苦手な人は飛ばしてください。
あと迷ったわりには短いです。
蒼い星と紅い彗星がぶつかり合いひしめき合う空中。
お互いグレイズを繰り返し、先程のスペル宣言から何分経っただろうか。ようやくお互いのスペルが切れ、再び距離を取る。
「「……。」」
風の唸る中、魔理沙と向かい合ってふと気づく。目が違う。
そこにいるのは、私のスペルを見定める事も少女たちの戯れを楽しむ事も忘れている
一人の闘う"普通の魔法使い"だった。
真剣な瞳は、それを指摘する事さえも許さない。そして視界には、『敵』である私の姿しかない。
そう、これは本気の"決闘"なのだ。誰も決して弾幕ごっこをしよう、とは言わなかった。ならばこれは、"スペルカードルールに則った決闘"だ。
霊夢はそれを知っていた、と言わんばかりに呑気だった。ただ地上で私達の行動を、第三者として見守っているだけ。
そしてもう一人、霊夢の隣に誰かいる。が、その少女を観察する余裕は全くもって無い。
「"ノンディレクショナルレーザー"っ」
「"スコーピオンアルバニア"!」
紅く浮かび上がる季節外れの蠍座を、幾つものレーザーが乱していく。もう甘美からはかけ離れた闘い、それでも美しい場景だ。そろそろ時間も尽きる頃、決着を着けなければならないのは分かっている。
分かっているのだけれど。
分からないのだ。
どうして、こんなにも闘い合うのか?
「ちっ、封殺か……」
どうして、こんなにも強くなれるのか?
「キリがないな……」
どうして、こんなにも……必死になれるのか?
「そろそろ決めねぇと……」
どうして……?
...
「って、アイツ寝てるじゃねぇか……ったく」
どうして……?
「燐乃亜、悪いが続きはまた……燐乃亜?」
「どうして……そんなに闘える?」
「んー……」
魔理沙は少し考え込むと、私に言った。意味の通じない質問だっただろうに、意外とさらりと答えてくれた。
「好きだから、だろうな」
「……?」
「好きだから。例えば……」
弾幕ごっこが、
この残酷で幸せな世界が、
魔法が、
青空の下の宴会が、
友達が、好きだから――。
「……だから、強くなりたい。」
「……魔理沙は十分強いじゃないか?」
「いや。まだだ。まだ強くなれる、はず」
気づいた。
どうしてこんなにも強さを求めるのか。
――護りたいから、だった。
大好きな世界を。
大好きな風景を。
大好きな友達を。
それが私には無かったのだ。今までずっと、失うことを怖れて。でも……。
「……燐乃亜。今から言うことは、霊夢には内緒な」
「……あぁ。じゃあ私も」
「私は、霊夢が好きだから、霊夢に追い付きたいから」
「私は、彼女に会いたいから、彼女を護りたいから」
――だから、強くなりたい。
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