ウェイバー・ベルベットにとってそれは理不尽だった。魔術の講師をしていたある日突然イスカンダルを名乗る大男に連れ去られて閉じ込められた挙句話をしようなどと言い出された時はどうするか悩んだ。
魔術師としては三流のウェイバーだが、講師としては分かりやすく教え子が優秀になるため人気があるが、本人は気づいていない。
逃げようにも魔術は軽くいなされ弾かれるため話し合いに応じるしかなかった…………その話し合いはただの夢の語り合いになることも知らずに。
イスカンダル大王は大嫌いな人種だ。卑屈なウェイバーにとって彼はウザく見え、そして眩しい存在だった。
言い出しっぺのイスカンダルから夢を語り、ウェイバーはそれを眉をひそめながら聞いた。
世界征服、かつてイスカンダル大王が成し遂げようとして道半ばで潰えた夢。日本で例えるなら馬鹿な子が七夕に短冊に書く程度だ。それでもタチが悪いことに大男は本気だった。
最近胃痛が増してきたばかりのウェイバーに追い打ちをかけるのかと頭を悩ませる彼に対して夢を語れとせがむイスカンダルの図はある意味面白いものになっていた。
それが大きな間違いだったと今は後悔しているが。
「先生、またため息をついてるんですか。日本じゃため息をしすぎていたら幸せが逃げていくと聞きましたが」
「…………曹操か、そんなものは迷信だ。少なくとも魔術では立証されていない」
「相変わらず堅苦しいですね」
曹操と呼ばれた青年があきれた様子で言うが、ウェイバーは眉間のしわを寄せるだけだ。
「大体、なぜ私が軍師なんだ!別に私でなくとも最良の参謀がいるだろうにあの馬鹿は!」
「まあまあ、先生のおかげで俺たちは勝ててるんですから。王の参謀として、俺たちのような馬鹿者を導けることほどの技量がある貴方はもっと誇ればいい」
「自覚があるなら問題を起こしてくれるな!いつも私にスカウト後の教育という名目でお守りまで押しつけやがって…………」
「それはヘラクレスとジャンヌに言ってください」
かつて禍の団に所属していた曹操が率いる英雄派はイスカンダル大王を名乗る男が現れたという話を聞き、テロリスト特有のフットワークの速さで現地に向かった。
本人たちは美香氏の英雄の子孫であり魂を受け継ぎ英雄を目指しており、イスカンダルもその魂を受け継いだ者だと考えていた。
蓋を開けると逆にスカウトされた。
イスカンダルは彼らを逆に世界征服に勧誘したのだ。もちろん一回は断ったが、なぜ英雄を目指しているかなど問答をしているうちに曹操らの心は折れた。
相手がイスカンダルを名乗る現代人だったら一笑に尽きる話だ。だが、本人という本物という英雄の前では彼らが英雄の子孫だから英雄になると言い張っても論破される、何を言おうと穴を突かれ勝てないのだ。
さらに極めつけにイスカンダルは彼らに宝具を見せつけたのだ。かの砂漠には彼らより力、武器は衰えど一人一人が英雄の軍勢を。
軍勢に負けたが殺されず、ライダーは彼らに考える時間まで与えたのだ。結果、英雄派は禍の団を裏切りライダー陣営につく事になった。
「まったく、あの時はライダーが大体の魔力を使ったとはいえ私からも不意打ちでエネルギーを取られて意識を失いかけたんだぞ…………」
今でもぐちぐち言うほど根に持っている先生に曹操は苦笑するしかなかった。
「それはいいでしょう、ところで次の侵略先は…………」
「予定が変わった。日本に行くぞ」
「日本?なぜいま極東に?」
「まったく、侵攻もそうだが本来私とライダーにはまずやることがある」
またため息をついて今後のことを思う。力を安定化させていないのにこんなに部下を増やして後のことは考えていない能天気なライダーを思い、眉間にしわを寄せた。
「王の覇道に聖杯は必要だ」
〜●〜●〜●〜●〜
「…………まずい、非常にまずい」
寝そべりながら俺、芦屋新志は考えていた。
隣の部屋からセイバーの声が聞こえたと思ったらミルたんをマスター認定していた。つまり、だ、キャスターがオーフィスとやらと一緒にいたのは彼女がマスターであるからではないか?
ニュースになったライダーもロード・エルメロイII世っぽいのが見えたため彼がマスターなんだろう。
そして俺はマスターに当たる人物はいない。令呪を持つマスターがいないとダメじゃんこれ。
まず最初から野良サーヴァントという事なのが疑問に残るが、敵にマスターが居るとなれば令呪ブーストをしてくるだろう。
不意打ちで令呪ブースト攻撃食らったらどうなる?流石に俺もひとたまりない。
本格的にまずくなった…………ん?インターホンが鳴ったな。まだ昼前だが何か宅配便でも来たか?
「すみませーん、お届け物でーす」
敵意どころが魔力反応すらないただの人だ。本当に宅配便のようだ。多分だけど母さんが何かを送ってきたんだろう。
ひとまず判子を押して少し大きめのダンボール箱を受け取る。たまに送ってくる食品にしては少し大きいような?
いや待て、これ俺でも見逃しそうなくらい隠蔽をかけてやがる。送ってきたのは母さん名義だが、これは何なんだ?
ガタガタッ
こいつ動くぞ!?魔法生物でも入ってるのか!?それやりそうなのはキャスターだが生きてたとしても生物を送りつける回りくどい事をしない筈…………多分?
弓矢を出して鏃でガムテープを横から切る。ガタガタと動いてるけど、人目がある場所で開けられるわけもない。
人がいなくても昼前にこれを外に持って行きたくないし下手に中身をぶちまけた時が怖い。
縦に貼ってあるガムテープを鏃で切りすぐに構える。
「…………ふぅ、宅配便で運ばれるのはダメですね」
「………………………………は?」
中から出てきたのは、その、ミニくーちゃんやイアソンくんとかエジソン君は分かるだろうか?それの母さん版だった。
…………ああ、なんか似てるとは思ってたよ、でも世の中には似てる人は何人かいると言うくらいだし気にしていなかった。だが、それで確信したよ。
「久しぶりですね新志、元気にしてましたか?」
「…………母さんがバーサーカーだったなんて知らなかったよ」
「あらまあ、何故私のクラスを?」
「アサシンとバーサーカー以外は知ってる。んで、母さんにアサシンは似合わない」
首をかしげる小さな母さん、いや源頼光はクスクスと(これが本人の姿なら)妖艶に笑った。
新志がまだ直接、間接的に知らないクラスはアサシン、親子で殺し合いをしなければならない事実を突きつけられるも、悲しい事だが聖杯戦争はまだ序盤であった。
*注意、ここから勢いとノリが熱いうちに書いた経験値次元です。違和感覚える人はさっと読み飛ばしてください。
術「時械神ラツィオンを召喚、ターンエンド」
龍「む、ドロー、スタンバイに千ダメージ受けてメイン、トーチ、トークンからリンクリ2枚、アカシックでトーチ戻す、トーチ」
弓「まーてい!何でお前ら遊○王やってんの!?」
龍「黙って、今いいとこ」
術「ギャグ空間とはいえ来ちゃダメでしょう。この作品サボってたのはリンクスが楽しくて遊戯○熱が再燃したからですよ。他の作品も遊戯王ネタメインで進めてますし」
弓「それ言っちゃダメだと思うんじゃが」
帝都弓「儂の真似をするんでない!」
弓「登場人物ですらないのが来た!?お帰りください!」
龍「FWDでトーチとラツィオンバウンス、総攻撃」
術「あー、これ私の負けですね」
弓「さらっと○戯王続けんなし!」
帝都弓「あ、儂も混ぜて。六武衆持ってきた」
弓「何で精通してる!?刑部姫来ませんでした!」
ちゃりん娘「すみません、この人連れて帰りますので」
弓「また別の人キター!?」