Wヘリックス×2&クリスタルW×2「やあ」
間違いなく遊戯王に運を吸われてますこの頃
最近はあまりつけないテレビをつけてみた。聖杯戦争が始まってから常に警戒しつつ自宅で過ごしているが、そろそろ全陣営に場所バレしている可能性もあるからどうしようか悩んでる時だった。
深く考えすぎてもダメだと思いつつテレビのニュース番組を見たんだ。それがキッカケになるなんてその時は思いもしなかった。
「いつの間にかあの芸能人離婚してたんだ」
独り言を言いつつアザゼル総督から来ていたメールを確認する。そういや冥界に行ってたんだっけ。そこで猛修行してレベルアップを図ろうとしてるらしいけど大丈夫かな?
特に姫島先輩と塔城さんが自分の力に向き合ってない感じを出してたし、さらにトラウマになってると見ている。正しいかどうかは定かではないけど少し心配だ。
『速報が入りました。アフリカ大陸の一部がテロリストに占拠されたとの情報が入りました』
テロリストがアフリカの一部を占拠ってある意味スケールでかくないか?神器を使ってもそんな簡単に。
『テロリスト首謀者はイスカンダルと名乗っており全世界に向けて世界征服を行うと宣言をしました。なお、映像は入手できませんでしたが首謀者の写真はこちらになります』
……………………いや、まさかそんなことはないだろう。俺の知ってるイスカンダルはマケドニアから征服して行ったんだし世界征服なんて頭がおかしい奴らが言うことだ。
そしてテレビ画面いっぱいに首謀者の画像が映し出された。
横からでも分かる筋骨隆々の偉丈夫。ひげ面には粗野な印象と威厳、そしてテレビ越しでも不思議な愛嬌が混在するように感じる。そして隣にいるのはロングヘアーで不機嫌そうな顔をしている男性。
…………………………………………おい、何してるんだあんたら。
思いがけずライダーの正体を知ってしまった。いや、宝具は分かるけどいろんな意味で相手が悪い。
ライダーことイスカンダルがこの世界で何が厄介なのかというと、彼のカリスマ性と俺は思うんだ。考えてみよう、割と欲望に忠実な彼だが圧倒的カリスマ性でFGO内のマスター達とZero視聴を感動させた男でもある。
力があろうが無かろうが征服王に忠誠を誓う者もたくさんいるだろう。それが神器使いであろうともだ。
困った…………もしもの話だが悪魔や堕天使の上位に値する奴がライダー側についたらこっちの情報も漏れるだろう。固まった思想をほぐすのも上手いのが征服王だ。
行方不明とされている神滅具所有者を誘ってるかもしれないけどそう簡単にはいかないだろう。なにせ兵藤先輩みたいな曲者ばかりが歴代の神滅具所有者だってアザゼルから事前情報を貰っている。
それにやっぱり単純な弓矢だけじゃ攻略が難しくなってきたことを感じてきている。宝具は威力が高いけど俺が死んでしまうデメリットがキツすぎる。せめて5回は使いたいんだが…………
もし神器に一回死ぬのを堪えるってものがあれば借りたいもんだ。それくらいじゃないとこの聖杯戦争には勝てない。
…………叶えたい願いもないんだけどな。マスターの立場にあたる人がいれば何か変わってたかもしれないけど、はぐれサーヴァントみたいな感じだからなぁ、俺。
あの時、ランサーとセイバーはともかくキャスターはパートナーと一緒にいた。もしかしたらキャスターだけでなく俺やランサー達にもマスター的な存在がいるんじゃないかって思うんだが、誰かとのつながりは全く感じられない。
話が逸れていったな。今はライダーのことについてどうするべきか考えよう。
ライダーは今アフリカ大陸にいるってことだから俺が向かおうにも遠すぎる。魔法とか使ったら別だが向こうの人材によってはすぐに対応される可能性だってある。
人材によって状況が変わるが、ライダーの純粋な戦闘力は明らかに上位になるだろう。FGOじゃなかったけど例の戦車を出して雷を放ちつつ移動されまくったら矢が当たるかどうか怪しくなってくる。
ゲームのようにぽんぽんと当たるわけがない、現実を見て練習もしないとな…………
うーん、練習場所はないがどうするべきか。弓道場も既に立ち入り禁止にされたんだけど、バレなきゃ大丈夫か。
動かない的を撃ち続けるのは意味ないのかもしれないが、もっと連射をスムーズに出来るように訓練しておこう。
〜●〜●〜●〜●〜
一方その頃、彼の隣の部屋にて。
「……………………なんということだ。魔法少女なのに熱い演出と泣かせるシナリオ、これを名作と言わずになんというか!」
「まさか全部見るとは思ってなかったにょ」
セイバーがミルたんの部屋に上がり込んで魔法少女ミルキーのDVDを一括で視聴していた。なお、これは隣の住人にバレてるがどうしようか悩んで今のところは何もないという結論に至ってアクションを起こしていなかった。
「この世界の仕組みはある程度理解できた。なるほど、セイバーという立場に甘えていたが、転職するのも悪くない!」
「セイバーちゃんは聖杯?をめぐって争ってたのには理由があるのかにょ?」
「もちろんだとも。だが、余は聖杯に願うことは今の所ない。ううむ、此度はかなり異色な上に神秘が残ってるせいで本当に願いが叶うかどうか」
「それはミルたんが魔法少女になることも?」
「無論、願えばなれるだろうな。いや、待てよ。彼女(?)の魔力は目をみはるほどあるはずなのに一切漏れていない…………マスターとしては最適なのではないか?うむ、最適であろう」
「ちょっと聖杯を手に入れてくるにょ」
「待つのだ!」
案外
…………何故だろう、放置してても本当に聖杯を取ってきそうだ。
「魔法少女を目指す者よ、余のマスターにならんか?無論、聖杯を手に入れた暁にはその願い叶うであろう。…………ほっといても叶いそうだ」
「やるにょ!セイバーちゃんと一緒に魔法少女を目指すんだにょ!」
「うむ、これで契約は成立だ!これでようやく魔力不足を補える」
こうして破天荒な二人組が出来上がる。これが聖杯戦争に、いや、世界にどう響くかはまた別のお話…………
「……………………嘘だろ、おい」
隣の住民はセイバーに(ある意味)最強の共がついたことにより軽い絶望を覚えたとか何とか。
術「明らかに主人公より主人公しそうなペアができましたよ!?」
龍「英雄派、ライダーに取られてた」、
術「それもそれで危険事項なんですが…………展開が無理矢理すぎる、これも世界の意思ですか…………」
龍「キャスター、何を言ってる?」
術「いえ、こちらの話ですよ」