ステラを放つその日まで   作:蓮太郎

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 長く失踪してました。リアルが忙しかったりCCCコラボ頑張ってたりと…………
 皆さんはCCCコラボどうでした?我がカルデアにフランちゃんとリップが来たから満足です。


悪魔は眺め、そして嗤う

 芦屋新志が結界に穴を開けて戦場に侵入した時、統合されたエクスカリバーを持つフリード神父と木場佑斗の戦いが終盤に差し掛かっていた。

 

 突如結界を破られたことに気づき一瞬だけ気を取られたフリード、その僅かな隙を見逃さず、新たに得た『 双 覇 の 聖 魔 剣 (ソード・オブ ・ビトレイヤー) 』を持ってして叩き折ったのだ。

 

 木場佑斗は遂に念願のエクスカリバーの破壊を達成したのだ。

 

 乱入した新志は割とあっさり(・・・・・・)折れた『約束された勝利の剣』に失望しつつ、間近ではないとはいえ、よく見ると「ああ、そういうことか」という納得の表情を見せた。その表情を見た者はその場にいない。

 

 名すら覚えるに値しない小物(バルパー・ガリレイ)が表情を強張らせ何かをつぶやいている。

 

 今回の事件の元凶でもある男は何としてでも消さなければならない、その考えは恐らく悪魔側全員が思っていた。

 

 何故、どうしてと思考を巡らせ、肝心のところを叫ぼうとした時に小物(バルパー)の胸が光の槍で貫かれーーーーなかった。

 

 コカビエルがバルパーを殺そうと放った光の槍は1本の矢によって消されたのだ。

 

 肝心の所が言えず、その上上司とも言えるコカビエルに殺されそうになったバルパーはその場で尻餅をついてしまう。

 

 そして、新志が光の槍を落としたことによる怒りを見せつつ睨むコカビエル。

 

 傍目には格好つかなかった事を怒るように見えるが…………

 

 コカビエルからしたら、下等な人間に慢心していたとはいえ、自慢とも言える力を簡単に破ったのだ。

 

 明らかに赤龍帝の倍加と譲渡を使っても勝てるはずもないグレモリー眷属を無視して確実に新志を始末しようと先ほどより力の入った槍を放つ。

 

 新志も自身の神器である『射手の英雄(ザ・アーチャー)』を即座に構えて放ち相殺する。

 

 相殺したということは、少なくともそれほどの力を有しており、また余裕の表情からして加減されたということを理解したコカビエルはさらに吠える。

 

 今度こそ仕留めんと前方のみとはいえ数十もの光の槍を展開し放つ。弓矢は連射できないと決めつけているからこそ数を揃えて放ったのだ。

 

 しかし仕留めきれなかった。連射できないという常識を覆し矢を高速で連射することで光の槍を全て相殺したのだ。それも、また余裕といった風にしながら。

 

 怒りに怒り我を忘れたように叫ぶコカビエルはあることを口から滑らせた。神は既に死んでいるという、ここにいる元を含めるシスター二人にとって衝撃的な事を喋ったのだ。

 

 神の不在という単語はシスター二人を今だけとはいえ動けなくするほどの衝撃であった。新志は特に何も感じてないが。

 

 そして改めて芦屋新志に殺意を向け接近戦に持ち込もうとしーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 映像はそこで途切れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「む、いいところだったのに」

 

「いえいえ、もう結果は分かってるでしょうに。コカビエルと『アーチャー』の戦い、あれはどう見ても『アーチャー』の勝ちです」

 

「それは、まだ分からない」

 

「割と気になるんですね。少し意外です」

 

 場所は映されていた戦場から遠く離れた一室と記しておく。

 

 観戦していたのはサングラスを掛けている男と黒髪で露出がやや多めな幼女。しかし、どちらも普通の人間ではない雰囲気を出していた。

 

 だが幼女の方は気になっていたテレビ番組を消されたように少しむくれていた。

 

「アーチャーらしく正々堂々と弓矢を使ってましたが、見たところ一発一発が宝具よりやや弱い程度。何の手がかりにもなりませんねぇ」

 

 サングラスの男は顎に手を当てて考える。現代ではパソコンで英雄達の詳細を調べることはできるが、アーチャーは本当に弓矢しか使っていないので対象を全く絞れないのだ。

 

 実際は双剣使いのアーチャーとか居るので簡単に絞れるはずもないが。

 

「アーチャーは、そこまで弱くない」

 

「ええ、コカビエルの槍を矢の一本で弾くのはリアス・グレモリーには出来ないでしょう。というか既に天使に堕天使、それに悪魔にまで目をつけられてる時点で面倒ですね…………」

 

「何か不都合?」

 

「彼の力が目立つと他の陣営が彼を得ようとします。そうしたら彼にバックがついて面倒になるんです」

 

「ん、そんなの倒せばいい」

 

 簡単に言ってくれますね、と肩を落とす。この男は既に自分の敵を半分ほど見つけて観察している。

 

 そして一緒にいる幼女はある組織にいたところを口八丁でこっそり引き抜いたという。別にロリコンという訳ではなく彼女の力が必要になるからだ。

 

「あのアーチャーはまだ何か持ってると見たほうがいいでしょう」

 

「『キャスター』、何か甘いもの」

 

「さっきポップコーン食べてたじゃないですか。ダメですよ、食べ過ぎは」

 

「分かった、さよなら」

 

「冷蔵庫に昨日作ったプリンがありますから」

 

 注意していたものの結局自らプリンを差し出すサングラスの男。甘い物を与えたせいでこういう事が多々あるのが彼の悩みでもある。

 

「貴女がどこかへ行ったら世界も私も本当に困るんですよ。前の組織では完全に騙されてたじゃないですか。今頃は貴女が居なくなって大慌てでしょうけど」

 

「じゃあ、キャスターも、我を騙してる?」

 

「いえ、あんな負けフラグ乱立してるような組織にいるよりこちらの手段が確実かと」

 

 二人には目的があった。二人には個人的な願いがあった。

 

 片や静かに暮らす場所を。

 

 片や自身が存在する証明を。

 

 そしてそれは二人が一緒でないと手が届かない戦いに身を投じることにした。

 

 本来なら行われないはずの戦争に、一介の人間下すことで始まる戦いに。

 

 既に七騎の英霊が降りている。キャスターは知らぬが芦屋新志にアーラシュ・カマンガーが降りている。

 

 キャスターはかなり特殊なケースだが『ーーーーーーーーーー』が降りている。

 

 まだ動いてない者もいるが、戦いは本格的に始まろうとしていた。

 

 

 

ーーーーーーさあ、聖杯戦争を始めよう。




〜幼女がプリン食べてる一幕〜

幼女「もぐもぐ、甘い」

術「まあ、案の定あのエクスカリバーは偽物でしたけどね」

幼女「全盛期は、あれと比べ物じゃない」

 急展開な上に真相を明かしちゃうキャスターさん家。

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