暖かーーーーーい目で見てください。
あと今回試しに2000字くらいで書いてみました。
「面白い……面白いな!あんた名前は?!」
「……みぃだよ!」
「本名じゃあないな、まぁいい。私はリンだ!」
「本名じゃあないね!」
私達は張りぼての自己紹介を済ませつつ、弾幕を飛ばし合う。何が似て通ったのか、かなりの相殺っぷりだ。
私は必死で、初めての耐久戦闘を乗り切ろうと星を放ち続ける。今の実力では、魔理沙や妹紅が援護に就いてくれてやっと押しきれるくらいだ。
少女の方はというと、一向に疲れを見せない。たとえ隙をついて弾幕が当たろうと、すり抜けていくのだから意味がない。そんな絶望的な闘いに、痺れを切らしたのか霊夢が声を上げた。
「何なのよもう!ちーと、だったかしら?それでしょ!?」
「珍しいな、霊夢が先に声上げるなんて……。まぁ同感だがな。これじゃあ意味がないぜ」
一見放棄したように見える二人の態度だが、むしろ警戒を強めているかのように取れる。掲げ続けた右腕が疲労に悲鳴を上げていたので、私も少し距離を取る。
少女は不毛だと言わんばかりに、岩壁に凭れた。その時だった。霊夢が小声で叫ぶ。
「下がって!!!」
「「「え?」」」
急いで後ろに飛び退くと、霊夢が手を掲げた。途端に岩壁に貼り付いていた札が光を放つ。少女は慌てて動こうとするが、光の鎖に繋がれていた。
霊夢がとどめを刺そうと近づいていく。その上、魔理沙が八卦炉を構えている。超が付くほどの厳重警戒だ。
「なかなか手こずらせてくれたじゃない?」
「……!」
「さぁ、行きましょうか"夢想……」
「霊夢、危ないぜッ!」
原因不明の爆発と霞む視界の中で、少女もまた驚きを隠せないようだった。
――――――――
次に目を覚ました時に、私は見覚えのある景色の中にいた。周りは少し秋に近づく木々が鬱蒼と広がり、ぽっかり空いているのは此処だけらしい。
「此処は……どこ?」
私は魅空羽~、と何処かで聞いたような事を呟きつつ、体を起こそうとする。どこを打ったのか知らないが激痛が走る。私は体を起こすのを諦め、周りを少し見渡す。
誰もいない。霊夢も魔理沙も。
当たり前の事なのに、それをいつしか怖れていた。
これからどうすればいいのか、そんなことを考えるまでもなく涙が頬を伝う。
私を包んでいた暖かいものは、貼り付けた物なんだろうか。外来人に向けた、ただの……。
そう考える根拠なんて無い。でも、それぐらいしか考えられないほどに、私は疲れきっていた。
「もう、いっその事……」
投げてしまおうか、何もかも。自分の持つもの全てを。
悲痛な考え方だ、つい数分前に否定した考え方なのに。
意味の分からない事だ、どうしてこうなった。何で何で何で……
「何で……私、消えちゃいたいよ……」
「ピィー……」
哀しみの隠った声、鳴き声が聞こえる。ゆっくり目線を動かすと、一匹の兎がいた。兎は鳴いたっけ、私はゆっくり撫でた。
「君も……一人?」
「ピィー……?」
「そっか、そうだよね……」
「ピィー……!」
これも最後になるかもしれない、そう想いながら杖を振るう。
「せめて、とびっきりの温かさを……この子に」
「ピィー……♪」
星の夜空のような紺色のマフラーが兎の首にゆったり巻かれる。私は兎の背をゆっくり押す。すぐに駆けていく後ろ姿を、私は見送った。
もう、何もかも終わった。達成感に身を委ねて、私は少し高い木に登る。途中でまた涙が溢れたが、何も気にすることはない。
「……綺麗だなぁ……」
夏の夜空には、無数の星が輝き犇めき合っていた。
最高の墓場だな、笑えないけど。口には出せない色々な思いを胸に、私は枝の先端へと足を進めた。
「こんなところで何してるんだ?」
「分かんないです……っ、え?」
「……面白い奴だな、でも危ないぜ?そっから落ちたらいくら魅空羽でも死んじまうぞ」
「魔理沙……?」
それが狙いです、とも言えずに、私は箒の上に目線を向ける。
少し欠けた月を背にして、大きな帽子を被った少女は私に手を伸ばす。私はその手を掴もうとして、前に踏み出す。
乾いた音が鳴った、枝が折れたという事だろう。
実質、私は宙に浮いていた。光が目にちらつき、後ろを振り向けば、透けた羽の向こうに色々な影があった。
「霊夢、妹紅、咲夜さん、フラン、ちゃん、レミ、リアさん……っ」
その他にも色んな影法師が、妖怪の山に写し出される。どれほどの価値があるのだろうか、多分こんなに暖かい光景は他にない。
「魅空羽……♪」
「あ、あぁ……!みんな、みんなっ……!やっぱり、私……私っ」
死にたく、ないよ……!
―――――――
その後は余り覚えていない、夜通し泣いて泣いて、最後には寝てしまった。
暖かい夢を見た。私の夢と予知夢と運命と、ぐちゃぐちゃで何が何だか分からない夢を。
それでも、そこにいたかった。そこを護りたいと思った。
もう、迷わないと誓えたから。
ありがとうございました(T-T)
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