魔法?いいえ覇気です   作:伝書鳩

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第1話 転生、そして修行

「ここは何処だ……?」

 

 気がついたら知らない部屋で目を覚ました。周りには見慣れない天井に家具、自分の目線も下がっていることからこの身に何かが起きたのは間違いないだろう。

 

 落ち着きすぎだって? 人間って許容範囲外の事象に遭遇したら逆に冷静になれるみたいですね。今の俺はまさにソレです。

 

 起きてから気分は優れないが、現状確認をしなければ何も始まらない。とにかく何があったのか知るためにも情報収集が必要だ。

 

 そう意気込んで立ち上がった俺の目に飛び込んできたのは、テーブルの上にポツンと置いてある手紙だった。右も左もわからない現状、情報が欲しいのは確かだ。だが、いかにも「読めよ」という感じで存在感を放っているこれについてはぶっちゃけ怪しさ満載である。……読むけどさ。

 

「えーっと……」

 

『キミ死亡。こっちの不手際だけど許してね。この転生はサービスなので受け取ってほしい。もちろん特典もつけるので安心してくれ。キミに与えた特典は以下の通りだよ

 

・ムゲフロEXCEEDにある技や能力、技術を使用可能(一部使用制限有り)

・身体能力向上

・努力補正向上

・ムゲフロEXCEEDで入手可能な全アイテム使用可能

・各支援機も呼び出し可能

・家や生活費はプレゼント。一人暮らしがんばって!

・専用のトレーニング施設有り

 

追記:他にも転生者はいるよ! 同様に特典も与えられてるから気をつけてね!! 以上、神様からのお知らせでした』

 

 マジですか? 俺が死んだとか転生したとか手紙を書いたのが神様だとかは実感が湧かない。しかし手紙に書いてあることを信用するならこの特典は結構チートだと思うんだ、特にお菓子が使えるのがデカ……い!?

 

「がぁああぁあぁっ!!!!」

 

 突然の頭痛が俺を襲う。頭に流れ込んでくるのは俺に与えられた能力や各特典の説明だ。これにより、家やトレーニング施設の利用方法も理解した。

 

「はあっ……はあっ……!」

 

 数分が経ち、頭痛は収まった。どうせなら頭痛が起こることも手紙で伝えて欲しかったが……。まずは流れてきた知識を簡潔にまとめてみる。

 

・転生先は日本

・私立の小学校に通ってるらしい

・学校についての知識はあるから大丈夫っぽい

・学年は今年から3年、中途半端と思うのは俺だけ?

・種族は人間……日本なのに人間以外もいるの?

・身体能力は鍛えれば修羅のスペック

・訓練次第で覇気も日常的に扱える

・魔力や霊力の類は使用不可、その分は覇気で代用される

・女性キャラの技や特殊技能なども俺が使って違和感が出ないように調整されるらしい

・人外組の技などは覇気でカバーするらしい(要訓練?)

・精神コマンドも使えるっぽい(俺の成長次第で増加?)

・消費アイテムは各々1日に15個使用可能

・支援機のサイズは全機3m前後

・支援機には各々マシンソウルが存在しているらしい?

・支援機は俺と意志疎通が可能らしい?

・支援機の攻撃はこの世界に合わせてる?

・支援機も当然精神コマンド使用可能

・トレーニング施設は何処にでもあり、何処にもない?

 

 今はこんな感じで大丈夫かな? 何という覇気万能説、将来的にはだが。知識だけではよくわからん部分もあるが、その内理解できるだろう。

 

 後は俺以外の転生者の存在についてだ。手紙には「気をつけて」と書かれていたな。つまり転生者には自分以外の転生者を排除する理由がある? だが俺にはソレが思い当たらないし手紙にも何かをするような指示はない。個人的な理由とかか? まったく、わけがわからない。

 

 どうやら生活用品は一式揃っているし、食料の備蓄も万全。どうやら今日まで長期休暇で明日から新学期。宿題は終わらせてあるらしい、パーフェクトだ。……現在の時刻はAM9:32。ならばやることはこれしかあるまい。

 

「修行じゃーー!!」

 

 知識を元にトレーニング施設……長いな、以後「訓練所」にしよう。訓練所に移動する。念じたら直ぐに移動できた、試しに元の場所に戻ろうと思ったら同様に直ぐに戻れた。これは空間転移の技術を使ったという認識でいいのかな? 今後は訓練所に何処からでも行けるということで良さそうだ。

 

 訓練所を一望するとかなりの広さがあるのが確認できた。折角なので支援機を一斉に呼んでみようかな。

 

「アルクオン、フェイクライド、ファントム、ナハト、アーベント、アークゲイン!」

 

 呼び終えた瞬間には目の前に支援機が揃っていた。小学3年程度の身長の俺の目前に3m前後のロボが6機、壮観だ。

 

「今の俺は身体能力や知識だけで実戦経験は皆無だ。しかし、俺は今後他者に狙われる可能性があるらしい。だからこれからはみんなに俺の修行の監修をして欲しい。いいかな?」

 

 俺の言葉に各機肯定してくれた。よかった、独りでの修行には限界があるからね。

 

 どんな修行を行おうか思案していると、ロボ達が集まって何かをしている……あれってじゃんけんか? あ、負けたであろうフェイクライドとアーベントがガックリしてる。っていうかコイツら結構人間味があるな。なんだかんだで勝者が決まったっぽい、拳を突き上げ喜びを表現してるのは漆黒の羅刹機、アルクオンだ。覇気が視認できるほど溢れてるのは俺の見間違いであってほしい。

 

 ……何々? 最終的には主を何処に出しても恥ずかしくない修羅に鍛え上げる? 覇龍の塔での修練が幼子に思えるほどの超スペシャルコースで覇気の扱いもバッチリ? 今日の目標は機神拳と覇皇拳の修得とWシリーズの格闘技を使えるようになること? 死ぬわ!!

 

 ……大丈夫!羅刹機と髭ロボの指導だよ? あ、アークゲインさんがアップを始めました。何処にあったかサンドバッグ相手に麒麟・暁を決めてます。

 

 俺は逃げ出した!

 

 しかし回り込まれてしまった!

 

 羅刹機からは逃げられない!!

 

 ………………………………。

 

 だぁぁあ、やってやるよ! やればいいんだろ! 来いよアルクオン、羅刹断撃拳なんか捨ててかかってこい!!!

 

――――――――――――――――――――

 

 ……へへっ燃え尽きたぜ、真っ白にな。いや冗談ではないぞ? 能力補正なのかは知らんが、この身体は教えられたことをすぐに覚えることができた。なので攻撃時における覇気の使用感はわかったし、技もきちんと覚えた。ここまでは問題がなかったんだよ、ここまでは。

 

 あの鬼畜マシンロボ軍団、6時間耐久組み手とか告げて一方的に襲ってきやがったんだぞ! 実際に戦ってる最中にきちんと攻撃を繰り出せなきゃ意味がないことは理解できる。

 

 だがいくらなんでもノックアウトされた俺をアイテムで強制復帰させて組み手再開とか鬼の所業だろ。というか支援機もアイテム使えるんだね、俺と使用制限は共通みたいだけどさ。

 

 そんなこんなで俺は回復アイテムが尽きるまで3m級のロボと死闘(俺が力尽きる意味で)を繰り広げてたのだ。最終的には某大乱闘ゲームみたいな感じになってた。じゃんけんの恨みか、一度だけみんなの連携でアルクオンをぶっ飛ばした。ざまぁみろ。

 

 一通り修行を終えたので鬼畜ロボ軍団には下がってもらい、自主練としてサンドバッグ相手に武器を用いた技の練習をしてみた。色々と試してみて分かったことがあったので列挙してみる。

 

・同系統の武器を変更しても使用可能な技に変化はない

・一部の攻撃が覇気対応型になっている(主に邪神関連)

・技に対応した武器を装備していると攻撃力が上昇

・邪鬼銃王は攻撃の時だけ出てくる(支援機ではない)

・技の一部だけを抜粋可能(必殺技は除く)

 

 現状で把握できたのは以上だ。といっても初日でここまで理解できただけで十分だと思うけどね。ここでも覇気万能説が出てくるとは思わなかったがな。

 

 試してみて実感したけど、武器での攻撃に蹴り技を組み合わせるだけでかなり凶悪になった。『キャラAの攻撃→蹴り技(最中で武器交換)→キャラBの攻撃』とかも可能だった、パネェ。

 

 時刻を確認すると夕飯時になっていた。訓練所から家に戻り、汗を流してから食事。明日の登校準備を終わらせ就寝した。修行の疲れもあり、俺はすぐに意識を手放した




・ムゲフロEXCEED:無限のフロンティアEXCEEDの略。しりちちふともものカットインが素晴らしい。
・お菓子:強力な効果を秘めている消費アイテム。購入可能だが値段は相応に高い。
・修羅:戦闘民族。
・覇気:攻撃から弱点や気配の探知、防寒などが可能。なんという覇気万能説。
・人外組:妖精族、式鬼、アンドロイド、駄狐様。
・精神コマンド:便利、一部はアイテムで補える。
・支援機:ロボット。
・マシンソウル:精神、自我。
・アルクオン:羅刹機の頂点。ゲームでも屈指の性能を誇る。
・フェイクライド:妖精機。バリア破壊能力持ち。
・ファントム:忠犬。究極、ゲシュペンストキック!!
・ナハト:青カブトムシ。パイルバンカー+クレイモア=ロマン。
・アーベント:あーべんとーくいてー(腐狐様のコメント)
・アークゲイン:異色のWシリーズ。ソウルゲインではない。
・麒麟・暁:アークゲインの必殺技。
・羅刹断撃拳:アルクオンの必殺技、作者のトラウマ。
・邪鬼銃王:戦術からくり。直接操作しなければならない。右腕は疼かない。
・邪神:それ以上はいけない!
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