「あっと、そういや魅空羽忘れてたな」
「あぁ、そうね。ついいつも通り進めてたわ……」
「ん?連れが居るのか?珍しいな」
「もしかして、あの……?」
私は自分の名前が出たことにやっと気付いて、火事で焼けた住宅から目を離した。
「あぁやっぱり。輝夜が言ってた子だな」
「ほう……となると、この子が噂の外来人か?」
「あぁ、そうだぜ!って、魅空羽も何か言えよ……」
「あっ!えっと、如月魅空羽、です!」
「あぁ宜しくな。私は上白沢慧音、寺子屋の教師をやっている者だ。ほら、妹紅も」
「えぇ……私は藤原妹紅。まぁ宜しくね」
私は人里の二人に頭を下げると、会話に参加する事にする。
「あの、不審火……なんですよね?」
「多分ね、なんでも火がいきなり付いたとかで意味不明なんだけど……」
「まともな証言は見られなかったんだ、もう少ししっかりしておくべきだったな」
「……」
続く重い沈黙をぶち破ったのは、魔理沙だった。
「なぁ、真面目に考えなきゃいけないのは分かるんだが、腹減らないか?」
「ん、それもそうねぇ」
日はもう高く、結果皆で寺子屋の近くの定食屋に行くことにした。
――――――――
結局議論を交わしながら、おやつを食べながら、夕暮れになってしまった。さっきよりも緩い格好になった慧音が泊まっていってはどうか、と提案してくれたので、ありがたく泊めてもらう事にした。
「お風呂空いたよ~」
「んじゃ、私入ってくるぜ」
妹紅と魔理沙が入れ違いになった所で、私の目は妹紅の長い髪に釘付けだった。
「……綺麗ですね」
「ふぁっ!?」
「ふふ、良かったじゃないか」
「魅空羽の事だから、素直にそう思ってるわよ」
「~///」
顔を赤くする妹紅に、にやける慧音。女子会の光景がそこにはあった。
―――――――
「おやすみなさーい……」
魔理沙、霊夢は先に同じ部屋に入り、すぐに寝てしまっていた。
慧音は仕事があるから、と言い居間に残っていた。居間の入り口を出ると、妹紅が柱に寄りかかっていた。私を見つけると、慌てて(慧音には言わないで!寝かされちゃうからっ!)と頬を赤くして言ってきた。ホントに仲が良い人達だ。
――――――――
事件が起きたのは、午後11時を回った所だった。やっと微睡む私を叩き起こすような足音に、私は布団から這いずり出てそっと襖を開ける。
そこには、妹紅と、寝巻き姿の魔理沙の姿があった。会話を聞くため、更に開けようとするとガタンと音を立ててしまう。妹紅は肩を震わせると、此方を振り向いた。
そして、諦めたようにそっと手招きする。私は足音を立てないように、三人で寺子屋を抜け出した。
途中、魔理沙が耳元で緊迫した声で言う。
「また不審火が出たっぽいんだ……」
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