己の罪を   作:NowHunt

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書かないって決めたのに…………(泣)
平成ジェネレーションズFinalが面白すぎてw
まあ、これは大分前に書いた話で、少しずつ加えたらこうなりました。


言い忘れていましたが、今回の風都の位置関係は

東京都 風都(東京都) 千葉県

みたいな感じでお願いしますm(__)m


BEGINNING

「だ、大道克己だと!?」

 

 翔太郎は突然出てきた名前に驚き、大声を出す。

 

「そ、それってフィリップ君たちが倒した……NEVERだよね?」

 

 亜樹子もその名前に驚く。

 

「………ああ。仮面ライダーエターナルだな」

 

 かつて風都を恐怖に陥れた――NEVER。それは人間の死体を科学技術を駆使して強化・蘇生させた生物兵器もしくはその集団。

 そして、大道克己はそのリーダーだった。翔太郎とフィリップと風都を懸けて戦い、激闘の末死んだ男。

 

「確かに僕たちはあの時、エターナルのメモリは破壊した。だけど、その後ロストドライバーがどうなったかは知らなかった」

 

 フィリップは過去を思い出し、冷静に分析する。

 

「てっきり壊れたもんかと思ってたけどな。どういうことだ、八幡?」

 

 この場において真実を知っている男――――比企谷八幡は、口を開く。

 

「俺は直接大道克己って人に会ったことないですよ。貰ったんです。ミーナさんという人に」

 

 軽く笑いながら返答する。

 

「えっ、あの人にか!?」

 

「………ご存じで?」

 

「まあな。つーか、フィリップ。お前の検索結果はロストドライバーの入手経緯は分かんねーのか?」

 

「元の持ち主は分かっても、入手経緯は分からないね。情報が少ないのか」

 

「あー、それもそうか」

 

「少ない情報でここまで割り出したから褒めて欲しいものだね」

 

「はいはい、スゴいスゴい」

 

「それでそれで、八幡君。どうやってファングメモリとロストドライバーを手に入れたの?」

 

 翔太郎とフィリップのやり取りを押し退け、亜樹子が話に割って入る。

 

「順に話しますとファングは拾ったんです。多分、風都がNEVERの襲撃を受けている時かその直前に」

 

 2人のやり取りに苦笑いした八幡はそのまま話を続ける。翔太郎もフィリップも八幡の話を聞く。

 

「夏休みでぐうたらしてた時、欲しいゲームがあったんです。で、近場で探しても無かったんで、少し遠出しました。ゲームを多く扱っている店がありまして。ちょうど千葉市と風都の境目辺りです」

 

 途中、亜樹子からもらったコーヒーを飲み、話を続ける。

 

「まあ、その店にもゲームは売ってなくて。でも、予約はできるから予約だけして帰ろうとしました。帰り道、路地裏で何か落ちてるなーと思って近づいたら……あったのはファングメモリでした」  

 

 八幡は自分の行動を思い返す。だが、何故自分がそこに向かったのかは分からない。ただの気まぐれだったのかもしれない。  

 

「最初は随分大きいUSBメモリだと思いましたよ。まぁ、拾った後交番にでも届けようとしたら、何か………オカマ?みたいな人が来たんです。やたらクネクネした動きの」

 

 八幡のその言葉に翔太郎は心当たりがあるようにため息をつく。

 

「その人が持ち主だって言うから特に疑うことなく返しました。……今思えばあの人もNEVERだったんですね」

 

 メモリを渡したら、そのオカマが去り際に『あなたの腐ってるその目……嫌いじゃないわ!』と言い残したのを思い出し、身震いする八幡。

 

「そうだな。確かあれは映司が…………」

 

「左さん?」

 

「おーっと、すまない。続けてくれ」

 

「予約してから1週間後、取りに行こうとまたそのゲームショップに向かいました。ゲームを買ってから家に帰ろうとする途中、またその路地裏に来てしまったんです」

 

「そこにまたファングが?」

 

 フィリップの問いかけ。

 

「はい。自分でもやっぱりあの時の行動は意味が分かりません。ただ、何となくですね」

 

「T2のガイアメモリはメモリの適合者と惹かれ合う性質があるからな。八幡がファングの適合者だからだろう」

 

 翔太郎が補足説明をする。

 

「そう言えば、そんなことミーナさんも言ってましたね」

 

 

 

 

――――――――――――

 

 

 

 

 

「にしても………何だ、これ?」

 

 夏休みある日の夕方の6時、俺は駅の近くのビル郡の路地裏にいる。そこでまた同じUSBメモリっぽいのを拾った。

 

 1週間前、ここに来たとき、何かに導かれる……って言ったら材木座みたいだが、実際そんな経験だった。で、導かれるように路地裏に行ったら、このメモリが落ちてた。

 

 今回はまた落ちてるかなーと、何となく行ってみただけ。

 

 その後、オカマっぽい人が持っていったんだよな。

 ちょっと……いや、かなり気持ち悪かった。というより、恐いという感情が大きかった。

 

 てことはまたあの人がいるのか?まずは大通りに出て探してみよう。あれなら目立ちそうだしな。

 

 夏休みのせいかどこかに出掛けているのかやけに人が少ない駅前に移動する。

 そこそこ大きい駅たとは思うんだがな。それでも主婦とか部活帰りの学生はそれなりにはいるんだけどな。

 

 しかし、見渡してみても、黒いジャケットを着たあの人は見つからない。

 

「まあ、いいか。交番行くか」

 

 確か交番はどこにあったっけな………。携帯で調べるか。

 

 と、スマホの地図アプリを開こうとしたら、

 

「お兄ちゃん」

 

 という声と共に肩をトントンと叩かれた。振り向くと、

 

「小町?なんでいるの?」

 

 妹の小町がニコニコ笑顔で立っていた。

 

「いやー、私も暇だからさ、お兄ちゃんを尾行していたのです。もしかしたら雪乃さんとかと会うのかなーって」

 

「お前な……」

 

「結果は何だかつまらない感じけどね。それで、お兄ちゃん。それ何?美味しいの?」

 

 小町は俺の手にあるメモリを覗きこむ。

 

「知らん。誰かのだろ。つーか、これ多分無機物。美味しいって言ったら食うのか?それと今から交番に届けるとこ」

 

「そんな訳ないじゃん。お兄ちゃん頭大丈夫?よし、じゃあ、小町も行くー!」  

 

「お前から言ったくせに……。おう、行くか」

 

 調べると駅から徒歩10分くらいに交番があるから2人でのんびり歩いてた。

 

 だが、突然、

 

 

 

 

『――マグマ』

 

 

 

 

 という電子音声が、人混みどこからともなく聞こえてきた。

 

「うん?お兄ちゃん、今のは?」

 

 小町が不思議そうに辺りを見渡す。

 

「さあ?」

 

 途端、

 

 

 ――――ドゴオオオン!!!

 

 

 と、あまりに大きな爆発音が響いた。

 

「きゃあ!」「うおっ!」

 

 俺たちはその音に驚き、同時に悲鳴を上げる。

 

 音の発生源を探ろうとしていると、

 

「お、お兄ちゃん。…………何、あれ?」

 

 小町がまるで信じられないというような目で何かを見ている。小町の視線の先を俺も見ると、

 

「………何だよ」

 

 十数メートル向こうに――化け物がいる。炎を、それこそマグマを纏っているような化け物が。

 しかも先程の爆発音のせいなのか近くのかなり深く地面が抉れている。それに加えて燃えている。

 

 ………これは、ヤバいぞ。

 

「と、とりあえず逃げる。走れるか?」

 

「う、うん」

 

 俺は小町を連れて少し離れてる駅構内に向かって走った。

 2人とも磁気カードだからすぐに改札を通れる。金が足りなかったら、その時はその時だ。

 

 周りの人たちも悲鳴を上げながら色んな方向に逃げている。

 

 

 俺たちは一心不乱に走り、駅構内に入った。急いで電車に乗ろうとするが、

 

「ハァ………。小町、悪い。大丈夫か?」

 

 俺が手を引っ張り、無理矢理走らせたからか小町はかなり息が切れている。

 

「ハァ……ハァ………、だ、大丈夫。い、急ごう」

 

 口ではそうは言うが、今にも倒れそうなくらい弱っている。たかが100メートル程だが、あの化け物の威圧が凄まじい。

 

「小町、おぶる………ぞ………」

 

 小町をおぶろうとしゃがんだ瞬間、どこか違和感を覚える。背中が熱い。熱気がここにも来る。

 

 もしかして………、と、後ろを向く。

 

 ゆっくり、ゆっくりだが、確かにこちらに、駅のホームに化け物が近づいている。

 

 ――急がないと急がないと急がないと。これは電車に乗る場合じゃない。電車を待つ時間なんてない。

 

 化け物から距離を取ろうとおぶる時間もなく、小町を抱き抱えて走る。

 

 ――――ドガアァァン!!!

 

 また何かが崩れる音がする。

 

 俺と小町は気づくのが遅かったが、それはちょうど俺たちの真上の天井が崩壊する音だった。

 

 「えっ」

 

 小町から漏れる声を聞くと同時に上を向く。――が、崩れた瓦礫がもう頭上に迫っていた。

 

 瓦礫に確実に当たる。避けられない。――その筈だった。だけど、当たらなかった。

 頭上に迫った瓦礫が勢いよく逸れた。俺たちの数メートル横に転げ落ちた。

 

「こっち!」

 

 長髪の女性が呼んでいる。場所は駅構内にある本屋だ。

 

 すると、また崩れている瓦礫や転がっている瓦礫が化け物の方に飛んでいった。

 

 ――――それはあの女性が操っているように。

 

 化け物は瓦礫のせいで一時的に足止めを喰らっているようだ。

 

 

 

 小町を抱いて女性の元に走る。そのまま本屋に駆け込んだ。

 

「大丈夫?」

 

「何とか………。あれはあなたが?」

 

 涙目の小町を撫でながら問う。

 

「えぇ、まあね。私はミーナ」

 

 正直、なんで瓦礫を飛ばせるのか知りたいが、今はそれどころではない。

 

「比企谷八幡です。こっちは妹の小町。助けてくれてありがとうございます」

 

 そこそこ広い本屋の奥に逃げながら簡単に自己紹介と礼を済ませる。

 

「あれは何ですか?」

 

「ドーパント。……怪物よ。聞いたことない?風都で多発的に出現してた」

 

「聞き覚えは………」

 

 ニュースで少し見たことある。あれがそうなのか。

 

「ガイアメモリと呼ばれる物を躰に差して変貌……す、る…………」

 

「どうしました?」

 

 本屋の奥で腰を下ろし、説明を受けていると、不自然に言葉が途切れる。すると、急にミーナさんが目を見開く。

 

「あなたが持っている物は………」

 

「ん?あぁ、これですか?さっき拾ったんです」

 

「それよ!ガイアメモリは!」

 

 ………えっ?これが?マジで??

 

 俺は『F』とプリントされたメモリを見る。

 

 ――そうか、これが………。

 

「しかもそれはT2のメモリ。………あなたがファングに選ばれ、惹き合ったのね」

 

 ミーナさんは何か、独り言で分からないことを言っている。

 

「あなたなら………」

 

 俺の目をじっと見つめるミーナさんは、

 

「比企谷八幡君。あなた、妹を守りたい?」

 

 そう問いかける。

 

「もちろん」

 

 対する俺は即答する。

 

 その質問にNOと答える兄は絶対いない。

 

「あなたには今、守れる力がある。その――メモリを使えば」

 

「これを………」

 

 もう一度、じっとメモリを見つめる。

 

 ――ファングメモリ。これを使えば、俺は……………。

 

「でも、かなり危険が伴う。そのメモリは人の理性を軽く飛ばす。破壊衝動が溢れて暴れ回る獣になる。その獣と――相乗りする覚悟は、勇気はある?」

 

 ミーナさんの必死の忠告。

 

 

 

 ――――理性?ぶっ飛ぶ?

 

 ――――だからどうした?

 

 ――――俺は、理性の化け物だ。自意識の化け物だ。

 

 

 

「お兄ちゃん…………」

 

 小町の心配している声が…………聞こえる。はっきりと、この耳に。

 

 俺は、大きく深呼吸する。

 

「――やります」

 

 それだけ聞くと、ミーナさんは頷き、ある物を取り出す。

 

 赤色の、俺が持っているメモリが入りそうな形状をした薄い何か。

 

「それはロストドライバー。大道克己の、私の命の恩人の………。それで、あなたに『変身』の力を授ける」

 

 俺の腰にそのロストドライバーを付けるとベルトみたいに巻かれる。

 

 俺は立ち上がり、メモリにあるボタンを押す。

 

 

 

『――――ファング!!』

 

 

 

 音声が静かに響く。

 

 ファングメモリをロストドライバーのに差し込む。

 

「メモリスロットを倒して」

 

 ミーナさんの言葉の言う通りに倒す。

 

 倒した瞬間――――――――

 

 

 

 

 大きく、とてつもない波が俺に押し寄せる。

 

 波は、俺を溺れさせたいように、とても深く、強い。

 

 周りは真っ暗。

 

 光は全くない。

 

 誰もいない。

 

 孤独だ。

 

 この波が、恐らくミーナさんが言ってた破壊の衝動だろう。

 

 もし、この波に流されたら、呑まれたら、俺はきっと暴れ狂う。

 

 そんな感覚が伝わってくる。

 

 でも、今は、何とか、踏ん張れている。

 

 俺は、耐えている。

 

 俺は、抗えている。

 

 その間はまだ俺に理性があるということ。

 

 だから、大丈夫だ。

 

 だから、言おう。

 

 

 

 

 

「――――変身」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――

 

 

 

 

 

「で、どうなった?」

 

 話を黙って聞いてた翔大郎が口を開く。

 

「ドーパントは何とか倒せました。それで倒した数分後に照井さんが来て、事のあらましを説明しました。ミーナさんはもういなかったからそこは伏せて」

 

「時系列からして僕らと会う前の彼女だね。その彼女はどこに?」

 

 フィリップの質問。

 

「小町が言うには電車に向かったらしいです。後は知りません。そもそもあの時、電車停まってたと思うんですけど……」

 

「つーか、よく照井は八幡のメモリを回収しなかったな」

 

「『お前が持っておけ』と言われました。ま、理由は分かりません」

 

「照井のことだ。何か意味くらいあるだろ」

 

「それにしても、波、か。興味深い。僕は地球の本棚が燃え盛るイメージだった」

 

 目を輝かせたフィリップにため息をつく翔大郎。

 

「おい、フィリップ。それは後でにしとけ。照井が言うんだし、八幡、お前が持っとけよ。………まぁ、とりあえず送るわ。千葉駅でいいか?」

 

「助かります」

 

「またねー。比企谷君!」

 

 亜樹子が手を振る。

 

「さようなら。コーヒーごちそうさまです」

 

「うん。じゃあねー」

 

 八幡は亜樹子とフィリップに礼をしてから、鳴海探偵事務所の扉を開ける。

 

 

 

 

 

 

「じゃあ、ここまでだな」

 

 千葉駅前。もう日も落ちている。

 

 八幡は翔大郎のバイクから下りた。

 

「今日はありがとうございました」

 

「いいってことさ。俺も貴重な話を聞けたしな。………でも、お前はファングを乗り越えていない。いつでも暴走する危険性があるってことだ」

 

「分かってます」

 

「気を付けろよ」

 

「………はい」

 

 そのまま翔大郎はバイクで去っていった。

 

「……………寒いな」

 

 家に帰るために歩き始める八幡。

 

 

 

 だが、八幡は翔大郎たちにまだ言わなかったことがある。

 

 それはマグマドーパントと戦った時、かなりの大ケガを負い、小町を心配させたこと。

 初めての戦闘+常に理性と戦っていたことが災いしてマグマの攻撃を喰らいまくったから。

 しかし、これはその内、竜から翔大郎たちに伝わるかもしれない。

 

 そして、これはミーナにも小町にも分からなかったが、マグマドーパントを倒した後、一瞬だが………暴走しかけたこと。目の前にいる小町を傷つけそうになったこと。

 

 ギリギリ変身解除が間に合って小町は無傷で済んだ。

 

 

 ――――最後に、これは八幡も気づかなかったことである。

 

 八幡が戦闘している最中、全身白い服で身を包んだ人が、八幡の戦闘を記録していたこと。

 

 

 

 

 

 

 

「開けたくねぇ………」

 

 鳴海探偵事務所を訪れた翌日の放課後。

 

 比企谷八幡は奉仕部の部室前にいた。

 

 朝に、由比ヶ浜結衣から部室に絶対来るよう釘を刺された。

 

「うーっす」

 

 ゆっくりと、八幡はその扉を開けた。

 

 

 

 

 

 

 

 




Wのvシネマみないと少し分かりにくかったかもしれません。という作者も見たのけっこう前なんであやふやなんですけどねw

もう受験終わるまで投稿はしないぞ!

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