東方嘘吐録   作:青齧歯

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外の世界

さて、旅に出たは良いけど、何をするべきかな?

ここはまだ時代的には原作よりとても昔の筈だ。

萃香が俺と同い年とか言ってる事、まあこれは信用ならないけども。

それに、他の登場人物に余り会っていない事も理由の一つだ。

 

まずは今がどの時代かという確認をする為に鬼のコミュニティから抜けたんだ。

 

しかし、思いきって旅に出ようと考えてみたものの、いざ何処へ行くか考えるとなると何もアテがない事に気付かされる。

 

 

「どうしたものか……」

 

一人寂しく呟きながらさっきまでの道を振り返る。

鬼の集落から大分離れてだんだんと小さくなっていく故郷を見る。

 

「取り敢えずは歩くしかないか。」

 

そう決め、北か南か西かはたまた東か全くわからない状況で自分の行きたい方向へと進んで行く。

 

 

 

 

……少年移動中

 

 

 

 

 

あれからどれくらい歩いただろうか。

ふと思いかえると、下の方から音が聞こえた。

 

 

ぐぅ〜……

 

 

お腹の音だった。

確かにもう夕暮れ前位にはなっているだろう。

朝ごはんは食べたけど流石にお腹が空いた。

 

近くに何か食べられるものや食べ物が有りそうなところを探してキョロキョロしていると。

 

「おや、旅する鬼なんて珍しい鬼もいるんだねえ」

 

後ろから声が聞こえた気がした。

馬鹿な、さっき周りを見渡した時には人影なんてなかった筈。

声の主を探して、周りを見渡しているとまた声が聞こえた。

 

「あははは、ここだよここ」

 

そう言っていきなり何もない所から、俺の正面に人影が現れた

 

「やあ、鬼々半日ぶり。」

 

声の主は萃香だった。

もしかして彼女は最初から付いてきてたのだろうか?

 

「なんで萃香がここにいるの?」

 

当たり前の疑問を彼女に投げかける。

 

「そりゃあ、愛しの鬼々くんが途中で何かあったらと思うとお姉さん心配でねぇ」

 

「さて、いくか」

 

聞いても無駄そうなので、踵を返して道をまた進もうとした。

 

「待って待って、私が悪かったから!待ってよ〜」

 

「じゃあ、もう一回聞くけどなんでついてきたの?それにどうやってついてきたの?」

 

「よくぞ聞いてくれました!」

 

「さて、そろそろ行くか」

 

「わかった!わかったから!ちゃんと話すから待ってよ〜」

 

仏の顔も三度までだ、次は無い。

 

「で?なんで?」

 

「えっとね〜、この先にもう少し行くとね、私の友達がいるんだ〜」

「だからね、偶々行く道が同じだっただけだよー」

 

呑気なものだ、俺は一生懸命考えて旅に出ようとしたのについて来た奴は友達に遊びに行くときた。

 

「調子が狂うな」

 

思わず声に出てしまった。

萃香の方を見るとどうやら聞こえていないようだった。

 

「それで、どうやってつけてきたんだ?気配なんか感じなかったしつけられてる感覚もなかったんだが?」

 

これについては大方予想はついてる。

多分「()()」だろう

 

「あ、それはね〜私の能力、「()()()()()()()()()()()を使って自分を小さくしてね。鬼々の服にくっついてたんだよ」

 

やっぱり、この世界では能力は無くてはならないもの、生きる上で必要なもの。

 

「なるほどね、どうりで気配なんか微塵もない訳だよ。」

 

「霧にもなれるんだけど、こう風が強いとどこ行っちゃうかわからないしね」

 

「羨ましい能力だな。」

 

俺にも能力はある。

けれどその能力が必ずしも当人の役に立つ能力だとは限らない。

俺の場合は特に、鬼にはバレてはいけない。

 

「そういえば鬼々ってどんな能力もってるの?私に一回も教えてくれないじゃん」

 

「そうだね、俺の能力教えるつもりはないよ。今までも、これからもね」

 

「え〜、いーじゃんか〜私は教えたぞー?」

 

「ダメものはダメだよ、教えられない」

 

そう言うと彼女はぶーぶー言ってるが気にしないでいこう。

萃香と話してる内に大分日が暮れてきた。

 

夕暮れ時だ、僅かな太陽の灯りが道をぼんやり照らす。

 

「綺麗だな」

 

思わず声に出てしまった。

 

後ろから「私?」と聞こえるが気にしない。

 

昔の長閑な風景に余計な明かりの無い自然豊かな道を、柔らかなオレンジ色の光が控えめに照らす。

 

ずっとこんな穏やかな時間が続けばいいのに。

 

そう思わずには居られなかった。

 

 

 

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