時の流れとは残酷なものだ。という言葉はよく言えているだろう。
『俺』という人生が新たに始まり7年が過ぎた。
当初は毎日これは夢だと念じて、布団に入り起きて現実を見るという生活を繰り返していたが、もう慣れたと言うべきか。この生活を普通と感じてしまっている自分が居るようだ。時よりも「慣れ」という事の方が或る意味恐ろしいな、と改めて痛感した。
そして7年という歳月を経て得た現在のこの世界について分かっていることは、ここには人や鬼以外にも、多数妖怪が住んでいる様であり、やはりこの世界はあの『世界』とは別だと改めて思った。そして更に、この世界には『能力』と呼ばれる力があるらしく、目覚める者、目覚めない者、が居るらしい。そしてここまで来て、俺の中で一つの答えがでた。もしやここは東方Projectの世界ではないのかと。
能力や数々の異形の者達。しかしこの世界を東方とするには決定打が足りない。まだ様子見をするべきであろう。
「じゃあ、お父さんとお母さんは行ってくるね」
と玄関から両親の声が聞こえてくる。
「うん、いってらっしゃい」
「じゃあ頑張ってくるな」
両親はどこへ行ったかと言うと、今はどうやら妖怪同士で争っているらしい。戦争という奴だ。そして厄介な事にうちの両親は鬼の中でも屈指の強さを誇っているらしく、毎日の様に戦争に駆り出されている。帰ってくるのは夜中、しかも明け方辺りだ。そして少し食事を取り、昼頃には出ていく。そんな生活をここ半年している。
どこの世界でも争いは絶えない様だ。
何故争うのだろう。そして両親は誰と争っているのだろうか?
子供であるが故にどこと戦っているかという事は耳に一切入らないのだ。
--あれから更に2ヶ月が過ぎた。
遂に戦争の代償と言うべき悲劇が起きてしまった。
---そう、父と母が死んだのだ。
「--という事なんだ。すまない。」
「はい、わかりました。父も母もよく頑張ったと思います。そしてなるべくしてなった結果です。どうか御自身を責めないでください。」
「…本当に申し訳ない」
男性は申し訳なさそうにそう言うと扉をゆっくり閉めて去っていった。
……両親が死んだ、しかし彼には一切悲しみと言った感情は湧いてこなかった。薄情だとかそんなものではなく、一切どういう感情も湧き上がって来なかったのだ。元々自分はこの世界の人間ではないのだ。ましてやこの世界の両親は血縁的には繋がっていても、意識的には繋がっていない。そう言った思考が感情を妨げているのだろう。
「…我ながら最低だな」
自然とそう言う言葉が出てしまう。それもそうだろう、人が死んだのだ。
人と言っても他人ではない、血の繋がりを持つ人が死んだ。しかし彼は涙を目に浮かべる事も、あまつさえ、表情すら変える事も無いのだ。
--両親の死から、幾年か経った。十年と少しという所だろうか?
あれから何か変わったかと言えば、戦争が終わった事、そして争っていた相手は『人間』であるという事。
人間相手に両親が死ぬはずが無いと疑問に思っていたら、どうやら酒に毒を盛られていたらしい。
そして更に、ここは東方Projectの世界で間違いないという事。
何故それに気付いたか、それは原作とも言うべき登場人物が出てきたからである。
--「おい、鬼々どうしたんだ?」
--噂をすれば、その原作の登場人物から声が掛かった。
長い薄い茶色の髪で、いつもの酒臭い瓢箪を下げながら、俺に話し掛けてくる。
「なんだ、萃香か」
そう言うと彼女は
「「なんだ」とはなんだ、この私が話し掛けてやったんだから、もう少し嬉しそうにしたらどうなんだ〜?」
と、いつもの如く酒臭い彼女が言ってきた。
「今日も勝負する気か?」
「珍しく今日は積極的じゃないか」
そう、実は俺と彼女は2年ほど前に知り合っている。
そして訓練という名目でよく戦って居るのだ。
実を言えば彼女と俺は、あまり歳が変わらないらしい。
つまりここは原作より前の時代から始まっているのだろう。
「やっぱりお前って本当に何歳なんだ?」
「女性に歳なんて聞くもんじゃないぞ?」
といつもの様にはぐらかされてしまう。
「……さて、俺は少し旅に出るよ。」
「へえ、なんでまた旅なんかに?」
と萃香が不思議そうに聞いてくる。
「思う所があってね。少し確認しに行く。」
「ふうん、まあ頑張んなよ。」
旅の支度を終えて、もう出ようとした時萃香が
「帰ってきたら、土産でもくれよ?」
と言って霧になって消えた。
「さて、旅に出たはいいものの、どうしたもんかね?」
こうして、この世界での俺の旅は始まった。
to be continued
少し失踪してしまいそうな予感がしてきました……
でも頑張って書いていきますので、宜しければ今後ともお付き合いくださいませ。
※しばらく失踪します。
理由は作者が学生だからという事と、面倒臭くなって来たからです。
超絶不定期で月一更新で多分やります。書いては居るのでご安心下さい。まあ見てる人が居るかどうかわかりませんが、取り敢えず感想欄に罵倒やなんかを書いてくれれば、ドMですので少しはモチベが上がるかも知れません。