アニメ7話のヴィーネが可愛すぎる...
「…の時にさりげなく…でもそれじゃ…」
少し日が傾きかけた午後4時30分頃、普通の高校生はもう帰る支度を済ませて帰路へと歩く時間だが、ヴィーネは舞天高校の教室で頭を抱えていた。
放課後ということもあって教室は人が疎らになっており、残っているのはヴィーネの後ろの席に座っているガヴと他の生徒が何名かだけで、ヴィーネのその様子は嫌でもガヴの視界に入っていた。
「ねぇ、いい加減目のやり場に困るんだけど…」
この様子をもう20分は見ているであろうガヴは流石に我慢できなくなり、手に持っていたスマホを眺めながらヴィーネに話しかけた。その声を聞いたヴィーネは我に返り、体を大きく捻らせガヴへと視線を向け、勢いよく声を発した。
「ガヴ~~~助けて~~~!」
ヴィーネのその様子を見たガヴはぎょっとした。というよりもゾッとした。余りにも稀なヴィーネの果てしなく情けない声と態度、ガヴはそのヴィーネを過去に何度か見たことがあった。
そういう時は大抵―――。
(うわぁ…これ絶対めんどくさい奴だ…)
嫌な予感を察したガヴはヴィーネそっちのけで帰り支度を始めた。普段だらだらしているガヴだが、この時は普段の動作とは比べようもないくらいに速い。
「ちょっと、ガヴ!?」
「い、いや~ちょっと今日バイトがあってさ、だから、ね?」
「そんなこと言わずに、ね? ちょっと、ちょっとだけだから! ね?」
「おわっ!? ちょっと掴むな! 袖伸びるって!」
必死に帰ろうとするガヴに必死にそれを止めようとするヴェーネ。人の少ない教室でそんな騒がしい事をしていて他の人の目につかない訳もなく、2人は注目の的となっていた。
その2人に近付こうとする影が一つ。
「あらあら~、ヴィーネさんがそんなに慌てるなんて珍しいですね~」
ガヴとヴィーネに近付いてきた白いロングの髪に十字のヘアピンをした女性。見た目だけでいえばまさに『天使』と形容するのが似合うこの女性の名前は 白羽=ラフィエル=エンズワース、ヴィーネとガヴの友人であり、例えではなくガヴと同じように本物の天使である。
「ラフィエル! 丁度よかった、こいつ何とかしてくれよ!」
こいつ、と言いながらガヴはヴィーネを指さした。
「ヴィーネさん、どうかしたんですか?」
「え、えっと…それが…」
◆
「えっ!? ヴィーネさんってお付き合いしている方がいたんですか!?」
「うん…恥ずかしながら…」
ヴィーネがラフィエルに相談した内容は、端的に言えば『彼氏に自分が悪魔であることをどう打ち明けたらいいか』といったものである。しかし、ヴィーネに彼氏がいることはまだガヴしか言っている相手がおらず、まずはそこからラフィエルに説明したのでヴィーネは少し恥ずかしくなり顔を赤くしていた。本当は言うか悩んだヴィーネだったが、ラフィエルが相談に乗ってくれると言ってくれた優しさを断ることができないのがヴィーネの性格だった。
「それはそれは…何だか面白…いえ、大変なことになってますね」
「今面白いって言いかけなかった?」
「気のせいですよ~、それでヴィーネさんはどう考えているんですか?」
「う~ん…考えてはいるんだけどいい案が浮かばなくて…もしラフィならどうする?」
「そうですねぇ~」
そう言うとラフィエルは人差し指を頬に当てながら考え込んだ。時折何か不敵な笑みを浮かべるラフィエルを見てヴィーネには嫌な予感が走る。
「私なら素直に言うと思います」
―――が、ラフィエルが口を開くとヴィーネが思ってたような事とは違う答えが出て来た。
(あれ、意外と普通…)
「どうかしました?」
「い、いや…! 何か意外だなって思っただけよ!」
「そうですか? だってその相手ってヴィーネさんが好きなお方なんですよね? ということはヴィーネさんが気に入ったお方なので躊躇いなく正体を言えると思いま―――」
「えー!? ヴィネット、あんた好きな奴がいるの!?」
力説するラフィエルの声を更に大きな声で遮るようにまた1人会話に参加してきたのが、赤い髪にコウモリのヘアピンをしている 胡桃沢=サタニキア=マクドウェル。ヴィーネと同じ悪魔で、こちらも友人関係にあたる。
旧知の友人に好きな人物がいることを知って興奮したのか、サターニャはヴィーネに激しく言い寄る。やはり悪魔も人間も女子高校生というものは恋愛話が大好きらしい。一方自分の会話を途中で邪魔されたラフィエルは話す前と変わらぬ笑顔でその場に佇んでいた。
「ねえねえヴィネット、説明しなさいよ!」
腕をぶんぶん振り回しながら喋るサターニャ、それを見てヴィーネは少し困った表情でラフィエルにしたものと同じようにサターニャに説明した。
「―――という訳なんだけど…」
「なぁ~んだ、簡単な事ね、この大悪魔の私にかかればそんな問題すぐ解決よ!」
ヴィーネが話し終わるとサターニャはそう言い高笑いを始めた。その様子を見たラフィエルがサターニャに話しかける。
「では、サターニャさんの理想の男性ってどんなお方ですか?」
「えっ」
その瞬間、サターニャの笑いは一瞬で止まった。
「いえ、大悪魔のサターニャさんなら理想の男性像くらい持ってるものかと思いまして…」
「も、ももも勿論よ! この私にかかれば理想の男性像なんて―――」
「ラフィエル、そいつに恋愛の話してもどうせロクな答え帰ってこないぞ」
再度自慢気に語るサターニャの発言を結局帰らせてもらえなかったガヴが一蹴した。
「な、なによ! 聞いてみなきゃわからないじゃない!」
「へー、じゃあ言ってみろよ」
「そ、そりゃ私を超える大悪魔で―――」
「お前そればっかだな」
「う、うるさいわよ!」
本来の目的そっちのけで口喧嘩を始める2人、そんなガヴとサターニャなんか意に介さずヴィーネは悩み込んでいた。
が、次の瞬間サターニャは急に体をヴィーネの方へと向けてヴィーネに話しかけた。
「そうだ、いいこと思い付いたわ! ヴィネット、あんたのスマホ貸しなさい」
「え、いいけど…どうして?」
サターニャがそう言うとヴィーネは年相応の可愛らしいスマホをサターニャに渡す。
「直接顔を見て言うのが難しいなら電話で言えばいいのよ!私が今かけてあげるわ」
「ちょっ…サターニャ!?」
サターニャの突然の提案に驚きヴィーネは急いでスマホを奪い返そうとするが、ラフィエルがそのヴィーネの腕をがっちりと掴み、ヴィーネは身動きが取れない状態となった。
「ナイスよラフィエル! 初めてあんたと気が合ったわね!」
「ちょ、ちょっとラフィ!?」
「ごめんなさいヴィーネさん…私、今回は面白そうなサターニャさんサイドに味方させていただきます!」
「信じてたのに~~~!」
嬉しそうなラフィエルの表情を見て感嘆するヴィーネ。その傍らでサターニャはスマホをサクサクと操作していき、電話帳の欄を探って行く。
「あれ? でもヴィネットの彼氏の名前がわからないわね」
「あー、これこれ」
「ちょっ、ガヴまで!? なんで!?」
ついに普段他人に興味を余り持たないガヴさえも敵へと回り、ヴィーネは更に悲痛の声を上げた。
「いやー、ヴィーネが話題出しまくる内に私も気になってさ」
「そんなぁ…」
「ヴィネット! かかったわよ!」
電話を掛けるやサターニャはスマホをヴィーネにひょいと渡した。同時にラフィエルがヴィーネの拘束を解く。
「え、ちょ、ちょっと待って…心の準備が…」
「ヴィネット! 悪魔たるものガツンといきなさい!」
「ヴィーネさん、ファイトです~」
半泣きになっているヴィーネの気持ちなどどこ吹く風でラフィエルとサターニャはヴィーネにエールを送る。ガヴは頬杖を付いてただただヴィーネを見守っていた。
そして数回のコールの後に正義が電話に出た。
『もしもし、ヴィーネ?』
「あ、え、えと、正義? こ、こんにちは…」
(へー、こんな声してんだ)
悪魔はもっと殺伐とした男が好みなのかと思っていたガヴは正義の物腰柔らかそうな声に意表を突かれる。いや、よく考えればヴィーネの性格からすればそのような殺伐としたものが好きだとはありえないとすぐわかるのだが。
『あ、どうもこんにちは…じゃなくて何か用?』
「あ~、うん、えっと、その~…」
『………』
「………」
2人の間に数秒の沈黙が流れる。正義からしたらしたらヴィーネからかけていた手前何を言っていいかわからず、ヴィーネもまたどうしていいかわからない。
「あ~もうヴィネット! 貸しなさい!」
「ちょっ、サターニャ!?」
サターニャがヴィーネからスマホを奪い取り自分の口元へと移動させた。
『ヴィーネ? どうし―――』
「ちょっとアンタ! この大悪魔の私の友人を恋人にしたんだからアンタもちゃんと大悪魔並に強くならないとダメよ!」
「何言ってんだお前ーーー!!」
ヴィーネが過去見せたことの無い強面でサターニャからスマホを奪い取る。その様子を見てラフィエルはお腹を押さえて笑いを堪え、ガヴはただただ呆れていた。
「ちょっとヴィネット、まだ途中―――」
「あ、正義? ごめんね、後でちゃんと説明するから! じゃ!」
プツッ プー プー
「……なんだったんだ」
大学で1人スマホを持ち、正義は茫然としていた。
◆
ヴィーネは舞天高校の校門で1人立ち、正義を待っていた。いつもなら先に正義がいるのがお決まりだが、今日は『課題があるから少し遅くなる、先に帰って』と正義からの連絡があり、それに対してヴィーネは『待つから一緒に帰ろう』と返信した為、この様にヴィーネが待つ形となっている。ちなみに先程の件から約30分は経過したといったところだ。
「ごめんな、遅くなった」
もう人がいない校門へ向かって正義は小走りに移動しながらヴィーネに向かって少し申し訳なさそうにそう言った。
「ううん、全然。あの、さっきは…」
今度は逆にヴィーネが正義に向かって申し訳なさそうに発言した。『さっきは』というのは勿論ガヴサタラフィが暴走して電話を掛けた先程の件の事だ。
「あー…、あれヴィーネの友達?」
「うん…正義の事を話したらあんなことになっちゃって…、あ! もう大丈夫よ、"しっかり"説教しておいたから。もう迷惑はかけないわ」
ヴィーネはそう言って笑顔を正義に対して向けるが、その笑顔の裏には黒いオーラが渦巻いてるような気がして正義は少しぞっとした。と同時に、今後ヴィーネを怒らせるような事はやめようと誓うのであった。
「あ、そうそう! 私正義と行きたいとこがあるの!」
「へー、どこ?」
「この間行った喫茶店でね、そこのブレンドコーヒーが美味しいから正義と一緒に行きたいと思ってたの」
「へー、喫茶店か。じゃあ行くか」
「うん!」
ヴィーネはそう言ってニコニコしながら正義に肩を寄せて歩き始めた。
(っていうか…ヴィーネって学校で俺の話とか友達にしたりするんだな…)
先程のヴィーネの発言を少し恥ずかしく思う正義だったが、寄り添ってくるヴィーネの肩にしっかりと応え、同じように道を歩いた。
◆
「あ、ここよ」
舞天高校から歩いて約10分、2人は『エンジェル珈琲』と看板に書かれた少し趣のある建物の前に立っていた。
「なんか映画とかに出てきそうな喫茶店だな」
「そうなの、内装も結構好きで―――」
「いらっしゃ―――」
ノリノリで話しながら店のドアを開けるヴィーネ、そしてその声に店員の挨拶が重なるように響いた―――が、両者の言葉は2人が目を合わせた瞬間に止まる事になる。
「「え」」
店内のボサボサの金髪に制服を身に纏った女性はヴィーネを見てそう言った。そしてヴィーネは明らかに知っているその女性の容貌を見て言葉を止めた。
「ちょっ、ガヴ!? あんたここでバイトしてたの!?」
「ヴィーネ…冷やかし?」
「違う違う! 本当に知らなかったの!」
「まぁいいけどさ…あれ、その人って…」
ガヴは正義へと視線を移してそう言う。正義はというと、初対面とは言えヴィーネから沢山の情報を一方的に知らされていた為、大体の察しは付いていた。
「初めまして。ガヴリールさん、だっけ?」
「あー、ガヴでいいよ。なんか初めて会った気がしないな…」
「ははは、俺も。よろしくな、ガヴ」
「ん」
そう言うとガヴはまじまじと正義の全身を見渡し、最後に顔を見て口を開いた。
「へー、結構かっこいいじゃん」
「「えっ」」
ガヴの発言に対して、今度はヴィーネと正義が先程の2人のように同じ言葉を口から漏らした。恐らく2人の言葉の意図は違うと思われるが。
「ちょ、ちょっとガヴ何言ってるのよ! もう、正義もデレデレしてないで! 席に行くわよ!」
「ちょっ、デレデレなんかしてな…ちょっとヴィーネ!?」
ヴィーネは焦りながら正義の手を無理やり引っ張り席へと誘導する。その様子を見たガヴはにやにやしながら注文の準備をしていた。
◆
ガヴと2人が会ってから約1時間、2人はエンジェル珈琲を後にして夕焼けで赤く染まった帰り道を歩いていた。ちなみに、あれからもガヴはバイト中であるというのに2人の会話にしょっちゅう入り、正義と『ヴィーネの世話焼き事情』について盛り上がり意気投合していた。そして、その度にヴィーネは恥ずかしそうに顔を赤くした。
「はぁ~、コーヒー結構おいしかったな」
「そうでしょ? はぁ…でもまさかガヴがいるなんて…」
「別にいいよ、1回会ってみたかったし」
申し訳なさそうにするヴィーネをフォローするように正義がそう言った。フォローとは言うが、実際に正義がガヴと会ってみたかったのは事実だし、話してみて楽しかったのも事実である。
「ねぇ正義、晩ご飯何がいい?」
「んー…、何でもいい」
「もう、何でもいいが一番困るの!」
「だってヴィーネが作ったもの全部美味しいし」
「そ、そ、そう? だ、だったら仕方ないわね…」
正義の発言に対してヴィーネは顔を赤くする。もちろん正義自信にこういった狙いは無く、無意識に言った発言であるが、ヴィーネに対して効果は抜群だ。
と、次の瞬間、正義は唐突にヴィーネの手を握った。
「ひゃいっ!?」
突然の出来事にヴィーネは驚き、顔を再度赤くした。
「ど、どどどどうしたの正義!?」
「いや、前恋人っぽいしたいって言ってたから丁度いいと思って…だめ?」
「だ、だめっていうか嬉しいっていうか…それなら…えいっ!」
今度はヴィーネが正義の腕を掴んで正義に寄り添った。突然の出来事に今度は正義が恥ずかしそうにする。
「うわ、ちょっヴィーネ、近いって!」
「ふふっ、お返しよ」
「…1本取られた」
正義は照れながらも満更ではなく、そのまま足を動き出した。2人はその恰好のまま正義の家へと道を共にした―――。
◆
「じゃ~ん、今日はカレーでーす!」
エプロン姿のヴィーネが嬉しそうにキッチンからリビングへと料理を運ぶ。ほぼ毎日こうしていることもあり、ヴィーネは正義の家にエプロンを常に置いてある。
会話をしながら特に何もなく料理を食べる2人だが、次の瞬間テレビから―――。
『…"あくま"でもこれは推測であり―――』
「ぶっ!!」
ヴィーネがむせて咳をし出す。ヴィーネは普段行儀に気を付けているため、これに正義は驚いた。
「ヴィーネ!? 大丈夫か!?」
「だ、大丈夫…ちょっとむせただけ…」
正義が執拗に心配するため、ヴィーネは申し訳なさそうにそう言った。
(わ、忘れてた…今日こそは悪魔ってこと言わないと…)
「せ、正義…聞いて欲しいことがあるの…」
ヴィーネは改まって正座をして正義の目を見た。勿論身長は男の正義のが上の為、ヴィーネが少し顔を上げる形になる。
「何?」
「私…実はね…」
ヴィーネはスカートの裾をぎゅっと握り、一息置いて口を開いた。
「私…実は悪魔なの!」
ヴィーネからすればずっと溜め込んでいた一世一代の告白。
―――が、正義は
「うん…知ってるけど…人のカップラーメン没収したりとか…それだけ?」
特に何も驚かず正義はそう返答した。これにはヴィーネも流石に伝わってない事を察した。
「いや、違うわよ! ていうか絶対冗談だと思ってるでしょ!」
「いや冗談じゃ…ってうわ!? なんだそれ!?」
このままじゃ埒が明かないと思ったヴィーネは三叉槍を取り出し、『自分は正真正銘の悪魔だ』と姿で訴えかけた。正義は案の定先程とはまったく違った反応を示す。
「…本当なんだ」
「うん…」
「そっか…よく言ってくれたな」
そう言うと正義はヴィーネの頭を少し撫でた。正義はヴィーネが純粋なのをよくわかっている。だから、この事を伝えるのは相当辛かっただろうと思った正義は、ヴィーネの事を労ろうと思った結果がこの行為だ。
「私の事嫌いになったりしないの…?」
「なんでだよ…寧ろちゃんと言ってくれてありがとな」
正義がそう言った瞬間、ヴィーネは瞳に少し涙が浮かばせた。安堵からか、嬉しいからなのかは本人にもわからない。もちろん正義はその様子に気付いたが、その涙については何も言わなかった。
「正義…今日、泊まっていい?」
「えっ!? 別にヴィーネがいいならいいけど…」
「じゃ、決定! 私お皿片付けるね!」
嬉しそうにヴィーネはキッチンへと駆けて行った。今日くらいはどんな我が儘も許してやろう―――と、正義は思った。
◆
「んあ…もうこんな時間か…」
次の日の朝、目が覚めてスマホを確認した正義は眠そうに体を起こした。正義は自分のベッドをヴィーネに貸し、自分は床に敷いた布団で寝たが、目覚めると隣のベッドにもうヴィーネの姿は無かった。
「おはよう、朝食の準備できてるわよ」
正義がリビングに行くと、エプロン姿のヴィーネが朝食の支度をしていた。
「ん…おはようヴィーネ」
まだ寝起きの為、だらだらと移動する正義。だらだらしているのはいつものことかもしれないが、朝は更にその行動が遅くなる。
「あ、そうそう、今日はお弁当を作ってみたの」
「弁当?」
正義がキッチンの方へと目を移すと、そこにはどこから持ってきたのか知らないが弁当箱が2つあり、きちんと布に包まれていた。4つも歳が下の女の子が、自分よりも早起きで、朝食の準備をし、その上人の弁当まで作ってあげているとなると正義は頭が上がらなかった。
朝食を済まし支度をした2人は、共に正義の家から歩き出した。いつもの道だが、今日はヴィーネが正義の手を握っていた為、正義にとっては新鮮な気分だ。
数分歩いていると、目の前に金髪の女の子の姿が目に入り、ヴィーネはすかさず声をかけた。
「ガヴ、おはよう」
「おはよ…って正義さんも一緒? 朝から熱いね~」
「ちょ、ちょっとガヴ! からかわないでよ!」
「だって事実じゃん」
朝からやいのやいのと言い争いをするガヴとヴィーネ。その2人を見て正義は少し笑っていた。悪魔の彼女にその友達の女の子。正義はこれからの日常が更に楽しそうなりそうだと―――そう思った。
少し投稿が遅くなりました。
これからはハイペースで書き上げたいです