Road to ポケモンマスター ~ジョウト地方編~   作:鍋奉行Lv5

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キキョウシティ~喧嘩番長!!~

とある生徒からの中傷をうけたゴールドとクリスは激しい憤りを感じ、ポケモンバトルを行うことになった

 

少しばかり狭く感じる敷地の中に、学校へ通う全生徒が密集し固唾を飲んでバトルの行く末を見届ける

 

クリス

「これだけの観衆の前で闘うのは慣れてないなぁ。

(…だけど、私だってゴールドに追い越されないよう成長してやるんだから!)

勝負の形式は!?」

 

???

「こんな美味しい状況、1対1のタイマンの他ねぇだろ!!

言っとくが、ポケモントレーナーに男女の差別はねぇ。手は抜かねぇからな!」

 

端で見守るゴールド

そこへ、ジョバンニがやってきて呟く

 

ジョバンニ

「あの子は大政 漢璽(かんじ)君…この学校の唯一人の最上級生で、大人顔負けの実力があることから、下級生からも厚く慕われている番長的存在なんだ。

長いことあの子を見てるが、本気のあの子を倒すには一筋縄ではいかないだろうね…。」

 

クリス

「チコリータ、あの嫌味野郎に一泡吹かせてやるわよ!」

 

漢璽

「おーおー、好き放題言ってくれるぜ。そのトレーナーに負けた時のお前の顔が楽しみだなぁ…、コラッタ、容赦はいらねぇ!【電光石火】!!」

 

クリス

「(…!!身軽なコラッタには相性のいい技ね!だけど、あたしの目でも追いつける速さ…なら、攻撃してきそうな場所に予め目星をつけておけば…)

チコリータ、真後ろに【リフレクター】を張るのよ!!」

 

ゴールド

「いつの間にクリスの奴、チコリータにあんな技を!?

先生っ、【リフレクター】って…?」

 

ジョバンニ

「So…【リフレクター】は防御技の1つで、直接(ダイレクト)攻撃による受けるダメージを軽減できる。

使い方次第ではどんな攻撃をも完封してしまう厄介な技なんだ。」

 

案の定、コラッタはチコリータの背後を狙っていた為、【リフレクター】に弾かれてしまう

 

クリス

「相手がよろついた…、隙あり!【葉っぱカッター】!!」

 

尖った葉がコラッタを傷つけていく

 

クリス

「どうよ、ポケモンバトルは柔軟な思考が求められる。

ただの冴える女で悪かったわね?」

 

漢璽

「ダアーッハッハッハッ!!!

今のだけで勝ったと付け上がっちまうとはなぁ。

コラッタ、"アレ"を装備するぞ!?」

 

そう言うと、漢璽はポケットから何かをコラッタに投げ入れる

それを宙でそつなく装備し、再びチコリータに合間見える

 

漢璽

「コラッタ、【電光石火】っ!!」

 

クリス

「(後ろっ…!!)」

 

しかし、背後にコラッタの姿は見られない

 

漢璽

「へ、残像でも見えたか?」

 

コラッタは速すぎる【電光石火】でチコリータの背後に一瞬だけ回り込むという高等なフェイントを加えることで、見事綺麗な一撃を与える

その上、威力も申し分なく、たった一回の攻撃で戦闘不能にしてしまった

 

ジョバンニ

「Surprise!!あれは、先制の爪!

持たせることで、そのポケモンが相手より先に行動できるという厄介な持ち物で知られている!」

 

クリス

「あんた達、本来の力を隠しながらあたし達を図ってたのね…。」

 

漢璽

「無理に身を呈して戦わせることもない、道具を使った戦法だってあるんだぜ?見た目だけで判断し、奢ったのが運の尽きだったのさ!

…さぁ、負けを認めて退きな。次の相手がいい感じに煮えたぎってるからよぉ!!」

 

クリスと交替でフィールドに入るゴールド

すれ違い様に言葉をかけるゴールド

 

ゴールド

「お前が強いのは明らかだ…だけど、あいつはそれ以上の強さがあった。

だったら俺がその上をいくだけだ!

さぁて、主役の交代だぜ。漢璽っ、俺はお前に勝つ…!ワニノコ、汚名返上してやるぞ!!」

 

漢璽

「ポケモンは1匹ってルールは変更無しだ。ただし、体力を公平にする為に俺は変えさせてもらうが、異論はあるか?」

 

ゴールド

「ねぇよ、そのコラッタに勝っても、素直に喜べそうにねぇからな。

持ってんだろ、もっと強ぇ奴を。」

 

漢璽

「泣きべそかくお前の姿が目に映るぜ。…お呼びだ、イワーク!!」

 

幾つもの巨岩が繋ぎ合わさり、完成された体

それが大蛇のように見えたことからつけられたあだ名が“岩蛇ポケモン“

 

ゴールド

「おいおい…、なんつぅデカさだよ。何もかもが規格外すぎるだろ!

けど、こいつを超えられなきゃ…。」

 

ハヤトとの再戦を誓った決心を胸に、負けん気を露にするゴールド

その目に一切の曇りはなかった

 

漢璽

「へぇ、こいつを見て腰を抜かさないのは大したもんだな。

大概のトレーナーとポケモンは怖じ気づいて逃げ出しちまうんだが…、なるほど、痛めつけられるのをご所望のようだ!」

 

ゴールド

「(馬鹿正直に突っ込んでいって勝てる相手じゃねぇ。

まずは、能力を下げて弱体化させる…だっけ?)

ワニノコ、【睨みつける】!!」

 

漢璽

「【嫌な音】っ!!」

 

重低音が耳の奥を刺激し、ワニノコは睨むことすらできなかった

 

漢璽

「何かしたか?イワーク、【岩落とし】だっ!

逃げて逃げて逃げまくるがいいっ!そして、俺に喧嘩を売っちまった事を悔いな!!」

 

ゴールド

「(あれに当たったらワニノコの体力も危うい…。)

突破口は必ずある、今は避けることに専念するんだ!」

 

頭上を警戒しつつ、落石を回避するワニノコ

しかし、上に注意が散漫しすぎて気づかなかった…イワークが既に真下に潜んでいたことに

 

漢璽

「うねりあげろ、【締めつける】っ!!

こいつの【締めつける】の餌食になったが最後…脱出不可能だ。やはり弱いトレーナーのポケモンも弱いことに変わりないのさ!」

 

体を締め付けられ、息苦しそうなワニノコ

力が徐々に抜けていくのを歯をくいしばって見守ることしかできないゴールド

 

ジョバンニ

「あの状況ではどうすることもできない。

可哀想だが、潔く降参を認めることも大事…」

 

クリス

「先生待って!まだ…まだゴールドもワニノコも望みを捨ててない!

彼等は何があっても、最後まで勝負を投げ出さない!!

…そうでしょ、ゴールド。」

 

平常心を欠いているかに思えたゴールドだったが、彼の強く食い縛った口元が和らいでいく

 

ゴールド

「なぁ、さっきお前はこいつが怯えてるって言ったな?

そう見えたのか…じゃあ、もしもそれが才能が開花する前触れとしての武者震いだとしたら?」

 

漢璽

「何だと?」

 

ゴールド

「(そうだ、俺の知識が足りなかっただけで、こいつは既に覚えていたのかもしれない。)ワニノコ、岩壁をも削る【水鉄砲】を喰らわせてやれ…お前に扱えねぇ水技はねぇ!!!」

 

ゴールドの言葉に呼応して、ワニノコは口腔から激しい水を吹き出す

突然の弱点を帯びた攻撃に、巨体がよろめく

 

ジョバンニ

「Excellent!!絶体絶命の場面で出せるワニノコの意外性、自分のポケモンを信じきったゴールド君の熱意…、これ程にも息の合ったコンビネーションとは…!!」

 

漢璽

「まぐれは2回も通用しねぇぞ、イワーク、【体当たり】でワニノコを吹き飛ばせっ!!」

 

ゴールド「ワニノコ、もう怖いものなしだろ?真正面からくる的ほど当てやすい物はねぇ…、【水鉄砲】で貫けぇぇっ!」

 

顔面に大量の放水を浴びたイワークは突撃するスピードを失い、ワニノコの目の前すれすれの所で停止する

 

ジョバンニ

「Stop!そこまでですね、勝者はゴールド君!」

 

ゴールド

「やったな、ワニノコ!お前の頑張りがあって手に入れた勝利だ。

今回の戦いで得た経験値は大きいぜ!?

…漢璽、お前のイワークはとてつもなく強かった。けど、そのおかげで恐怖に立ち向かえる度胸ってのを覚えることができた…感謝するぜ。」

 

漢璽

「勝って尚、敗者を讃えるか…。お前の器を見謝っていた、見た目だけで判断していたのは、どうやら俺の方だったみたいだな。

本当はなぁ、お前ら2人が羨ましかったんだよ。」

 

ゴールド&クリス「?」

 

漢璽

「俺には一緒に高め合ったり、冗談言い合えるような同期がいねぇ。

だから、お前達に嫉妬してたんだ。

さっきの言葉は前言撤回だ、女の方も筋は悪くなかったぞ?きっと良いトレーナーになる。」

 

ジョバンニ

「闘いを通じて分かりあえることもある。若い君達にはいい刺激だったんじゃないかな?

さて…、2人はこれからどこに行くのかな?」

 

クリス

「マダツボミの塔に寄ってみようかなと思ってます!

これに傲らず、さらに邁進する為にも次は頭じゃなくてメンタルを鍛えようと…。」

 

ゴールド

「たくさん戦って、たくさん刺激し合って、たくさん経験積んだら、次こそハヤトさんにリベンジだ!!」

 

漢璽

「挫けずにたくさんの試練をこなしてやれ、お前達ならきっとやれる!」

 

熱い握手を交わす両者

こうしてトレーナーズスクールでの勉強及び実戦はゴールド達のこれからの大きな糧となった

そして、マダツボミの塔ではどんな修練が2人を待ち受けているのだろうか!?

 

ーーーーーー

 

その頃、マダツボミの塔では…

 

僧侶(A)

「光聖(こうせい)様っ…!!」

 

光聖

「くっ…、弟子達の前でみっともない姿を晒してしまったな。

お主、名前を何という!?」

 

赤い髪を靡かせて、光聖と呼ばれる僧侶に背を向けながら答える

 

シルバー

「…ここにはジムリーダーに匹敵する屈強な僧侶がいると聞いてきたんだが、無駄足だったな。

悪いが興味のねぇ奴に名乗るほど、俺は安い男じゃねぇんでな。」

 

外に出て、何かに悩まされるシルバー

 

シルバー

「(ちっ、強いトレーナー達が集まる場所に行けば情報が得られると思ったが、考えが甘かったな。)」

 

首にかけられたモンスターボール型のペンダントを握り締める

そこには、“R“の文字が刻まれていた

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