Road to ポケモンマスター ~ジョウト地方編~ 作:鍋奉行Lv5
30番道路、それに続く31番道路と長い道を行くゴールドとクリス
ジム挑戦を切々と語るゴールドに対して、クリスは不安を抱いていた
クリス
「あのさぁ、ジムの事ばっかり頭にあるみたいだけどさ、大丈夫な訳?
あんた殆ど実戦を経験してないでしょ?
それなりに実戦をこなして、ポケモンを鍛えておかないと、冗談無しで負けるわよ?」
ゴールド
「それ、聞き飽きたー。それにここら辺のトレーナーって正直弱い奴ばっかりじゃん?
この前のトレーナーなんて、キャタピーで挑んできやがったし…あれじゃ俺もポケモンもヤル気がおきないぜ。
シルバーぐらいの相手じゃなきゃ所詮バトルっていっても…ぐわっ!!!」
鼻を伸ばしながら語っていたゴールドは、目の前にあった蜘蛛の巣に顔面から突っ込んでいった
ゴールド
「うべっ…何だよこれ!中々取れねぇし…誰だぁっ、ここに巣作った蜘蛛野郎はっ!?」
???
「お前、さっきキャタピーを馬鹿にしたな?虫ポケモンを舐めた罰だよ。
芋虫だってな、成長すれば立派な蝶へと進化するんだ!その神秘さを知らずに貶す奴には当然の報いだよ。」
クリス
「えーと、君は?」
陰から姿を現したのは、虫網と麦わら帽子を被った少年だった
その肩には蜘蛛のポケモン、イトマルがちょこんと乗っかっていた
クリス
「きゃあ~~っ!離れて、今すぐあたしから離れてぇっ!!」
???
「お前も虫ポケモンを嫌うのか?
どうしてこんな可愛いポケモンが嫌われちまうのか、理解できねぇよ。」
ゴールド
「やいやいやい、人の顔に蜘蛛の巣絡ませといて、何か言うことはないのかな?
外見からして年下のようだが、俺は遠慮しねぇぞ?」
???
「生憎、僕も相手が年上だからって別に引き下がらないからね。」
二人は火花を散らし合う
ゴールド
「そんじゃ、ここは公平にポケモン勝負で決着つけようか…。
コテンパンにしてやるから、覚悟しとけよ?俺の名前はゴールドだ!」
???
「僕の名前は、雲野 巣亮(そうすけ)。使用ポケモンは、1匹…異論はないよね!?」
ゴールド
「ったりめぇだ!ジム戦前に昆虫駆除でもしといてやろうかなっ!?
いけ、ワニノコ!!」
巣亮
「僕はこのイトマルでいくとしよう。1度捕まったが最後…虫ポケモンの毒牙にかかりな!
イトマル、【糸を吐く】っ!!」
ゴールド
「(イトマルの糸は頑丈な成分でできていて、服作ったりするのにも使われてるって聞いたことがあるな…。あんなのに絡められたら、繭にされて身動きとれねぇ。)
ワニノコ、あの糸は直線にしか伸びねぇ、確実に避けるんだ!」
巣亮
「糸はどこまででもワニノコを追うよっ?昆虫は貴重な獲物(えさ)を決して逃がさない!!」
ワニノコはイトマルの攻撃を避け続ける
飛ばされた糸は木から木へ、ただ粘着していくだけ…
クリス
「(あの巣亮って子、【糸を吐く】の単調的な攻撃しかしていない。
よっぽど捕縛に自信があるのか…それともまるで、何かを待ってるような…)」
巣亮
「ほらほら、逃げ回ってるだけじゃあいつまで経ってもイトマルに勝てないよ?
…そっちが来ないのなら、僕達からいこうかなっ!?【毒針】!」
ゴールド
「ようやく【糸を吐く】を諦めたな?こいつを回避して、イトマルに技を当ててやる!
ワニノコ、横へ避わしてやれ!!」
巣亮
「へっ…僕達の誘導にまんまと引っ掛かってくれたね。
辺りを見てみるんだなっ!」
ゴールド
「こっ、これはっ!?」
それは、木と木の間をリングのロープのように張り巡らされた糸…
巣亮とイトマルの計算通りに構築された支配圏(フィールド)であり、ワニノコを陥れる為の罠であった
絡まってしまったワニノコは、もがけどもがけど糸が複雑に体に絡まり、雁字がらめになっていた
巣亮
「昆虫ってのは非常に賢い生き物でさ、生き残る為には危険を賭してでも策を講じる!
君達は入ってはいけない領域に知らず知らずの内に導かれてたのさ!」
ゴールド
「ちくしょう…ワニノコ、お前の爪と牙ならそんな糸、どうってことねぇはずだ!引きちぎってやれ!!」
巣亮
「無理無理っ、そいつの強度はワンリキーの馬鹿力でもちぎれない。
イトマル、【毒針】で真の恐怖を味わせてやるんだ!」
襲いかかる針がワニノコに刺さっていく
その1本1本に猛毒がたっぷりと含まれており、傷口から侵食していく
クリス
「ゴールドっ、毒は時間が経過するにつれて体力を削っていく!闘いを延ばせば延ばす程、あんたが不利になってくわよ!!」
ゴールド
「そんなの…分かってるよぉぉっ!ワニノコ、【怒り】でボルテージを高めろ!」
ワニノコの目が凶暴化し、力が上昇していく…
そして、ブチブチッと糸が裂けていく
巣亮
「強行手段で打ってでてきたか…っ
!
それならもう1度捕らえるだけだ、イトマル、【糸を吐く】!!」
ゴールド
「そう何度も食らうほど学習能力低くねぇ!ワニノコ、向かってくる糸を腕に巻きつけろ…。綱引きの要領で全力で引っ張るんだ!!」
鰐と蜘蛛…生物的観点からして、力の差は歴然だった
グイッと引っ張られたイトマルは、踏ん張れずに釣られてしまう
ゴールド
「止めの【ひっかく】っ!!」
イトマルの急所を一裂きし、戦闘不能にさせる
だが、ワニノコも受けた毒が全身に行き渡り、倒れてしまう
巣亮
「中々やるね…、勝負は引き分けさ。
でも、これで虫ポケモンの凄さはよく解ってくれたろ?
ただ、この先のキキョウシティ、ジムリーダーのハヤトは生粋の飛行タイプ使いで、僕達にとって相性最悪なんだ。
君も挑戦するなら何か対策を練らないと、このままじゃ危ういんじゃない?」
虫取り少年の巣亮と別れ、未熟さを胸の片隅に抱きつつも一同はキキョウシティへと足を運ぶ
次回、待望の初ジム戦!?