ソウルワーカー ~愛し愛されたSWたち~ 作:年始ミニ
俺は今、ミリアムさんから支給された私服を着こんでいる。なぜかって?今日は全員でこの敷地の探索だからだ。探索っていっても買い物行ったり、ゲーセン行ったりが主流になると思うけどね。
俺は欲しいものあるから別行動させてもらうけど。
あとお小遣いって事で5万ジェニーが支給された。あのインテリ眼鏡男から、ミリアムさんが全員に渡してるからって半強制的に持たされたものだった。
ちなみに、インテリ眼鏡男の名前はリューと言うらしい。
んで、現在の格好を見てみるとレザーパンツでミリタリー系の黒のレザーブーツ、黒カッターシャツ、その上からレザージャケット。
レザーブーツは履いてたから良いとして、なんで俺だけこんな厳ついファッションなんだ?
頭か?ツーブロックが原因か?それとも剃りこみか?てか服選んだの誰!?恨むぞ!
てかてか、そんなこと言ってる間にもう8時だ。
早く食べに行かなければ決まってない集合時間に遅れてしまう。
レストランに行ってアーウィンやリリーが居ると気まずいなぁ。
場所は変わってレストラン、中にはここの職員の人が多く居るがアーウィン達は見当たらない。
俺は安堵し、急いでカウンター前に陣取る。そしてメニューを手に取りざっと目を通す。すると、1つだけ目を止めるものがあったのだ。その料理とは...
「はーい、特大オムライスのデミグラスソースかけお待たせしましたー。それではごゆっくり」
そう、特大オムライス...
この服装も加わって結構危ない人に見えるが年は17だし、まだまだ未成年。そんな危ない人に見える未成年でもオムライスは大好物だったりするし、結構子供っぽい所があったり無かったりする。コーヒーは飲めるし、ハンバーグや唐揚げ等、甘いものなどはどんとこい。
けど1つだけ苦手なものがある、卵である。
いや、少し語弊があるか?幾つかの卵料理って言った方がいい?
まあいっか。
んで卵かけご飯や卵焼き、スクランブルエッグは大好物、けど煮卵やゆで卵、目玉焼きは苦手なのである。黄身と白身が別れてるのは食べれない、卵のパサパサ感がスッゴク苦手、半熟のゆで卵でも無理、目玉焼きは白身がパサパサで無理。まあとにかく無理、無理なものは無理。
口に入れて一口噛むだけで拒絶反応が起こり口から吐き出してしまうのだ。
まあ好き嫌いはするものではないぞ。
食べる前に写真を1枚パシャリ。
そんでもって特大オムライスを食べている。ガッツリ掻き込んでいる、しっかり味わいながらな。
すると隣に誰かが座った。
「おはようイグニス」
「...アーウィンか。なんか昨日は悪かったな、変な気使わせたみたいで」
「いいさ、仲間だろ?それに俺達は殆どなにも覚えてないからイグニスが羨ましいぜ、まったく」
アーウィンはケタケタ笑いながら俺をフォローしてくる。若干泣きそうになったが、オムライスに夢中で涙は消し飛んでしまった。
「それにしても子供っぽいところあるんだな、昨日ステラも食べてたぞ特大オムライス」
ステラも特大オムライスを食べてた...だと?ステラの胃袋はブラックホールか!?俺でも腹一杯、若しくはちょっと多かったかな?って位の量はあるのに、あの子供の胃袋に全て収まるなんて...ステラ、恐ろしい子
「あら?お兄様おはようございます」
そう声をかけられたので振り向くと私服姿のリリーが歩いてきていた。
「おはようリリー。けど兄貴じゃないって」
「イグニスおはよー!」
俺の言葉を遮って飛び付いて来たのは胃袋ブラックホールのステラだった。するとすぐ後からハルが走って追い付いてきた。そしてドジ踏んで俺達の目の前で転けた。
今朝の事もあるのか動揺しすぎだろ...
「何もないところで転けるなんてドジにも程がありますわね」
「リリー、ハルが可哀想だろう?そこまで言ってやるな」
リリーはうぬぬって顔をすると俺の隣に座り、オムライスを頼んだ。ハル、アーウィンはリリーに続いてオムライス、ステラは特大オムライスを頼んだ。
席順的には左から、ハル、ステラ、リリー、俺、アーウィンだった。
昨夜の事にとやかく言ってくる気配はなく、今日の事について隣3人は楽しそうに話していた。
「なにも言ってこないから驚いたか?ここにいる全員は昔に何かしらあった事は分かってる。だから誰も触れないんだ、悲しいことは言いたくないだろ?」
「まあな、でも──」
俺は続きを言おうとして口を開いたが、出かかっていた言葉を飲み込み、口を閉じる。
「また今度話すわ、タイミングが...な?」
「それでもいいぜ。
それで...話は変わるけどぶっちゃけた話、お前の部屋からハルが飛び出してきたってホントか?」
バレてら...
そして当事者のハルにも聞こえてたのか、喋っていた声が突然止まったので、俺はハルを見ると顔を真っ赤にして座っていた。
もうホントですって言ってるようなものじゃないか、もう一度アーウィンを見ると顔がニヤニヤして、いかにも悪巧みしてますって感じの顔をしていた。
「わ、悪いけど食べ終わったから先帰る、9時半位にエントランスに集合で...」
俺は食べ終わった皿とスプーンを写真に収め、レストランを出ていく。
そして、入り口を跨ぐか跨がないかの瞬間に誰かが『あーおいしかったー!』と言った。聞き間違えのない声だ、あれはステラの声だろう。俺より早く食べるなんてどうなってるんだステラの胃袋...
そんなこんなで部屋に向かい、軽く歯磨きを済ませ、約束の時間まで暇を弄ぶ。
約30分後
時間は9時20分
俺は部屋を出てエレベーターを使い、1階に降りると既に全員揃っており、いつでも行けるような格好をしていた。
俺は少し大股で歩き、3人が待つ所まで急ぐ。
「待たせたな」
「時間ピッタリだ。いくぜお嬢さんたち」
アーウィンが先頭でその後ろにリリーとハル、更にその後ろに俺とステラという見慣れない編成だ。
5人はエントランスを抜け、ドアをくぐり外に出る。
そこには雲1つない青空が広がっており、道の傍らにはずーっと芝生や花壇が広がっており、子供たちが遊べるように遊具や噴水なども設置されていた。
5人は多種多様のリアクションを取り、ステラに至っては目を輝かせていた。
アーウィンがポケットをゴソゴソして、地図を取り出す。
全員で地図を囲いこみ、地図を眺める...眺める...
『デカくね!?』
5人で絶叫。広いもいいとこすぎて呆れてくる広さだ。地図の端に1センチでなんキロってなってるのだが、その距離が異常すぎた。
地図の紙は約30㎝四方で、左右の端に建物の名前と簡単な説明が乗っている、そして1センチで約2km。ということはだ、左右の説明欄は合計して約10センチ、それを省き、東西約40km南北約60kmもこの敷地はあるということだ。
そして俺達が居るところは殆ど、ど真ん中。
この敷地の構成は真ん中をから色んな道が枝分かれしており、飲食店通り、商店街などとジャンル毎に別れていたりする。
まあ要するに某有名夢の国ランドを上から見たような感じ。
そしてそれぞれが携帯で写真を撮った。
「じゃあお嬢さん方とは1度お別れって事で、4時までにはここに帰ってきてくれよー」
アーウィンの一言で女性組と男性組で別れることになってしまった。
リリーがアーウィンを睨んでた気がしなくもないがそこはスルーして俺は一人で歩き出す。
まあ当然の如くアーウィンは追っかけて来るわけで...
「一緒に行こうぜ、イグニス」
「買いたいものがあるから一人にさせてくれ」
アーウィンは渋々と言った様子で離れていった。
俺が買いたいものとは銀粘土とネックレス、あとドッグタグだ。
銀粘土に深い意味はない、ネックレスはドッグタグと指輪を通すためのただの鎖に過ぎない。
まあドッグタグは趣味と言ったところだな。
地図でチラ見した銀細工がありそうな店にレッツゴー
観光しながら目的の店を探す。すると案外近くにあったみたいで通りすぎるところだった。
扉を開けて入るとカランカランと鈴が鳴った。
「いらっしゃい、何かお探しかな?」
店主が奥から出てきて俺に訪ねる。
年齢は50代半ばだろう、白髪で眼鏡をかけている。
年相応の渋さが滲み出ている...かっこいい...
「銀粘土を探してるんだけど...あとネックレスとドッグタグ」
「ふむふむ、ネックレスとドッグタグっと。銀粘土かぁ、恋人への贈り物でも?」
「ああ、そういうのじゃ無いんだ。自分で作ってみたくてね、好奇心ってやつ?」
店主はカウンターの下をガサゴソして1つの小袋を取り出した。
「ならこれかな、初めて作るにはやり易いとおもうよ。合計24000ジェニーだ。あと造形出来たら持ってきてくれ、焼いてやるから」
俺は礼を言い店から出る。
さて、用は終わったしアーウィンはほっといて集合場所に行って昼飯の時間まで暇潰ししますかね?