不眠転生 オールナイト   作:ビット

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遅くなってしまい申し訳ございません。この話を書くモチベーションがどうしても湧いてきませんでした。

騎馬戦でぐだぐだするのが嫌だったので中々無理矢理です。


次回と次次回は今月中にアップする予定です。アップ……アップする……したい……



雄英■校体育■︰2

血が吹き出し地面を汚す。首に突き刺していた鋭利な破片が血溜まりの上に落ちた。身体が冷たくなっていく感覚と、意識が底へと沈んでいく感覚。

 

これにも随分慣れたものだ。痛みがないとはいえ、最初の方はかなり躊躇っていたのだが、今となっては躊躇も一切ない。

 

一瞬だけ意識が無くなると、次の瞬間には意識がはっきりとしていた。身体から吹き出すエネルギーを抑え、着いていた血が完全に消えた破片をポケットに忍ばせた。先程の障害物競走の時に拾った地雷の破片だ。雄英体育祭の前では持ち物検査があったので、刃物や薬物の持ち込みは難しかったのだ。

 

準備完了、と呟き、早足で歩き出す。次の種目は騎馬戦だ。トイレだと誤魔化している為、怪しまれないよう急いで戻らなくては。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

地面が凍る。白炎がうねる。爆発音が耳を刺し、軽い衝撃が顔を打った。

 

開始の合図と同時に、騎馬の周りに白炎を纏わせる。そのまま緑谷のチームへ突進した。

 

ーー1000万ポイントを出来るだけ早く奪い取って、防戦に切り替える。俺、不死、飯田、八百万で構成されたこの騎馬なら可能な筈だ。俺の個性で地面を凍らせて敵の機動力を削ぎつつ不死の個性で牽制する。その為には俺の身体が地面に接している方がより無駄も少ない。だから不死、騎手はお前がやれ。お前の個性ならハチマキの守りにも向いている。

 

それが轟の立てた作戦だった。はじめに声を掛けられた時はめちゃくちゃ驚いたが、それが一番効率的だと判断しての決断だろう。

 

現に、負ける気はしない。

 

『不死チーム、白炎を纏いながらの突撃!狙いは緑谷一択かーーー!?』

 

「……!不死くん!」

 

こちらの接近に気付いた緑谷が警戒態勢をとった。緑谷のチームメイトは麗日に常闇、そしてサポート科の発目。原作と全く一緒のチーム構成。

 

騎馬という形態をとっている以上、高度な機動性での戦闘行為はかなり難しい。先頭の飯田の個性なら直線的になら爆発的な加速が可能だが、どうしたって小回りは利かなくなる。

 

「麗日さん!もう一回!」

 

突撃する俺達の上空に影が差す。一部の生徒を除くヒーロー科の生徒には許されていないサポートアイテムを、彼等はサポート科に在籍する発目をチームメイトにしたことで使用する事が出来るようになった。

 

上空への跳躍。平面のみで逃げ回るのではなく三次元的な動きも取り入れ、逃げる為の手札を増やした。機動力に優れた飯田をチームメイトに出来なかった以上、それは最善の策に思えるし、事実緑谷チームは原作で見事この狭い戦場を逃げ回ってみせた。

 

緑谷出久は頭がいい。持ちうる手札で最大の効果を発揮させる事が可能だ。

 

「踏ん張れ」

 

チームメイトにそう告げて、身体にエネルギーを回す。飯田の背を踏み台にして跳躍した後、殆どノータイムで下方に向けてエネルギーを破裂させた。

 

超密度のエネルギー爆発。脳無戦以来鍛えまくったエネルギー操作で、事も無くエネルギーを霧散させた。エネルギーがチームメイトを傷付ける事はないだろう。衝撃はごめん。耐えてくれ。

 

この移動の仕方は非常に燃費が悪い。脳無戦でも利用し、敵を完全に完封せしめた超加速。本来は数分間に何度も何度も殺されてしまうような、超格上相手以外ではそう連発出来ない必殺技。

 

一瞬で緑谷のハチマキを奪い取り、もう一発、今度は上空に向けて緩やかにエネルギーを放った。緑谷チームの下についてしまえば、上空にいる間、彼等は俺に手出しできない。

 

「しま……った!?」

 

驚愕する緑谷を尻目に、騎馬の上ギリギリで軽くエネルギーを放ち落下の勢いを殺す。チームメイトが一瞬ビクリと身体を跳ねさせたのが少し面白かった。

 

「危なかったぞ不死くん!というかここまで騎馬の形を崩して大丈夫なのだろうか!」

 

「全くですわ!せめて事前に言っておいてくださいまし!」

 

「騎馬は崩れてもアウトにならねぇっつってたし、まぁ大丈夫だろ」

 

「……すまん」

帰ってくるやいなや飛んでくる文句。当然だ、俺でも怒る。轟のフォローが心に染みた。

 

だが先程の障害物競走で緑谷に負けているし、今回は何としても彼に一泡吹かせて勝ちたかったのだ。

 

先程もそうだが、緑谷の事となると、不思議と少しムキになってしまう自分がいる。オールマイトの正統な後継者だ。ライバル視するのも仕方がない。

 

「ここからは」

轟が氷を張り巡らせた。近づいてくる相手の騎馬の足を凍らせ機動力を奪いながら、悠々と戦場を闊歩する。

 

「ーー俺の出番だな」

 

警戒すべきは俺と同じ様な機動性があるーーというか先程の動きは俺が原作の爆豪の動きを丸パクリしたーー爆豪と、原作とは違い既にフルカウルを使用可能な緑谷。フルカウル状態の緑谷なら、俺や爆豪のような動きも不可能ではない。復帰手段が常闇のダークシャドウのみになってしまうのでリスクは高いが。

 

それに空中から仕掛けてくるならそれでいい。原作通りなら、俺達の様な空中機動で騎手が地面に足をついてしまった場合反則となる。遠距離かつ広範囲にエネルギーを放てる俺を相手に飛び掛ってくるのは無謀と言わざるを得ないだろう。

 

序盤の突撃と先程の超加速でエネルギーの半分以上が持っていかれた。このエネルギーは使わなければ勝手に何処かへと消え、少しずつ減っていくので、消費エネルギーはその自然消滅分も含まれる。

 

しかし自然消滅したエネルギーは何処へ消えるのか。まさか空気に溶け出したりしているのだろうか。一応、指向性を持たせないエネルギーは暫くすると消滅する事が確認されている。

 

そんな事はどうでもいいのだ。戦闘中に別の事を考えてしまうのは俺の悪い癖である。気を引き締めなければ。

 

 

 

 

 

『TIME UP !上位チームは一位不死チーム!二位爆豪チーム!三位心操チーム!四位緑谷チーム!以上四組が最終種目へ進出だああーーー!!!』

 

結局逃げ回って終了。緑谷チームも鉄哲チームや他のチームからポイントを奪い、原作と同じく四位に食い込んでいた。

 

最終種目進出のメンバーは俺以外変わらない。ほぼ原作通りだ。

 

これから一時間程の昼休憩。つまり分かるかーーぼっち飯の時間である。かなしい。切実に友達が欲しい。

 

今世は一人も友達を作れていない。幼少期の記憶は無いしなぁ。小学校も殆ど行ってなかったし。中学も休む事が多かった。

 

A組の皆は優しいので、話し掛ければすぐに友達になってくれそうな気もするが、かといって自分から声を掛けに行く事ができないのもまたぼっちの習性である。

 

コンビニで買ってきた弁当の袋を持ち、適当な場所を探す。エネルギーの補充もついでにしたいので、出来るだけ人気のない所に行こう。

 

しかし最近コンビニ飯が味気なくて仕方がない。それもこれも全てランチラッシュの飯を食ってしまったからである。ぼっち飯を極めていた俺は普段もコンビニ弁当で済ますのだが、朝時間がなく仕方なく食堂で昼食も食べたのが一週間程前。

 

ランチラッシュの飯はとんでもなく美味かった。もっぱらコンビニ弁当とインスタントで済ませてきた俺は独り食堂の隅で震えたものである。周りの生徒からやたら注目されていた気がしなくもないが、独り隅で飯を食いながら震えている白髪の男子高校生が居れば俺だって変な奴だと思う。つまりはそういう事だ。

 

飯を食った後に死ぬとまぁまぁの確率でゲロってしまうので先にエネルギーの充填からしておこう。血で少々気分が悪くなるが慣れているし平気だ。

 

ポケットから先程も使った地雷の破片を取り出し、首にあてがう。決勝まで戦い続けるとしたら膨大なエネルギーが必要になるだろう。自然消滅も考えるとーー4、5回程死んでおくべきだろうか。

 

死んだ後すぐに死ねば、エネルギーが持ち越されるのは既に実証済みだ。普段はこんな事したりしないが、まぁ大丈夫だろう。そもそも不死身の個性だし。脳無には二十回ぐらい殺されたような気さえするし。

 

そう考えて腕をひく。地面に鮮血。冷たくなる頭。沈んでいく感覚と消えていく意識。覚醒と同時にふわりと巻上がるエネルギー。そして消える俺が死んだ証。(俺の血潮)

 

これを何度も繰り返す。二回、三回、四回、五回目。

 

身体にエネルギーが満ちている事が分かった。活力が溢れ出てくる様だ。

 

同時に意識が少しだけぼんやりとする。なんというのだろうか。死ぬ時にいつも感じる沈んでいく感覚、あれがそのまま、水面に浮かんでこれなくなってしまったような。意識に対する浮遊感を感じる。

 

このままだと少し不安だが、時間が解決してくれるだろう。とにかく飯を食わねばと、俺は常温のコンビニ弁当をかき込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ようやく動き出す事になりそうだね。なんかよくわかんないけど、運命とかそういうの?」

 

「あの正義の塊みたいな……ちょっとうざったい力と、君の力の原点に触れる。おまけに君もこちら側に近づいて来てるしね」

 

「うーん!ぼくのヒーローとの初対面だ。ぼくを救ってくれたひと。ぼくの身体に存在する気高き魂」

 

「世界は既に、君に牙を剥いている。■■の■を持ちながら、それでも■■の■たる君に。一つの身体にその矛盾を孕み、そして本■存■しえなかった存■が二つもあるんだ。世界が■■しようとするのも当然だよね」

 

「君は君の力を認識出来ていない。正しくは自分から認識出来ない。だってそういう風にされてるんだもの、■様だかなんだか知らないけれど、君を■■させた■■ってやつはほんと無責任なもんだねぇ」

 

「ふふふ、待ちきれないな。ぼくはようやく君に会う事ができそうだよ。ねぇ、■■■■」

 

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