IS×FA 遥かな空を俺はブキヤで目指す   作:DOM

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また二週間ぶりですね。
そして、また前回思っていた予定よりも内容が進みませんでした…(;^ω^)
ソレはともかく…

では、どうぞ御ゆるりと。


IS×FA51ss:やるかバ~カ

どの年代になっても女の子が好きな話題は変わらない。

それは恋の話し、通称:恋バナ。

そう「恋せよ乙女」だ。

ちなみにこのフレーズは、大正時代の流行歌「ゴンドラの唄」の歌詞のワンフレーズ…だそうだ。

 

 

十千屋と一夏が男の友情・・・と、言うより父と息子の様なやり取りで仲を深めていた頃、

同じく女性陣もそれを確認していた。

 

「お前ら、あいつのどこがいいんだ?」

 

千冬は既に3本目のビールをあけて目の前の女たちに告げる。

あいつとは誰?と言わないでも分かるだろう。

彼女の目線には一夏よりのメンバーしか居ない。つまりそういう事だ。

 

「そうですわねぇ?わたくしはあの真摯な瞳に惹かれたのが切欠ですわね。

 純粋に目の前を見据える・・・おじ様の優しい眼差しと違う野性味?が好ましく思いますわ」

 

「僕――あの、私は、優しいところかな?・・・です」

 

「強いところです」

 

すぐに声を上げたのはセシリアだった。

彼女は少し悩みながら一夏に惹かれた部分をスラスラと答え、シャルロットとラウラがそれに続く。

シャルロットはポツリと小さな声で言ったがその響きには真摯さが見られ、ラウラは短く単刀直入であった。

千冬はそれに関して、自分なりの返答にして彼女らに話す。

 

「ほう。オルコットはまぁ比べる相手が相手だからコメントしづらいな。

 デュノアはそう言うが、しかしなぁ・・・あいつは誰にでも優しいぞ?

 ラウラ、(アイツは)弱いぞ」

 

「そうなんですわよねぇ・・・どうしても初恋であるおじ様と比べてしまうのが悪い癖ですわ」

 

「う、うぅ・・・そうですね。それがチョッと悔しいかなぁ」

 

「訂正します。強くなろうとする()()()です。故に暴力に溺れかかった私よりも強いです」

 

最近ちょっと困った様な仕草が癖になっているセシリア、

照れ笑いしながら自分を(あお)ぐシャルロット、報告するように毅然として言うラウラ。

彼女らは三者三様であったが、それが羨ましいのか悔しいのか見つめる二つの影。

 

「で、お前らはどうなんだ。あいつに言わせると、幼馴染一号と二号は」

 

「わ・・・私はその、別に・・・別に、そうです。せっかくの腕前が鈍っている事が腹立たしく」

 

「あたしは、アイツと腐れ縁なだけだし」

 

視線に気付いたのか千冬は箒と鈴ら本人に向けて尋ねるが、彼女らは気にしているのは

まる分かりなのに言葉を濁す。

その態度に色々と余裕があるのかセシリアが溜息をついて告げ口をする。

 

「箒さん、鈴さん、おじ様に言われたでしょう?少しは素直に成りなさい・・・と。

 自身を誤魔化す様な発言をしていたら何時まで経っても朴念()に届きませんわ」

 

「「うぐぅうっっ!!」」

 

「オルコット、言ってくれるじゃないか。良いぞ、もっとヤレ。そして十千屋夫人と取り巻き、

 面白いからって笑ってやるな」

 

「クスクスクス・・・そう言う織斑先生も笑ってらっしゃるじゃないですか。

 そういえば、いつ一夏君の事が気になったのかオバさんに教えてくれないかしら」

 

セシリアの言葉が胸を(えぐ)ったのか箒と鈴は呻き声を上げ蹲る。その様子が可笑しかったのか

周りから失笑が漏れた。この雰囲気のままリアハが二人に一夏との出会いを聞いてくる。

それに対し二人は誤魔化しても話してもどう転ぼうがロクな結果にならないと踏んだのか、素直に話し始めた。

一夏との出会いと切欠は両者とも同じ、イジメられて、一夏が助けてくれて、その後も味方として真っ直ぐ自分を見てくれた。との事だ。

 

「はぁ~、定型的と言えば良いのでしょうか?う~ん、おじ様が持ってた娯楽本だとえ~と?

 ちょろ?ちょい?ちょろちょろ?」

 

()()()()じゃない?」

 

「ちょろいヒロイン!」「略して()()()()()!」

 

「ちょろい―大阪弁からで大まかな意味は『安易』『甘っちょろい』。故にちょろインは

 攻略や篭絡が非常に簡単であるヒロインの事を言う」

 

「ああ!それですわ!!」

 

「「何故か、 お前/アンタ だけには言われたくない!!」」

 

「なにゆえ!?」

 

セシリアから始まったツッコミの連鎖は、身に覚えのない罵詈雑言となって彼女自身に帰ってきた。きっと別次元的な何かが箒と鈴に囁いたのであろう。

一連の笑劇に含み笑いしながら眺める千冬は、更なる火種を投下する。

 

「くくく・・・まぁ、お前らがあいつをどう思っているかは分かったさ。それは別にして、

 あいつは役に立つぞ。家事炊事はなかなかだし、マッサージだって上手い。そうだろ?」

 

「それに~性格も~朴念仁とか除けば~?、そこそこ良いしね~。嫁・・・じゃなかった~。

 婿として~欲しいポイントは~押さえてるね~」

 

彼女はいきなり一夏本人には絶対聞かせないだろう好評価し、本音が後を付け足す。

それには一夏サイドの面子はうなづいたりして反応した。

 

「というわけで、付き合える女は得だな。欲しいか。ん?」

 

え!?と五人は千冬の方を見つめる。そして、ラウラが堂々と挙手をし尋ねた。

 

「結納は幾らくらいでよろしいでしょうか」

 

「飛ばしすぎだ。やるかバ~カ」

 

小馬鹿にした顔で否定する千冬に、えぇ~・・・と心の中でツッコム一夏サイド女子一同。

 

「女ならな、奪うくらいの気持ちで行かなくてどうする。自分の身も心も磨けよ、ガキども」

 

既に四本目が終わり、五本目のビールを開けながらそう口にする彼女は、実に楽しそうな表情で

そう言ったのであった。

 

グビグビグビ… そう言えば、コチラばかり気に掛けてそちらの事はすっかり忘れていたな。なぁ、良ければそちら(十千屋)側の事も聞かせてくれないか」

 

「お~、校外学習での恋バナって憧れてたんだー!」

 

「良いですが。織斑先生、なぜ急にコチラを?酒の肴がわりですか」

 

「いや、何だかんだで世話に成っている人物だからな。私以外がどう思っているか知りたくなっただけさ。それに、酒の肴がわりと言うのも間違いではない」

 

千冬は酔った勢いなのか、視線に入ったのか十千屋サイドのメンツもこの話題(恋バナ)に誘う。

チェーロと本音は乗り気だが、轟はこちらに話が振られるとは思ってもみなかったのか少し驚いている。あとのリアハは楽しそうな顔をし、簪は彼女の膝枕で眠りかけていた。

 

「と、いうかな…布仏、お前いつの間にそちら(十千屋)側に成った。

 簪はこの前の騒動から何となく分かっていたが」

 

「ん~、前から~かんちゃんが~こっちだったから~こっち側の~つもりだっだけど~、

 正式には~今日から~だよ~」

 

箒が本音に何時から十千屋側なのか尋ねると彼女はそう返答した。彼女の距離が十千屋側に近いのを納得しているまに恋バナトップバッターはチェーロが切ったようである。

 

「は~い、ボクからいきま~す!ボクのパパの好きなところは『器のデカさ』かな~?」

 

チェーロの十千屋に関する好感度ポイントは『器のデカさ』らしいが、一同はよく分からない。

確かに彼は大らかだが…

 

「みんなも知っている通りにボクはストリートチルドレンだったんだよね。

 生きる為にいっぱい悪い事もしたよ。盗みにタカリに殺しちゃいないけどリンチとか…」

 

急に重い話になり、聞き手側は口を塞いだ。それに対して彼女はあくまで軽い口調で話してゆく。

 

「でもさ、パパって『罪を償え』とかそう言う類いの事は言わないの。言ってくれたのは

『これからはする必要は無くなったな』とか『最後の一線を超えずに頑張ったな』とかだね

 ボクのしてきた事は悪い事だよ。けど、生きる為の罪や正しさ『原罪』とか造語で

 ()()()()()()生義(せいぎ)』だって言ってくれた。なんかね、スケールが違うな~って感じたの。

 そこからかな?ボクがパパに惹かれていったのは」

 

相手の今まで生きて来た事を否定せずに全てを受け入れる。コレがチェーロが十千屋に

好意を持つ切っ掛けだったそうだ。

罪を憎んで人を憎まず、いや罪さえも受け入れる()()()()()に惹かれたのだろう。

 

初っ端から重く大きい話題となったので、一夏側は少し胃がもたれそうになっているが…

彼女らは思う、「これは始まり」なのだと…

 

「次は私ね…父さんのゲームであった言葉で言うと『正しき怒り』不義や不条理を許さない心、

 そしてそれを実行できる『力』かしら」

 

箒や鈴、シャルロットにラウラ、彼女らは一夏によって救われた。

同じように轟も十千屋よって救われたのであろう。

どうしようもない不条理の暗い袋小路を叩き壊し、目の前に広がる自由で明るい(未来)へと

背を押してくれた。事件のスケールは違うだろうが、その事がどれだけの救いになるか

箒達は分かっている。それと同時にどれだけ心を掴み盗られてゆくのかもだ。

 

「んんぅ…私にとってはあの人は『ヒーローであり、足長オジさん』だから」

 

轟の話に共感している途中でこのような話しが聞こえてくる。その元へと皆が視線を移すと、

リアハの膝枕の上で寝返りをうちこちらに向かって視線を変更した簪であった。

彼女は半分寝ぼけているようにハッキリとしない口調で続きを述べる。

 

「意地を張っていた私を諭してくれた。

 再び歩き出せるように背を押してくれた、手を差し伸べてくれた。背中で語ってくれた。

 ヒーローはピンチを救ってくれるだけじゃない、その背に希望を夢を見せ、

 辛くって泣いてるのを笑顔に出来ればその人はヒーローに成れる

 でも、雄貴さんはどっちかと言うと『おやっさん』ポジションだけど。

 だから、『足長オジさん』」

 

言いたい事を言い終えたのか簪はまたウトウトし始める。ヒーローだと彼女は言っているが、

本音は自分を有りの侭に見てくれて守ってくれる存在を欲したのだろう。

ただ、彼女の趣味が入って『ヒーロー』という名称になったことが伺えた。

すっかり安心しきって夢心地の彼女の頭を本音が優しく撫でる。

その様子、そして彼女の慈しみの表情に周りの皆はマジマジとまるで別人の様に見た。

この場では彼女の心根を見たリアハ以外には分からないだろうが、これも彼女の一面である。

そして、そのまま彼女は自分の番であると語りだした。

 

「今度は~わたしの~番かなぁ?う~んとね、ちぇろんと被る感じになるけど~わたしは~

『懐の深さ』かなぁ?」

 

本音は今日の昼頃に十千屋達に語った様な内容を話す。

自分の一番は簪である事、何時までも共に居たい事、そうであるべき為にも自分(本音)彼女()

オマケ程度の存在でもいい事などだ。

一体この目の前に居るのは誰だと誰もが思った。普段の空気が抜けている様な天真爛漫の姿からは想像も出来ない姿に皆は唖然とする。

 

「でも、わたしは認めて貰えた。かんちゃんのオマケ(付属品)で無くただ一人の本音()として、

 そしてかんちゃんが大好きで仕方なのないわたし全ても」

 

嬉しそうに語る本音はいつもの表情に見えるが、雰囲気がその目の奥に見える光が教えてくれる。これは()()()であると。

さて、話を戻そう。十千屋は自身に向ける好意ではなく、別の方向()の好意を分かった上で本音を

受け入れた。回り回って自分に来ると理解できる好意ではあるが、普通なら別物であると理解し

納得がいかないだろう。

しかし、それが彼女の愛し方だと分かったから彼は、自身を愛する簪を愛する本音を丸ごと

受け入れたのであった。そこには卑屈や何もかも無い。これが自分(十千屋)の愛する彼女(本音)だからである。

随分と遠回りな言い方になってしまったが、個人を見ながら全て何人も受け入れるさまを本音は『懐の深さ』と形容した。

 

さて、残す事あと一人なのだが今まで聞いていて、一夏側の女性陣は十千屋の事を推し量りそこねていた。いい人である事は付き合ってきて分かっている。けれども、正義とか道徳とか社会的とは言いづらい。

彼女らをどれだけ愛しているのかは見て分かる。だが、幼い頃から刷り込みしたり、未成年に手を出したり、何人も娶ったりと節操がない。

 

「ねぇ、箒…アイツってさ、もしかして性根は()の付く自営業タイプ?」

 

「あ、あぁ…そうだな。正義とか大義とかよりも、仁義や狭義-自分の価値観と家族が

 なによりも優先だと何となく分かる」

 

「うん、何かマフィアっぽいよね。あぁ、十千屋さん達は自分自身のグループの事を

 《ファミリー》って言ってた気がするけど…別の意味に聞こえてくるよぉ」

 

鈴が何となく上げた一例が全員へと染み渡り、戦々恐々する。自分の家族を大事にし、

自身の定めた最後の一線(ルール)を守り、いざとなったら力を振るうのに躊躇いはない。

それはまるでヤクザか何か(アウトロー)の生き方であった。

 

変な方向に進みつつある恋バナ大会であるが…遂にオオトリとなった。なってしまった…。

 

「最後は私ですね。ん~難しいですね。何せ生まれて来てこのかたの付き合いですから、

 酸いも甘いも知り尽くしてしまってますし」

 

「でも、Mutter()Vater()を愛してるから結婚したのではないのか?」

 

「それは勿論ですよ、ラウラちゃん。

 余り良くない所も知ってますけど、良い所もたくさん知ってますし、

 何よりも語り尽くせないほど私を愛してくれてるのは分かってます。それに…」

 

この話のオオトリはリアハであった。恋バナと言うには十千屋とリアハの関係は成熟し尽くしているが、互いに愛し合い思っていることは彼女の雰囲気から伝わってくる。

 

「テクニックも疎かにしませんし、持久力はこちらが満足するまでガッチリ有ります。

 けど、マニアックなのが珠に(きず)かしら?ネコさんとかキツネさんとか、授乳におもらしとか…

 

「お、おば様…?///」

 

が、やはり十千屋とリアハは年齢は若いが二十年以上の付き合いの熟年夫婦。話しが恋バナから

下ネタへと脱線し、セシリアが赤面しながらも軌道修正を試みる。

うら若き乙女達と言えどもリアハが零す内容は何となく分かるものである。

青き性の(ほとばし)りのせいで頬の紅潮はよけられなかった。

その中でチェーロだけは怪訝な表情をし、次の様な事を告げ口する。

 

「ねぇ、ママ。本気で喋ったらどう?」

 

「チェーロ!?それはっ」

 

「轟ちゃん、何だかんだで付き合いが長くなりそうだからボクら側の本性を知って貰った方が

 いいんじゃない」

 

「一理あるけど、普通は引くわよ」

 

「それはそれで良いんじゃないかな?(付き合いが)深くなる前に丁度いい距離感を掴むためにも」

 

「ちょろん~、どういうこと~?」

 

「今に分かるよ。では、ママ…どうぞ」

 

「え~…んぅ~っとね?」

 

チェーロの台詞に轟が妙に反応したが、彼女の言い訳に否定的であるが賛同する。

彼女らのやり取りが分からない皆を代表して本音が聞くがすぐに分かると言い、チェーロはリアハを促した。

分からないままリアハがまた語りだそうとした時、一夏側の女性陣はヒッと短く息を飲んだ。

なぜなら彼女の様子が…

 

「私はユウさんの事を愛してます。その好きな所も嫌いな所も 強い所も弱い所も 堅い所も脆い所も 綺麗な所も汚い所も 優しい所も厳しい所も 温かい所も冷たい所も 明るい所も暗い所も 毅然とした所も情けない所も 気丈な所も気弱な所も 素直な所も頑固な所も 無謀な所も計画的な所も 謙虚な所も横暴な所も 情熱的な所も冷静な所も積極的な所も消極的な所も 鋭い所も鈍い所も 誠実的な所も不誠実な所も 勇敢な所も臆病な所も 博愛的な所も自己中心的な所も まだまだ言い表せない全て 全部 総べて 皆 凡て 全部 全体 一切 総て 何もかも愛してます」

 

要約すればリアハは十千屋の良い所悪い所全て知った上で愛している、と言いたいのだろう。

それは先程の話しと同じだ。

だが、彼女はその対義語を澱みなくスラスラと喋り続けそうになり、極めつけは途轍もなく

穏やかな表情をし澄んだ目をしているが…その目には光は一切なく漆黒に染まっていた。

愛憎すらも生易しい()()()が彼女にはあり、それは十千屋へと向かっていると嫌でも理解させられる。

その中でシルヴィア(ヤンデレメイド長)に会った事あるシャルロットはこう思った。

彼女(シルヴィア)がヤンデレになったのはこの夫婦のせいであると。

チェーロの言っている事はある意味正しかった。彼女ら、十千屋ファミリーは確かに優しいと思う。しかし、そこには何かしらの狂気が渦巻いているのだと知っておかねば、踏み入れた時に

飲まれてしまうのだろう。

 

「…うふふ、もうっこんな事オバさんに言わせて恥ずかしいわ」

 

「あー…うん。相変わらずだよねママは」

 

「ふぅ、簪に本音。こんなのと分かった上で私達に付いてくるの?」

 

「今更、もう私は離れられない」

 

「わたしは~ある意味で同類だから~気にしない~!」

 

狂気と平常を理解し使い分けるのが十千屋ファミリーの強さの秘訣なのかもしれない。

 

「あら?ちょっと刺激が強すぎたのかしら。

 う~…んっと、じゃあ男の子を堕とすアドバイス的な話はどうかしら?」

 

どこか引き攣り気味なメンバーを見てリアハは話題を変えようとする。

話題が話題なので皆は嫌な余韻を振り切るかの様に賛同した。

…が、確かに為になった。共感できる所もあった。しかし、経験者(人妻)による具体的すぎる男女の現実的(リアル)な愛欲・性欲・情欲的な話題に乙女達は今度は別の意味で停止する。

落ち着かなくなる者、取り乱す者、思考が停止するもの、興奮状態なまま聴き続ける者、

よく分からない者、飲み物を煽り続ける者と様々な反応をし続けながら話しは続く。

結局、この話題は十千屋と一夏が戻ってくる直前まで続き、彼らが戻ってきたと同時にこの宴は

お開きとなった。

一夏は十千屋のせいで、箒達はリアハのせいで微妙に顔を合わせづらい妙な雰囲気のまま

皆それぞれの部屋へと戻っていく。

 

「…本音さん、なにナチュラルにおじ様に付いて行こうとするのですか。貴女はコチラですわよ」

 

「やぁっ~~、わたしは~とうちゃんさんと、リア奥たまと、かんちゃんとで~州の字に寝るの~!」

 

「何を羨ま…ゲフンッ 年甲斐もない事を言ってるのですか。戻りますわよ」

 

「やぁ~~らぁ~~~…」

 

「…雄貴さん、寝る?」

 

「今日はもう素直に戻れ簪」

 

「かんちゃん、また明日ね」

 

「はい…」

 

帰り際にこんな事もあったが、ちゃんと全員は指定された部屋へと戻り明日の為に寝に入っていった。

 

「リアハ、アイツから連絡があったか?」

 

「はい、試験運用の為の機材と一緒に予定通り来るみたいです」

 

「本当は家で大人しくしていて貰いたいんだがな」

 

「大丈夫ですよ、シルヴィアちゃんも一緒ですから。

 あまり過保護すぎるのも良くありませんよ?」

 

「…まぁ、アイツにとってチャンスでもあるかな。けど…」

 

「けど?」

 

「絶対にひと悶着は避けられる気がしない」

 

「フフフっ、そうですね」

 

 

…どうやら波乱の臨海学校は続くようだ。明日はIS各種装備試験運用とデータ取りの日。

一体何が起きることやら……。

 

 

 

――おまけ:未来の可能性・・・――

 

女子会の途中、リアハは千冬に向かってこんな事を言い出した。

 

「織斑先生?」

 

「なんですか、十千屋夫人」

 

「一夏君と一緒にウチ(十千屋家)の子になりませんか?」

 

「…… ゴクゴクゴク…フゥ…一体何を言ってるのですか貴女は?」

 

千冬はあまりの話題についてこれず、一拍空け、ビールで喉を潤し、

一息ついてからようやく聞き返せた。

その様子にリアハはごく普通に言い返してくる。

 

「私は先生も一夏君も、もっと大人を頼っていいと思うの。貴女たちを見てると互いに大事にし

 過ぎて動けなくなりそうで怖いわ」

 

「十千屋夫人…お気遣い「それに…」あり…?」

 

「一夏君がお嫁、じゃなかった。お婿に行った後、先生の生活が不安だわ。私生活と家事は一夏君に任せっきりと言うし。この前、私とシルヴィアちゃんで先生の()部屋を片付けた事を思うと世話をしてくれる家族が必要だと思うのよねぇ」

 

「(……ゴクゴクゴク!)」

 

リアハが語った理由が理由なので千冬は持っていたビールを飲み干して誤魔化しに入る。

こうして強制的に一息つかせ、いつものキリッとした表情で彼女に返答する。

 

「十千屋夫人、お気遣いどうもありがとうございます。しかし…」

 

「しかし…?」

 

「私には同い年の母親と年下の父親など、い(())ないっ!」

 

「あらあら」

 

彼女はこう言い返したが…千冬よ。一夏()の攻略ルートによってはそう呼ばなくてはいけない未来がある事を知っているか?

行先は…誰にも分からない……




今回で臨海学校一日目が終了します。
…長い、いったいどれだけ掛かっているんだ自分は。(;^ω^)
しかも予定では二日目のスクランブル直前まで行こうと思っていたのに、この有様だよ。
途中で五千文字を超え、一旦ここらへんのキリの良い所まで書いて終わらせようとしたのに…
結果、九千文字近くに。
趣味だし、予定は未定ですけど、こうも躓くようだったら主要部分までダイジェスト的な感じの方がいいのだろうか。
でも、好きに書いていたほうがキャラが想像しやすいし、悩みます。

さて、次回は二日目に入っていき福音が登場する日になります。
しかし、今の展開スピードでは…あと一・二話掛かるかもしれへんね(^_^;)
でも、次回こそはアノ人が登場します!お楽しみに!!

そして、感想や誤字脱字・ここが文的におかしい等のご報告も謹んで承ります。
では、もし宜しければ次回お会いしましょう。
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