっ、アンタ/貴女 はラウラ!!」」
「追跡か?にしては…目立つ服装をしているな?」
「「アンタ/貴女 に言われたくない(ですわ)!!」」
そう、一夏達を尾行するため一同は普段着ないような服を着て変装しているがあからさまに
チョイスが間違っていた。
セシリアは金髪をピッグテールにし、非常にスカートの長い黒いドレスを着ており、足は黒のガーターストッキング、首にはチョーカーを身につけている。
鈴は髪をサイドテールにして、オレンジとグレーを基調としたセーラー服を着ており、
下はホットパンツを穿いている。このセーラー服の裾が短いため、必然的に
へそ出しルックになっていた。 ワンポイントなのか服の胸当てには音楽記号が刺繍されている。
ラウラは髪型をロングヘアーを結んだポニーテールにし、黒うさぎのヘアピンと箸っぽい髪留めを付けている。服はファイアパターンのチューブトップにホットパンツと露出が激しいが、薄手のパーカーを羽織っているので何とかという感じだ。
確かに天然ボケの
見られれば気付きはしないだろう。
だが、一見するとコスプレの様な服装は非常に目立つ。
しかも三者三様の美少女である三人であるから尚更だ。彼女らは本当に尾行する気があったのだろうか?
「さて…私は一夏を追い交ざるつもりであったが、どうするか」
「アンタ、そんな事を考えていたのね。でも、一体何よ?」
「
見るべきかな、と」
「一理ありますわね。おじ様が仰る通り、朴念仁の神である一夏さんよりも
新しく来たシャルロットさんの方が色々と手出しする可能性の高いですわね」
「あからさまな妨害はアイツと奥さんにしょっ引かれるわね。なら、情報収集よ。
一夏とシャルロットが今どんな関係なのか見極めるべきね」
どうやら、一夏達を遠巻きに見て観察する事に決めたようだ。昨日の敵は今日の
こうして、見た目がオカシイ追跡トリオが臨時結成されたのである。
一夏達とその追っかけは駅前のショッピングモール、『総合商業施設:レゾナンス』に来ていた。
このショッピングモールは各種交通機関の利便性、食事や衣類やレジャー用品などを量販から
ブランドまで幅広く扱っており『ここに無ければ市内の何処にも無い』と豪語される程である。
彼らはその二階、衣類関係の売り場に来ていた。ここでの目的は臨海学校で使う水着の購入である。
「う~ん、やっぱり男の水着は減ってるなぁ。でも、ま…コレでいいか」
「一夏、一応セール品を迷わず買うのはやめようよ」
「シャル、そんなこと言っても男の水着だぞ?変じゃなければどうでもいいじゃないか」
「僕は安すぎるのはやめといた方が良いと思うよ?
それに臨海学校でどうせ一夏は目立つからちゃんとした物を着て欲しいと思う」
そんものかなぁ?と一夏はワゴンセールから取り出した水着を戻し、辺りを見渡してみる。
女尊男卑の風潮で男性水着売り場は縮小されているがそれでもソコソコの種類はあった。
変ではなければ安物でも良いかと考える彼にシャルロットは苦笑しながら一緒に探してみる。
すると、彼女の目に留まったものがあった。
「一夏…コレなんてどうかな?(//∇//)」
「ん、シャ…ルゥ!?」
彼女の両手で広げられている男用の水着は…表面積が小さい、文字にすると『T』か『V』、
とある品物に例えると『ブーメラン』な物であった。
それを装着している姿を想像しているのか頬を赤らめた彼女から一夏はソレを奪い取るとすぐに売り場へ戻す。
「ああぁっ、せっかく似合うと思ったのに」
「いやっ色々とヤバイだろ!あんなもん着て見せて誰得なんだよ!?」
「少なくとも僕得だよ!一夏のカッコ可愛いお尻を堪能できるんだから!!」
「いい加減ケツ狙いは止めてくれ!!!」
彼が無難な物を確保すると、
その後は、追跡トリオの存在を感じたシャルロットが咄嗟に一夏を更衣室に連れ込んで
そのまま着替えると言う、高度なプレイ&Toラブるをしてしまったが些細なことだ。
因みに背中合わせで彼女は着替えた。正面切って視姦プレイは流石に出来る筈がなかったのである。
しかし、本当のトラブルと言うのはここから先の事であったのだ。
「そこの男、ついでにコレも買いなさい」
「は?」
一夏達が品物の会計に行こうとした時にその買い物カゴに余計な一品が強制的に放り込まれた。その一品と同時に横暴な請求を突きつけられたのである。
その主は
「いや、何でアンタの物を買わなきゃならないんだよ」
「はぁ?男が女の請求を無条件で聞くのは当然でしょう」
「いや、当然じゃねぇって」
一夏は面倒臭いのが絡んできたと思うのと同時に、ここまで女尊男卑の風潮で世の中がおかしくなっているのも感じた。一方で女性は当たり前だと思ったことを否定されヒステリックに喚きだす。
「黙りなさい!男は女に貢ぐのは当たり前のこと!!私が訴えればアンタは破滅なのよ!!!」
「お客様、何を騒いで仰るのでしょうか?」
「「あ…」」
「丁度良いわっ、コイツが私の事を舐めているのよ!名誉毀損よ!!」
「はぁ…分かりました」
「はっ、コイツを縛り上げてしまいなさ…いっ」
喚きだした女性がますますいきり立っていると騒ぎを聞きつけたのか店員が声をかけてきた。
店員は女性の後ろから声をかけており、そのまま一夏達に向かって騒いでいたので気付かなかったが彼らはその正体に気づき呆気にとられる。
そして、女性の要望通りに捕らえられたのは…彼女自身であった。
「何よ!なんなのよ!?縛り上げるのはアッチの方でしょう!!」
「…お前はやり過ぎなんだよ。過去にも同様の件を起こしているだろう?
こちらにも訴えとか来ているんだよ」
「アンタこそ何言っているのよ!?離しなさっ…ぎゃああ!!!」
女性を捕らえたのは黒服の人物たち、明らかにカタギの者では無いと分かる雰囲気であり
その主と思える
銀色のロボットだったからである。
明らかに変質者である人物に女性は悲鳴を上げるが、一夏達は落ち着いたものだ。
彼らが知るこの様な被り物をしている人物はただ一人。
「師匠…仕事だとは聞いてたけどさ。なんでここに?」
「親会社からの要求だ。一番近くにいて今日非番な役員級が俺しか居なかったからな。
名目上でいいから視察してくれってさ」
「親会社、コトブキカンパニーの親会社って言うと『ナナジングループ』ですか?」
「そうだ、シャルロット。
「アンタら、私を無視するな!!」
店員-十千屋がここに居る理由を語りだしたが蚊帳の外に成りつつあった女性がまた騒ぎ出す。その様子に十千屋がやれやれといった感じで応対した。
「アンタ、私に何があってこんな事をするのよ!?」
「何って…お前がやろうとした事は
先ほど言ったが過去に同じ様な事をしているだろう」
「ソレの何が悪いのよ!偉い女が男を扱き使って何が悪い!!」
「はぁぁあ…所でお前のIS適合ランクは幾つだ」
「何言ってるのよ!今すぐ私を開放しなさい!!」
「いいから答えろ」
この女性は過去にも男性を脅し品物を買わせた事があるらしく、しかも何件も行っていたようだ。その理由が女が偉いと言う女尊男卑の捻じ曲がった風潮かららしいが、十千屋は彼女の言い分を遮りこの国の女性であるならば一回は受けたことのある『IS簡易適正検査』を持ち出した。
話の流れに関係の無い話題に噛み付く女性であったが、彼の気迫に押され口を噤みながら答える。
「ディ、Dよ。それが何よ」
「お前の主張は話にならない。元々、女尊男卑はISが女しか使えないから、
「だから私が正しいのよ!」
「だから話にならない。ISが何とか起動できる
この理由から最低ランクでISを持たないお前がどうして威張れる?」
「くっ、だったら…ソイツらはどうなのよ!」
十千屋の理攻めに女性は唇を噛み締め、矛先を一夏達に変える。だが、女性に取ってコレは悪手であった。
「一夏、シャルロット。学生証を出しながら、『所属』『ISランク』『機体名』を言ってやれ」
「あ、えっえーと…織斑一夏、IS学園一年一組、ISランク『B』、『専用機:白式』だけど」
「シャルロット・デュノア、IS学園一年一組、ISランク『A』、
『専用機:ラファール・リヴァイヴ・カスタムⅡ』」
「…え?」
「おめでとうございます。貴女の主張は崩されました。絡んだ相手はIS学園の生徒であり、
専用機持ち…即ち、ISを所有している人物であります」
「う、嘘…」
「しかも、彼は
「う、嘘よ…あ、アンタはどうなのよ!?」
一夏達の答えは十千屋の理攻めが正しいと思える回答であった。彼らは自分よりランクが上で
何よりも
ガラガラと自分の何かが崩れるような音を聞きながら、再度十千屋に噛み付くが…コレがトドメとなる。
「十千屋雄貴、ナナジングループ『コトブキカンパニー支社:社長』及び
コトブキカンパニー『特殊営業課』に所属し、IS学園一年一組に在籍中、
ISランク『C+から特定条件でA-』、『専用機:打鉄カスタム『雷』』」
十千屋は懐から図太い財布の様になった免許証入れを蛇腹の様に広げ、その中から学生証を見せた。
これまでの事実で女性は半狂乱に陥った。自身が足元に及べないほど相手が凄すぎたのである。
「嘘よ!そんな事あるはずない!!百歩譲って、ソッチの二人は分かったとするわ!
アンタのは偽造でしょう!?だって、写真の部分を隠しているもの!!!」
「はぁ、人がチョッとの良心でこれ以上正気を失わないようにしたのに…後悔するなよ?見ろ」
「ヒィィィイイイイイィイ!??!!」
「どうだ、同じだろう?もう、黙れよ…お前」
十千屋は指で隠した学生証の写真を見せるのと同時に、ロボメットを持ち上げ素顔を見せる。
顔の半分を覆う痛々しい
女性は悲鳴を上げた。
そして、女性は気を失い黒服たちが支えるだけとなった。
「し、師匠…サンキュー」
「十千屋さん、ありがとうございます」
「良いって事よ。今は一夏もシャルロットも俺から見ればお客様だからな。
(すぅぅ~)お客様方、大変お見苦しい所をお見せ致しました。
我が商業施設は違法行為と真っ向から戦い、お客様により良い時間を過ごせるように努力し続けます!これ以降も御贔屓お願い致します。
では、引き続きお買い物をお楽しみください!」
一夏たちが十千屋に礼を言うと彼はそれを受け取ったあと、よく通る大きな声で先程の騒ぎで
集まった人々に向かって施設からの謝罪と意気込みを聞かせる。
突然の講演に呆気に取られる人々であったが、意味が分かると騒ぎの事も含めていつの間にか
拍手が鳴り響く。暫くすると彼の言った通りに人々は自らの買い物へと戻ってゆくのであった。
「オーナー代理、お見事でした。我施設からもお礼を述べさせて頂きたい」
「なら、次からはこんなアウトローに視察なんか頼むなって上に言っておいてくださいよ」
「クスッ…ええ、ソレがご要望でしたのなら。ご提案なのですが、ちょうど休憩時間になります。そちらの方々と御知り合いの様ですし、ご一緒に昼食を頂いてきてはどうでしょうか?」
「では、お言葉に甘えて休憩を取らせていただきます。一夏、シャルロット、一緒に飯はどうだ?と言ってもレゾナンス内だけどな」
人々が散った後に出てきたキャリアウーマンは十千屋を褒めちぎるが、恥ずかしいのか彼は
はぐらかしその様子が可笑しいのか女性は微笑みながら提案する。
彼はそれに反対する事もないのでその提案に乗っかった。逆に驚いたのはいきなり話を振られた一夏達である。
「え、えぇと、俺は別にそれでもいいけど。シャルはどうだ?」
「別に僕も構わないけど?」
「じゃあ、行こうか。ソコに居る珍妙三人組も含めてな」
「「「(ビクッ!)」」」
彼らも同意すると、十千屋は品影に隠れるように居た追跡トリオも誘い昼食を摂る事と成った。
その前に、千冬と山田先生に出会ったり、一夏と千冬が姉弟の仲を温めていたりしたが些細なことであろう。
そして、
「あっ、一夏!と先生!?お久しぶりです!!」
「一夏さん!十千屋さん!ご無沙汰してます!!」
どうやら、この騒がしい休日はもうチョットだけ続くようだ。
どうも、ご無沙汰しております。
最近は仕事が何処となく忙しいのと、チョッと色々とあり気力が欠けていたため遅くなっていました。
前書きに書いた通りに今回の話はあともうチョッと続くのですが、更新が滞っていたのとキリが良かったので投稿いたしました。
次はとあるキャラを含めてランチタイムとなります。
そこで、一夏達の夏休みがコチラのオリジナル話へと傾く布石をさせて頂きたいと思っています。
『夏休み編』の原作ってバトルがなくラブコメに傾倒しているじゃないですか。
そのせいで余り二次創作にも書かれていない事が多くって、全然読み進めていないのも相まってイマイチいい構成が浮かばないせいでもありますが。(;^ω^)
では、今回は此処まででございます。
そして、感想や誤字脱字・ここが文的におかしい等のご報告も謹んで承ります。
では、もし宜しければ次回お会いしましょう。
Ps.自身の
作者のページから飛べばすぐに見つかるはずです。もし、ご感想を頂き好評であれば連載も考えていきたいと思います。
判断に困るからもうチョッと載せろというのでもOKです。
因みに、追加は不定期なうえ未定です。