幻想郷は夢を見る。   作:咏夢

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サブタイトルの通りです!
二人の目線が入れ替わっていきますが、ご了承下さいな。

現実の方を少し書いてみました!


閑話という名の受け継ぎ

――魅空羽side

 

「出来た……!」

「おっ!おめでとーう♪」

「マジかよ~魅空羽、早くね?」

「麗斗が遅いんだよ?みっくーと違ってアンタは夏休みも部活来てたじゃん……」

「愛結もそれなりに頑張ってるんだけどなぁ……」

「ファイティンだよっ!あゆゆん!」

 

文芸部室、もとい我が校の図書室には男子三人と女子三人、それと私がいた。

今回は夏休み明け初めての部活。時刻は5時少し前だ。

そして、出来たというのは今年の文芸冊子に載せる小説だ。私は夏休みの部活をとある理由で全欠席してしまったのだが、今までの一時間で何とか書き終えたのだった。

 

 

「あはは……中身がペラペラだからだよ、多分」

「そんなこと無いよ~!ね、メガネ君も何か言ってよ~」

「煩い、今書いてるの」

「んも~……あゆゆんはそう思うでしょ~?」

「もっちろんだよ!もっと自信持てば良いのに~。愛結みたいに、ね?」

「あはは……ありがとう♪でも、麗那もあんずちゃん、愛結ちゃんも文才あるよ~?あ、メガネ君は凄すぎるけど……」

「え、俺は?!」

「もちろん麗斗もスゴいよ!ダイナミックで」

「へっへーん♪」

「バカとも言うよな」

「な!?僚、そんな殺生なぁ……」

「あっはは!麗斗達おもしろーい!」

 

愛結、麗那、あんず、麗斗、僚、カルマ、唐突に始まるいつもの茶番劇。その雰囲気にとても落ち着いていると会話は続く。

 

「そういや、文芸部って二年いないよなぁ」

「そういえばそうだよね……去年の三年生が濃かったから?」

「それは一理ある。一年生は辛うじて入ったけど来ないし」

「あの子達、サボりたいだけだもんねぇ~。教室に押し掛けちゃおうかなぁ……」

「おー!たのしそー!」

 

上から、麗斗、愛結、僚、麗那、あんずの発言である。

それはちょっと……、とカルマが柔らかく却下していると、ドアが少し乱暴に開いた。

 

―――――――

 

――燐乃亜side

 

開け方が少し乱雑になっていただろうか。だとしたら、緊張ゆえの事だと理解してもらいたい、本当に。

 

「失礼します。文芸部の先輩方ですか?」

「うん、そうだよ~」

 

部長らしき二つ結びの先輩がマルっと頭上で手を合わせた。

私は思いきって続けた。

 

「入部希望で来たんですが、大丈夫ですか」

「「……へ?」」

 

先程の女子と顔つきの似た男子と、元気そうなポニーテールの女子の先輩が呆けた声を上げる。

後輩にさりげなく聞いたところ、この文芸部に二年生は未だ居ないらしい。確かに去年の新入生オリエンテーションは酷かったし、無理は無いと思う。

 

「や、やったぁ!?」

「「ぃよっしゃぁぁあああ!!!」」

「わ、わわわ……!!!」

「……よしっ」

 

先輩達のテンションが物凄い。確かにこのタイミングでの新入部員、しかも二年生は奇跡に近い。そうは思うけど、正直言って五月蝿い。

ふと私の目に止まったのは、最後の一人の先輩だった。今まで他の先輩の陰に隠れていたのだが、他の様子を見かねて此方に来た。

 

「えっと……ごめんね、いつもこんな感じなんだ……あはは……」

「別に……」

 

他の先輩よりも比較的関わりやすそうな人だった。それに何故か既視感が滲み出ていた。

先輩も此方をじっと見ていて、少し恥ずかしかった。

 

―――――――

 

――魅空羽side

 

いきなり入ってきた後輩に、皆のテンションは最高潮だった。それは私も凄く嬉しいのだが、皆とても五月蝿い。これじゃあ去年と大して変わらないだろう。

 

「えっと……名前は?」

「……葉月です。」

「よろしく、葉月さん。私は如月です。じゃあこっちに来てくれる?……」

「はい。……」

 

何だかとっても格好いい女の子だ。特別顔立ちが整っている訳ではないのだが、凛々しさを感じさせる。

私は葉月さんの手を取ると、精一杯微笑んだ。すぐに顔を反らして、皆にも挨拶を促す。

 

「麗那だよん!部長やってるから、宜しくねっ!」

「俺は麗斗だ、宜しくな!葉月!」

「こんにっちは~!文芸部のアイドル、愛結だよ~」

「……僚だ。宜しく、葉月さん」

「カルマでぇーす♪あ、男の子だからね?」

「あ、あんずだよ~宜しくねぇ~」

「……えっと、こんな先輩だけど宜しくね!」

「は、はぁ……」

 

スゴい退かれてる気がするのは私だけだろうか。とにかく挨拶は済んだので、皆を放っておいて説明を始める。

 

あと半年、とても楽しい学校生活になりそうだ。

 

 




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